嘆きのピエタ
2015-05-27(Wed)
母性が操る物語はかなり濃密で衝撃的

PIETA
監督:キム・ギドク
製作:2012年 韓国
上映時間:104分
出演:*チョ・ミンス *イ・ジョンジン
十字架から降ろされたイエス・キリストを抱く聖母マリア像であり
慈悲深き母の愛の象徴でもある「ピエタ」をモチーフに、
心を失った男とその母を名乗る女の姿を描く。
最後まで緊張感が途切れる事なく続く良作だと思います。
ただ「母なる証明」や「オールド・ボーイ」を思い出してしまって、
あれほどの衝撃は受けなかったな・・・
初のギドク監督作品という事で期待し過ぎたせいか??(^^;
ギドク監督ならではの個性はどういう所にあったのかな。
韓国映画ってどれも濃密で衝撃的でエグいものね。
そういう点では本作も負けず劣らす、
暴力・罪・痛み・悲しみなどをこれでもかと言わんばかりに
生々しく見せつけてきて、凄いと思いましたよ。
ネタバレあります ご注意ください ↓

韓国では家庭で生きた鶏・ウナギ・ウサギをさばくのって普通なの?
親に捨てられ天涯孤独に生きてきたガンド(イ・ジョンジン)は
冷徹な借金取り。
町工場の弱者を障害者にしてまでも取り立てる悪魔のような男。
こんな冷酷で人間らしさの無い男でも、
母だと名乗る女ミソン(チョ・ミンス)が突然現れて
温かい母性を与え続けられたら、
人間らしさが芽生え 母への思いが募るものか。
この変化は多少誇張されているとは思ったけど、
それまでが孤独で母の情愛を全く知らなかったからこそ
ありのままの(!)自分をそのまま抱きとめてくれる
ピエタのような母の存在はより大きくなるって事なんでしょうね。
ここまで母と息子の情が濃密なのは韓国だからかな。
大の男が「もう一人では生きられない」とまで言うのは
ちょっとピンと来なかったです。
しかし、この感情を呼び起こすのがミソンの目的だったとはね!
与えておいて突き落とす。
時間をかけた復讐だった!
ミソンは自分が襲われたように見せかけ突然姿を消す事で、
ガンドにこれまで彼の犠牲者となった債務者達の家を
一軒一軒回らせる。
被害者達の現状あるいは激しい彼への憎悪を見せ、
いかに彼が罪深い事をやってきたか思い知らせる。
ミソンの最後の仕上げは、家族を目の前で失った悲しみを
ガンドにも同じように味わわせる事。
だけど実の息子のための復讐だったのに、
ガンドに情がわいて「あいつもかわいそう」って言うんですよね。
母性の大きさを描いた言葉ですよね。
そんなミソンの母性がガンドを贖罪へと導きます。
その結末をトラックが引く赤い線として描くラストは
静かだけど強烈な印象を残しました。
最初から残酷な場面が続くんだけど、
割と直接的には見せてないんですよね。
間接的にそれを想像させる演出が見事!
余韻が残る作品でした。
関連記事*****
「オールド・ボーイ」
「母なる証明」

PIETA
監督:キム・ギドク
製作:2012年 韓国
上映時間:104分
出演:*チョ・ミンス *イ・ジョンジン
十字架から降ろされたイエス・キリストを抱く聖母マリア像であり
慈悲深き母の愛の象徴でもある「ピエタ」をモチーフに、
心を失った男とその母を名乗る女の姿を描く。
最後まで緊張感が途切れる事なく続く良作だと思います。
ただ「母なる証明」や「オールド・ボーイ」を思い出してしまって、
あれほどの衝撃は受けなかったな・・・
初のギドク監督作品という事で期待し過ぎたせいか??(^^;
ギドク監督ならではの個性はどういう所にあったのかな。
韓国映画ってどれも濃密で衝撃的でエグいものね。
そういう点では本作も負けず劣らす、
暴力・罪・痛み・悲しみなどをこれでもかと言わんばかりに
生々しく見せつけてきて、凄いと思いましたよ。
ネタバレあります ご注意ください ↓

韓国では家庭で生きた鶏・ウナギ・ウサギをさばくのって普通なの?
親に捨てられ天涯孤独に生きてきたガンド(イ・ジョンジン)は
冷徹な借金取り。
町工場の弱者を障害者にしてまでも取り立てる悪魔のような男。
こんな冷酷で人間らしさの無い男でも、
母だと名乗る女ミソン(チョ・ミンス)が突然現れて
温かい母性を与え続けられたら、
人間らしさが芽生え 母への思いが募るものか。
この変化は多少誇張されているとは思ったけど、
それまでが孤独で母の情愛を全く知らなかったからこそ
ありのままの(!)自分をそのまま抱きとめてくれる
ピエタのような母の存在はより大きくなるって事なんでしょうね。
ここまで母と息子の情が濃密なのは韓国だからかな。
大の男が「もう一人では生きられない」とまで言うのは
ちょっとピンと来なかったです。
しかし、この感情を呼び起こすのがミソンの目的だったとはね!
与えておいて突き落とす。
時間をかけた復讐だった!
ミソンは自分が襲われたように見せかけ突然姿を消す事で、
ガンドにこれまで彼の犠牲者となった債務者達の家を
一軒一軒回らせる。
被害者達の現状あるいは激しい彼への憎悪を見せ、
いかに彼が罪深い事をやってきたか思い知らせる。
ミソンの最後の仕上げは、家族を目の前で失った悲しみを
ガンドにも同じように味わわせる事。
だけど実の息子のための復讐だったのに、
ガンドに情がわいて「あいつもかわいそう」って言うんですよね。
母性の大きさを描いた言葉ですよね。
そんなミソンの母性がガンドを贖罪へと導きます。
その結末をトラックが引く赤い線として描くラストは
静かだけど強烈な印象を残しました。
最初から残酷な場面が続くんだけど、
割と直接的には見せてないんですよね。
間接的にそれを想像させる演出が見事!
余韻が残る作品でした。
関連記事*****
「オールド・ボーイ」
「母なる証明」