プリズナーズ
2014-11-15(Sat)
善と悪が逆転する危うさ。
緊迫感の続く展開は見応えあった!

PRISONERS
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:2013年 アメリカ
上映時間:153分
出演:*ヒュー・ジャックマン *ジェイク・ギレンホール *ポール・ダノ *マリア・ベロ *テレンス・ハワード *ヴィオラ・デイヴィス *メリッサ・レオ
愛する娘を奪われた時、
父が踏み越えた一線とは。
ケラー(ヒュー・ジャックマン)の娘アナと、
隣人フランクリン(テレンス・ハワード)の娘ジョイは
忽然と姿を消してしまう。
ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は
目撃された不審なRV車から
アレックス(ポール・ダノ)を逮捕するが、
彼はIQが10歳並みで、証拠不十分で釈放となる。
警察の対応に苛立つケラーはアレックスの漏らした言葉から
彼の犯行だと確信し、監禁して自白させようとする・・・
ネタバレあります 未見の方はご注意ください ↓

怪し過ぎる!ポール・ダノの醸し出す雰囲気とメリッサ・レオの老けメイク
ポール・ダノがめっちゃ怪しくて、こいつに間違いないだろうという
臭いをプンプンさせています!この人、こういう役ハマるな~
バカなフリをしているだけなんじゃないか?と思えてくるくる!
だけどケラーの暴行は常軌を逸していると感じるほど酷くて、
アレックスの顔を見せた時は思わず顔をそむけたわ~(><)
父から教わった「常に備えよ」を息子にも伝えるケラーは、
警察などアテにせず自分が家族を守るんだという
強い信念のみで行動します。
アレックスが怪しいので親として気持ちはまあ分かりますよ。
同じ被害者家族のフランクリンは、
この方法は間違っていると思いながら、ケラーの勢いに
押されて自分の判断が出来ないままうろたえるのみ。
妻のナンシー(ヴィオラ・デイヴィス)に至っては、
「ケラーにやらせておく」と責任逃れの立場で容認する。
平静を失った時の人間の危うさを見せつけられます。
これまで事件を全て解決してきたと言うロキ刑事。
登場した時のジェイクの太眉とドングリ眼がマンガみたいで
「あれ?こんなに面白い顔だっけ?」と笑えちゃった(^▽^;)
全編が緩みの無いムードなのに、一瞬緩んでしまったわ(^^;
「ドニー・ダーコ」から好きな俳優なのに顔で笑って申し訳ない!
このロキ刑事が地道な働きをして情報を集めるんですね。
神父の家の死体、26年前行方不明になったバリー少年、
家出したままのアレックスの伯母の夫・・・
パズルのピースがカシカシッと繋がってゆくんだけど
重要参考人が別に出てきて、サスペンスとしても目が離せません。
恐怖や不安を煽るカメラワークが見事でヒリヒリしました。
保護されたジョイの言葉から真犯人の所に向かうケラー。
老女なのに凄みと狂気に驚いた~(°□°;)
「子供を消し去るのは神に対する戦いだ」という犯行動機に唖然!
昔は信仰心が厚かっただけに、子供を癌で失った時に
神に裏切られた思いになったんでしょう。
神はいないじゃないかという恨みからの凶行だったんですね。
無宗教の者からすると、この映画では
神の存在を意識する人は自己の責任感が弱いですね。
真犯人は神への復讐で、怒りや悲しみを他人にぶつけて
自分を正当化しています。
無宗教だと、運命を嘆きはするけど徐々に受け入れますよね。
辛い出来事も自己で処理していく事が多いのでは。
ケラーは「我が罪を赦したまえ」と祈っていたけど、祈れば
赦されると思っているのでしょうか? 死体の男も同じです。
先日観た「ドン・ジョン」の主人公もそうで、
罪を懺悔して終わりで、また同じ事を繰り返していました。
だいたい自分で「罪」だと思うなら、図らずも一度
犯してしまったなら反省して二度とすべきじゃないでしょう。
自己判断できるはず。なのに自分の都合で行動するばかり。
結局、神を信じられなくなった者も信じる者も、
身勝手に他人に危害を加えた点では
たいして差がありませんでした。
同情できるかどうかでは、かなり違うけれども。
人間はみな罪深い。
プリズナーズ・・・肉体的・物理的に囚われていた人、
精神的に囚われていた人、多くの人がプリズナーズでしたね。
そして、一見善人に見えた人達が狂気の一線を超え、
一見悪人と思われた人達が単なる被害者だったという、
善と悪が逆転した結末に愕然としました。
人間の危うさを描いた見応えある作品でした。
関連記事*****
「灼熱の魂」
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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:2013年 アメリカ
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出演:*ヒュー・ジャックマン *ジェイク・ギレンホール *ポール・ダノ *マリア・ベロ *テレンス・ハワード *ヴィオラ・デイヴィス *メリッサ・レオ
愛する娘を奪われた時、
父が踏み越えた一線とは。
ケラー(ヒュー・ジャックマン)の娘アナと、
隣人フランクリン(テレンス・ハワード)の娘ジョイは
忽然と姿を消してしまう。
ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は
目撃された不審なRV車から
アレックス(ポール・ダノ)を逮捕するが、
彼はIQが10歳並みで、証拠不十分で釈放となる。
警察の対応に苛立つケラーはアレックスの漏らした言葉から
彼の犯行だと確信し、監禁して自白させようとする・・・
ネタバレあります 未見の方はご注意ください ↓

