愛、アムール
2013-11-06(Wed)
「人生は長く苦しい」と言っているように思えたな・・・
介護経験者としては観ていて辛くなる映画でした。

AMOUR LOVE
監督:ミヒャエル・ハネケ
製作:2012年 フランス・ドイツ・オーストリア
上映時間:127分
出演:*ジャン=ルイ・トランティニャン *エマニュエル・リヴァ
*イザベル・ユベール
人生はかくも長く、素晴らしい。
パリで悠々自適の老後を送る音楽家の夫婦。
ある日、妻アンヌ(エマニュエル・リヴァ)は病魔に襲われ、
右半身が麻痺してしまう。
病院を嫌う妻の望みに沿って自宅介護が始まる。
そこから老老介護が淡々と、そしてリアルに赤裸々に
描かれていきます。
そうそう、トイレに座らせるのもベッドに寝かせるのも
シャンプーするのも楽じゃないんですよね。
でも夫ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)はよくやってる!
フランスは子供が親の面倒を看る社会ではないのか、
娘(イザベル・ユベール)はたまに来て狼狽するばかり。
夫婦もあまり娘を頼ってないですね。
子供の前ではいつまでも親らしくありたいのかもしれません。
しかし、だんだん状態が悪くなっていく妻。
だんだん疲弊していく夫の行く末は・・・(><)
ネタバレあるかも ↓
介護経験者としては観ていて辛くなる映画でした。

AMOUR LOVE
監督:ミヒャエル・ハネケ
製作:2012年 フランス・ドイツ・オーストリア
上映時間:127分
出演:*ジャン=ルイ・トランティニャン *エマニュエル・リヴァ
*イザベル・ユベール
人生はかくも長く、素晴らしい。
パリで悠々自適の老後を送る音楽家の夫婦。
ある日、妻アンヌ(エマニュエル・リヴァ)は病魔に襲われ、
右半身が麻痺してしまう。
病院を嫌う妻の望みに沿って自宅介護が始まる。
そこから老老介護が淡々と、そしてリアルに赤裸々に
描かれていきます。
そうそう、トイレに座らせるのもベッドに寝かせるのも
シャンプーするのも楽じゃないんですよね。
でも夫ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)はよくやってる!
フランスは子供が親の面倒を看る社会ではないのか、
娘(イザベル・ユベール)はたまに来て狼狽するばかり。
夫婦もあまり娘を頼ってないですね。
子供の前ではいつまでも親らしくありたいのかもしれません。
しかし、だんだん状態が悪くなっていく妻。
だんだん疲弊していく夫の行く末は・・・(><)
ネタバレあるかも ↓
う~ん、しばし言葉を失うわ・・・(- -;)
すごく後味が悪くて、いや~な気分になりました。
やっぱりハネケ監督、夫婦愛を描いているように見せかけて、
老いの残酷な現実を突き付ける意地の悪さ!
確かに「愛」はありましたよ。
夫の献身的な介護には頭が下がります。
あそこまでなかなか出来ませんよ。
でも、タイトルを「愛、アムール」とするなら、
どうしてああいう形に持って行くんでしょ。
妻の尊厳を守りたいから?これ以上妻が気の毒だから?
そういう思いで一緒に旅立つのも一つの愛かな??(@_@)
こういう事は実際に日本でも起こっているし、とがめはしませんよ。
どちらかと言うと、介護経験者として理解はできます。
共倒れになっちゃうのよね。
でも経験上、病人がどういう状態であろうと、
介護者に体力・気力が充分あれば「心配しなくて大丈夫」と言って
尊厳を大切にして生きていけるんです。
でもなかなか体力・気力は続かない。
特に老老介護ともなると、介護者も弱り、先行き不安になってくる。
ほとんどがそこでの行動なんですよね。
あれは、愛と言う思いやりじゃなくて、生きる事への絶望なんです。
飛び込んできた鳩をつかまえて抱きしめていたのは、
「すまない・・・」と言う懺悔の気持ちですよね。
そんな姿を見せられて「人生はかくも長く、素晴らしい」なんて
思えないって!
