ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
2013-06-24(Mon)
圧倒的映像美!
最後にそれまでの物語をガラッと覆されてビックリ( ̄∇ ̄)ゞ

LIFE OF PI
監督:アン・リー
製作:2012年 アメリカ
原作:ヤン・マーテル「パイの物語」
上映時間:127分
出演者:*スラージ・シャルマ *イルファ・カーン *レイフ・スポール
なぜ少年は、生きることができたのか。
命を奪うのか、希望を与えるのか少年とトラが太平洋を漂流するサバイバル・アドベンチャー
だと思って観ていたら、最後の最後で衝撃的な
事実が明かされます。
それまで観てきたものをガラッと覆すもう一つの話に、
頭の中で動物や人間がグルグルと回って、
じゃあこれは・・・と考え込んじゃったわ~
もう一つの話が出てくるまでは、
圧倒的な映像美に引き込まれてました。クジラが海中から跳ね上がり、
無数のトビウオがピチピチと飛び交う・・・うわ~スゴいっ!
海面が天空を映し出したり、夜光虫で輝いたり、
まるで
宇宙のように見える!
この「宇宙」というのは神との繋がりを表わしているんでしょう。冒頭で、「クリシュナ神の口の中に宇宙全体があった」
「ヴィシュヌは至高の神、無限の宇宙の海に浮かんで眠る」
と言う話が出てきますから。
究極のサバイバルの舞台である海は、
神の存在を感じるほどに荘厳に描かれています。ネタバレあります・未見の方はご注意ください ↓
しかし、現実はどうだったのか・・・?
救命ボートにいたシマウマが船員で、
オランウータンが母で、ハイエナがコックで、
トラがパイだったとは!
なるほど、ハイエナがオランウータンを襲ったタイミングで
いきなりパイの足元からトラが出てきたのに納得する。
トラは獣の野性の本能。
パイとトラの戦いは、理性と獣性との葛藤だったと思う。
母を殺された事に怒り、コックを殺め、
その人肉を食べて生き永らえた・・・
それは悪のように見えるけど、そうだとも言い切れません。
この本能は人間の中に眠っているものだし、
生きる本能なんだから。
パイが「トラへの恐怖心が緊張感を生み、
エサの確保が生きがいとなった」と話したように、
獣の本能こそが生命力の元となりました。
パイ自身は元々サバイバル能力がありましたよ。
機転が効いて柔軟に考え行動できる青年でしたから。
獣の本能はその生命力を格段にUPさせたと思います。
背徳的行為を悔みながら、父の教え通り決して諦めず、
自分の論理的思考で生き抜いた。
それが現実。そこに神の姿は無かったんですね・・・
生きる事は手放す事。
パイは家族も恋人も故郷も失い、
たった一人生き残りました。
このやり切れない辛い出来事を振り返る時、
そこにも意味があったと考えるでしょうね。
子供の頃から神を信じてきたパイだから。
だからパイの心象風景は神絡みの
幻想的な物語になっているのでしょう。
観る前と観た後で、随分と印象が変わった不思議な作品でした。
#2012年アカデミー賞 監督賞・撮影賞・作曲賞・視覚効果賞 受賞
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画
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コメント
見る予定なのでネタバレ以下は読むのやめときました☆
読みたいところグッと堪えました(笑)
映像が素晴らしいのですね。
もう、それがスゴイってだけで映画として大成功。
楽しみにしときま~す。 見たらTBにおじゃまします(半年後位かな・・・)
そうですね、私も映像美とファンタジックな絆な物語と
勝手に思い込んでいたので、ラストで覆される物語の真実には
えっと思うものの、納得のいく話でもありました
それぞれの宗教論やそれにちなんだ映像の数々は美しかったし、面白かったです
やはり、極限の生命力というのは人間において誰しももってるものですが
それを如何なく発揮する機会って、普通の生活においてはないものです
このような機会があって、パイはそれを発揮した。
ただそれだけのことなのでしょうね。
127時間でもそうでしたが、人間の生きようとする力って限りない、と思います
YANさん、こんばんわ。
これは劇場で見ることが出来ました。
3Dではありませんが、それに勝るとも劣らない美しさでした。
YANさんの感想、自分も似たようなことを感じました。
最初は、単なる美しいサバイバル映画かと思いましたが、
ラストに示された現実の話が、この映画の印象を大きく変えてしまいました。
大自然の中に居なければ、普段は意識しない生きることの厳しさ。
自身が行ったことの総てを受け入れて、彼は最後には生き延び、
それを乗り越えることができたんでしょうね。
だから、この映画は現実逃避の話ではなくて、
彼が如何に厳しい現実を受け入れ、自分のものにしたのか、
ということのように感じました。
それじゃ、また。
こんにちは!
