そして父になる
2014-06-10(Tue)
6年経て、赤ちゃん取り違えを告げられ
葛藤する2組の夫婦。
事件を通して、主人公が父になる物語。

監督:是枝裕和
製作:2013年 日本
上映時間:120分
出演:*福山雅治 *尾野真千子 *リリー・フランキー
*真木よう子 *二宮慶多 *黄升げん *樹木希林
6年間育てた息子は、他人の子でした
血の繋がりを優先して息子を交換する方向で動き出すものの、
6年間一緒に暮らした日々は重すぎるよね・・・
親子の愛情も生まれているし、
子供だって自我が芽生えているものね。
この2組の家庭、特に父親が実に対照的です。
野々宮良多(福山雅治)はエリートで、
才能と努力で今の生活を勝ち取ってきた男。
息子にも自分と同じような道を歩ませたいと思っているが、
自分は仕事に忙しく、子育ては妻任せ。
もう一方の斉木雄大(リリー・フランキー)は、
町の電気屋さんという庶民派。
がさつだけど、子供と一緒になって遊ぶ良き父親。
母親のみどり(尾野真千子)は繊細で、
ゆかり(真木よう子)は子を3人も産んでいる肝っ玉母さん。
この2人のキャストは逆のイメージなんだけどね~(^^;
やっぱり母親は出産してから常に
『子供が何を欲しているのか、子供にどうしてあげればいいのか』を
考えてきただけあって、母性が生まれやすいものだと思います。
でも父親は父性を意識し難いのかもしれません。
ネタバレあるかも ↓
良多は息子・慶多に笑顔で接していて、
冷たいだけの人間じゃないと思うけど、
一人でお風呂に入らせる・スキンシップはしないって好ましくない。
その点、雄大は子供の心の掴み方を知っていましたね。
父親としては、良多は雄大に負けてたな~ (^^;
「何言ってんの、子供は時間」
「父親だって取り替えのきかない仕事やろ」
「負けた事のない奴は人の気持ちが分からんもんだな」と
言われて、ぐうの音も出ないんですよね。
今回の事件が父親としての自分を振り返るきっかけとなります。
ただ私としては、雄大のキャラ設定が、いかにも良多に対抗して
作ったようにあざとく感じちゃって、好きじゃないのよね。(^^;
リリー・フランキーさんは肩の力を抜いて演じていて良いと
思うんだけど、対照的に見せる演出は露骨に見えましたね~
でも本作は良多がいかに変化して「父となる」かを
見せていくのがメイン!
脇に出てくる人達みんな、凄く存在感があって、
しかも全て意味がありました。
最小限のセリフやシーンで親子というものを描いているんですよね!
父と良多は、そのまま良多と慶多の関係・・・
血が繋がっていなくてあまり好きではなかった継母のほうが、
良多の気持ちを理解してくれていた・・・
あの看護士宅に行った時、前妻の子であるにも関わらず、
少年から「関係ある。僕のお母さんだもん」と睨まれた・・・
セミの話は、何事も一朝一夕にはいかないと言う事ですよね。
様々な、血を超えて相手を大切に思う気持ちに揺さぶられ、
変化していく良多。
琉晴との距離を縮めようと努力しますが、
ある時、慶多の、自分を父として追い求めていた気持ちを知ります。
それまで大人しくてセリフもあまり無かった慶多の内面に、
ここで一気にフォーカスする!!