私は6年前に同居の義父を看取りました。
晩年の認知症に悩まされたのだけど、
今年になって、あれはまだ軽かったんだと知る事になりました。
実母は7年前から脳内出血で左半身不随でしたが、
今年6月に脳梗塞を起こし、大切な知能関係の血管が詰まり、
たった一晩で別人になってしまいました(;_;)
アンヌのように突然表情がなくなり思考が停止してしまった。
映画のような事が現実に本当に起こりました。ショックでした。
前日まで普通に孫の話をしていた人が、翌日 娘の私が分からない。
スプーンも持たない母に、毎日スプーンを持たせるようにしたら、
少し自分で食べられるようになりましたが、
私に笑いかけてくれる事はありません。
現在、高齢者施設でお世話になっているので、
24時間の苦労はないから言えるのかもしれませんが、
人間性のなくなった母でも生きていてほしいと思います。
老いとは、前に出来ていた事が出来なくなる事。
そういう意味では、私もすでに老い始めています。
この映画は全く他人事じゃなくて、
親の事、自分の事、いろいろグルグル考えてしまいました。
先の不安が膨らんでしまって、
これはまた、ハネケの術中にハマったようですね(^^;
#2012年度アカデミー賞外国語映画賞受賞
関連記事*****
「別離」
「未来を生きる君たちへ」
「瞳の奥の秘密」
「おくりびと」
「ヒトラーの贋札」
「善き人のためのソナタ」
「ツォツィ」
「海を飛ぶ夢」
「ファニーゲーム」
「隠された記憶」
「白いリボン」
すごく後味が悪くて、いや~な気分になりました。
やっぱりハネケ監督、夫婦愛を描いているように見せかけて、
老いの残酷な現実を突き付ける意地の悪さ!
確かに「愛」はありましたよ。
夫の献身的な介護には頭が下がります。
あそこまでなかなか出来ませんよ。
でも、タイトルを「愛、アムール」とするなら、
どうしてああいう形に持って行くんでしょ。
妻の尊厳を守りたいから?これ以上妻が気の毒だから?
そういう思いで一緒に旅立つのも一つの愛かな??(@_@)
こういう事は実際に日本でも起こっているし、とがめはしませんよ。
どちらかと言うと、介護経験者として理解はできます。
共倒れになっちゃうのよね。
でも経験上、病人がどういう状態であろうと、
介護者に体力・気力が充分あれば「心配しなくて大丈夫」と言って
尊厳を大切にして生きていけるんです。
でもなかなか体力・気力は続かない。
特に老老介護ともなると、介護者も弱り、先行き不安になってくる。
ほとんどがそこでの行動なんですよね。
あれは、愛と言う思いやりじゃなくて、生きる事への絶望なんです。
飛び込んできた鳩をつかまえて抱きしめていたのは、
「すまない・・・」と言う懺悔の気持ちですよね。
そんな姿を見せられて「人生はかくも長く、素晴らしい」なんて
思えないって!
私は6年前に同居の義父を看取りました。
晩年の認知症に悩まされたのだけど、
今年になって、あれはまだ軽かったんだと知る事になりました。
実母は7年前から脳内出血で左半身不随でしたが、
今年6月に脳梗塞を起こし、大切な知能関係の血管が詰まり、
たった一晩で別人になってしまいました(;_;)
アンヌのように突然表情がなくなり思考が停止してしまった。
映画のような事が現実に本当に起こりました。ショックでした。
前日まで普通に孫の話をしていた人が、翌日 娘の私が分からない。
スプーンも持たない母に、毎日スプーンを持たせるようにしたら、
少し自分で食べられるようになりましたが、
私に笑いかけてくれる事はありません。
現在、高齢者施設でお世話になっているので、
24時間の苦労はないから言えるのかもしれませんが、
人間性のなくなった母でも生きていてほしいと思います。
老いとは、前に出来ていた事が出来なくなる事。
そういう意味では、私もすでに老い始めています。
この映画は全く他人事じゃなくて、
親の事、自分の事、いろいろグルグル考えてしまいました。
先の不安が膨らんでしまって、
これはまた、ハネケの術中にハマったようですね(^^;
#2012年度アカデミー賞外国語映画賞受賞
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「別離」
「未来を生きる君たちへ」
「瞳の奥の秘密」
「おくりびと」
「ヒトラーの贋札」
「善き人のためのソナタ」
「ツォツィ」
「海を飛ぶ夢」
「ファニーゲーム」
「隠された記憶」
「白いリボン」