ネタバレ避けてくれて、よかった~(^^;
その部分は観てから読んでもらえると有り難いです。
映像は本当に綺麗なので、出来ればブルーレイで観た方が、
より良さが分かるんじゃないかな~
私はてっきり映像美だけの映画かと思っていたら、
そうじゃなかったです。楽しみにね~☆
こんにちは!
この映画の予告編などから、リアルな物語が出てくるとは
全く想像だにしてなかったです。
極限の中で究極の生命力を発揮した物語で、
例の行動は決して悪ではないと思うのよね。
その究極の生命力をアーティスティックな映像で
まるでファンタジーのように描いていて素晴らしかったですね!
それにしても捻りを加えた上手い構成で、
面白い見せ方をしてましたよね~
ただ単にリアルな出来事のみを映し出しても、
パイにとっての意味合いが描けないものね。
こんにちは!
劇場鑑賞出来て良かったですね★
これは劇場向きの素晴らしい映像美でした~!
少しでも良さを味わおうと私はブルーレイで鑑賞しましたが(^^;
ラストはドンデン返しと言うのか、
まさかこういう展開の映画だとは、予想外でしたね。
パイの心象風景でこのサバイバルが幻想的な物語に
なっているのは、確かに現実逃避ではなくて、
全てを受け入れ咀嚼して飲みこんだからだと思います。
どちらの話がいいかと聞かれれば、トラと漂流した話ですが、
両方あっていろいろ見えてきたので、2つの合わせ技一本ですね(^▽^;)
さすが監督賞Aリー作品よね!映像美3D劇場で観たかったでしょう?迫力あったよ
今年唯一の3D鑑賞
大人のパイはモックンが吹き替えでした
大作3Dは吹き替えが定番になったね!
映像に集中したいし
沈没した船が日本貨物ってのがツボ
パイは泳げた事が生き残れた
体力と強い精神力!!
私はトラに釘づけ
映像技術の進化が素晴らしい(≧∇≦)
こんにちは!
森子さんはしっかり3D鑑賞だったのね!
好きな俳優さんだと本人の声が聴きたいけど、
これは吹替えでも問題ないね。
ところどころに日本の文字が出てきて、嬉しかったわ(^_^)
「遭難した時に歌いましょう」って日本人が考えたのかな?
それとも万国共通のサバイバル術かな?
子供時代に教え通りに水泳も覚えておいて助かったよね。
何でも教えを吸収する柔軟性と精神力と、
極限で現れた野生の本能のおかげで生き残る事が出来たんでしょうね。
あのトラを描いた技術はすっごいよね~!
トラと一緒に漂流する映画で、2時間もつのか?と思いましたが、こんなにスゴイものだとは、おみそれしました!
トラのCGがアンビリーバブル! ストーリーも驚愕!
こういう映像を見られるのは幸せです。
こんにちは!
私もファンタジーアドベンチャーだと思い込んでました。
ムムムッと後を引く映画でしたね~
観終わって、最初からいろいろ考え直しましたよ(^▽^;)
あんなにリアルな動物が今やCGで描けるんですね!