涙がこぼれたわ~(;_;)
小さいながらグッと我慢してたんだね~
逃げる慶多を追いながら「ごめんな」と謝る良多は、
この時初めて父になれました★
それまでは、良かれと思って自分の価値観を押し付けてきた。
でもそうではなく、子供の気持ちに寄り添いたい思いが芽生えた。
内側から愛おしい感情が自然と湧いてきた。
それが父性なんじゃないでしょうか。
この家族の問題を解決するのには、まだ時間がかかるでしょう。
でも良多は自分を見つめ直し、父になった。
そうやって、父も子も成長しながら、
時間をかけて愛を育みながら、家族になってゆくんですね。
葛藤する2組の夫婦。
事件を通して、主人公が父になる物語。

監督:是枝裕和
製作:2013年 日本
上映時間:120分
出演:*福山雅治 *尾野真千子 *リリー・フランキー
*真木よう子 *二宮慶多 *黄升げん *樹木希林
6年間育てた息子は、他人の子でした
血の繋がりを優先して息子を交換する方向で動き出すものの、
6年間一緒に暮らした日々は重すぎるよね・・・
親子の愛情も生まれているし、
子供だって自我が芽生えているものね。
この2組の家庭、特に父親が実に対照的です。
野々宮良多(福山雅治)はエリートで、
才能と努力で今の生活を勝ち取ってきた男。
息子にも自分と同じような道を歩ませたいと思っているが、
自分は仕事に忙しく、子育ては妻任せ。
もう一方の斉木雄大(リリー・フランキー)は、
町の電気屋さんという庶民派。
がさつだけど、子供と一緒になって遊ぶ良き父親。
母親のみどり(尾野真千子)は繊細で、
ゆかり(真木よう子)は子を3人も産んでいる肝っ玉母さん。
この2人のキャストは逆のイメージなんだけどね~(^^;
やっぱり母親は出産してから常に
『子供が何を欲しているのか、子供にどうしてあげればいいのか』を
考えてきただけあって、母性が生まれやすいものだと思います。
でも父親は父性を意識し難いのかもしれません。
ネタバレあるかも ↓
良多は息子・慶多に笑顔で接していて、
冷たいだけの人間じゃないと思うけど、
一人でお風呂に入らせる・スキンシップはしないって好ましくない。
その点、雄大は子供の心の掴み方を知っていましたね。
父親としては、良多は雄大に負けてたな~ (^^;
「何言ってんの、子供は時間」
「父親だって取り替えのきかない仕事やろ」
「負けた事のない奴は人の気持ちが分からんもんだな」と
言われて、ぐうの音も出ないんですよね。
今回の事件が父親としての自分を振り返るきっかけとなります。
ただ私としては、雄大のキャラ設定が、いかにも良多に対抗して
作ったようにあざとく感じちゃって、好きじゃないのよね。(^^;
リリー・フランキーさんは肩の力を抜いて演じていて良いと
思うんだけど、対照的に見せる演出は露骨に見えましたね~
でも本作は良多がいかに変化して「父となる」かを
見せていくのがメイン!
脇に出てくる人達みんな、凄く存在感があって、
しかも全て意味がありました。
最小限のセリフやシーンで親子というものを描いているんですよね!
父と良多は、そのまま良多と慶多の関係・・・
血が繋がっていなくてあまり好きではなかった継母のほうが、
良多の気持ちを理解してくれていた・・・
あの看護士宅に行った時、前妻の子であるにも関わらず、
少年から「関係ある。僕のお母さんだもん」と睨まれた・・・
セミの話は、何事も一朝一夕にはいかないと言う事ですよね。
様々な、血を超えて相手を大切に思う気持ちに揺さぶられ、
変化していく良多。
琉晴との距離を縮めようと努力しますが、
ある時、慶多の、自分を父として追い求めていた気持ちを知ります。
それまで大人しくてセリフもあまり無かった慶多の内面に、
ここで一気にフォーカスする!!
涙がこぼれたわ~(;_;)
小さいながらグッと我慢してたんだね~
逃げる慶多を追いながら「ごめんな」と謝る良多は、
この時初めて父になれました★
それまでは、良かれと思って自分の価値観を押し付けてきた。
でもそうではなく、子供の気持ちに寄り添いたい思いが芽生えた。
内側から愛おしい感情が自然と湧いてきた。
それが父性なんじゃないでしょうか。
この家族の問題を解決するのには、まだ時間がかかるでしょう。
でも良多は自分を見つめ直し、父になった。
そうやって、父も子も成長しながら、
時間をかけて愛を育みながら、家族になってゆくんですね。