怪し過ぎる!ポール・ダノの醸し出す雰囲気とメリッサ・レオの老けメイク
ポール・ダノがめっちゃ怪しくて、こいつに間違いないだろうという
臭いをプンプンさせています!この人、こういう役ハマるな~
バカなフリをしているだけなんじゃないか?と思えてくるくる!
だけどケラーの暴行は常軌を逸していると感じるほど酷くて、
アレックスの顔を見せた時は思わず顔をそむけたわ~(><)
父から教わった「常に備えよ」を息子にも伝えるケラーは、
警察などアテにせず自分が家族を守るんだという
強い信念のみで行動します。
アレックスが怪しいので親として気持ちはまあ分かりますよ。
同じ被害者家族のフランクリンは、
この方法は間違っていると思いながら、ケラーの勢いに
押されて自分の判断が出来ないままうろたえるのみ。
妻のナンシー(ヴィオラ・デイヴィス)に至っては、
「ケラーにやらせておく」と責任逃れの立場で容認する。
平静を失った時の人間の危うさを見せつけられます。
これまで事件を全て解決してきたと言うロキ刑事。
登場した時のジェイクの太眉とドングリ眼がマンガみたいで
「あれ?こんなに面白い顔だっけ?」と笑えちゃった(^▽^;)
全編が緩みの無いムードなのに、一瞬緩んでしまったわ(^^;
「ドニー・ダーコ」から好きな俳優なのに顔で笑って申し訳ない!
このロキ刑事が地道な働きをして情報を集めるんですね。
神父の家の死体、26年前行方不明になったバリー少年、
家出したままのアレックスの伯母の夫・・・
パズルのピースがカシカシッと繋がってゆくんだけど
重要参考人が別に出てきて、サスペンスとしても目が離せません。
恐怖や不安を煽るカメラワークが見事でヒリヒリしました。
保護されたジョイの言葉から真犯人の所に向かうケラー。
老女なのに凄みと狂気に驚いた~(°□°;)
「子供を消し去るのは神に対する戦いだ」という犯行動機に唖然!
昔は信仰心が厚かっただけに、子供を癌で失った時に
神に裏切られた思いになったんでしょう。
神はいないじゃないかという恨みからの凶行だったんですね。
無宗教の者からすると、この映画では
神の存在を意識する人は自己の責任感が弱いですね。
真犯人は神への復讐で、怒りや悲しみを他人にぶつけて
自分を正当化しています。
無宗教だと、運命を嘆きはするけど徐々に受け入れますよね。
辛い出来事も自己で処理していく事が多いのでは。
ケラーは「我が罪を赦したまえ」と祈っていたけど、祈れば
赦されると思っているのでしょうか? 死体の男も同じです。
先日観た「ドン・ジョン」の主人公もそうで、
罪を懺悔して終わりで、また同じ事を繰り返していました。
だいたい自分で「罪」だと思うなら、図らずも一度
犯してしまったなら反省して二度とすべきじゃないでしょう。
自己判断できるはず。なのに自分の都合で行動するばかり。
結局、神を信じられなくなった者も信じる者も、
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たいして差がありませんでした。
同情できるかどうかでは、かなり違うけれども。
人間はみな罪深い。
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精神的に囚われていた人、多くの人がプリズナーズでしたね。
そして、一見善人に見えた人達が狂気の一線を超え、
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