よく見ても本物と寸分違わないトラだものね~
でも、目がとっても愛らしいと思えたシーンがありました。
美しすぎる映像予告を観ていたし、そういう想いで見始めて見終わった後は、違うものが残る映画でもありましたねぇ。
私も、YANさんや↑の皆さんと同じく、そういうラストに持って行かれるとは思いもしなかったもん。印象が変わりますねー。
海というのは、母なる海といいながらも恐ろしく怖い一面もありますね。私、もぐりは出来ても泳げないしこわいです。
彼が複数の宗教をもっているというのは、日本人にしたらそんなに違和感はないですよね。
なにか大きな力というのは、極限の状態にこそ感じるものかもしれないし、自分の中の大きな力のような気もします。信じる力も、偶像的な方が信じやすいとも思えます。
映像はすごくキレイでしたし、トラのCGと本物の区別もつかなかったです。クジラのシーンはすごく幻想的でしたけど、あららーの危機展開に行くとは思わなかったですね。ちょっとでもと思いBlu-rayを選択してよかったなぁと思いました。新作で速く返さなきゃ行けなかったから、特典をじっくり見られなかったのが残念。原作を読みたいなって思ってます。
こんにちは!
予想外の話が出てきたのが、印象に残った大きな原因ですよね。
考え直していて、余韻が長く続きました。
ちゃぴちゃぴさんはもぐれるの?私はプールでちょっと泳げるだけ(^^;
海なんて底なしって感じでダメ~船もイヤだし遭難したら生き残れない(><)
日本人はどんな神でも拘りないけど、真剣に信心してないし
ちょっといい所をかじるだけという軽さでしょう?
パイの場合はもうちょっと真剣に信仰してたかな。
でも違和感は感じませんでしたよ。
あれはパイの柔軟性に繋がってましたよね。
どんなものでも自分の中に吸収して受け入れるという柔軟性。
そのおかげで生き残れたし、出来事を振り返った時に、
幻想的な寓話に昇華させる事が出来た気がします。
極限状態で出てきた自分の中の大きな力は映像的に上手く表現されてましたね。
私も結局、特典は見ずに返却したわ・・・残念~!(^^;
YANさん、こんにちは!
これは意外な展開?おちの映画でした。
ハラハラドキドキ感もあったし、幻想的なところもあったし、他の映画とは違った、ずっと後になるまで覚えている映画の気がします。
と、すごい褒めたけど、それほど好みの映画ってほどではなかったかも(^^ゞ
こんにちは!
思ってもいなかったオチがあってビックリでした。
そしてそこからいろいろ考えさせられたけど、
今となっては、ちょっと印象が薄くなってます。(^^;
良い映画だったなという思いはあるけど、
latifaさんと同じで、すごい好みって程じゃなかったのね。
映像美だけじゃない内容のある作品で、
その内容が難しかったから、盛り上がって語れない感じ(^▽^;)
本作、映画館で観たい観たいと思っていたのに
結局、逃してしまい、DVDで鑑賞。
本当にもったいないことしましたぁー!!
YANさんも書いていますが、圧倒的映像美!!
これは映画館で観てこそでしょう。
ストーリーも良くできていて見応え十分でしたね。
ただ、鑑賞後、作品の深いところまで読み取れなくて
色々と皆さんのレビューを読んでお勉強。
自分のレビューにも書いていますが、もう一回観て
納得する作品です。
こちらにも、どうも~
そう、これは劇場の大スクリーンだったら相当感激した事でしょうね!
家でも映像美を感じられたんだから(BRで観ました)、
映画館しかも3Dではなおさらだったでしょう。
映像だけ見ればいいかと思っていたら、中身も深かったです★
最後に幻想から現実に覆される作りも見事でしたね!
慌てて最初から観直しましたよ(^^;
難解な内容で未だにスッキリと整理出来てませんが、
極限でのサバイバル、素晴らしい物語でした。
ちょうど半年後に再度おじゃましました♪
この作品を見たのは年末のことなのに、映像の綺麗さは今も詳細に覚えています^^
内容もですが、いつまでも心に残る作品ですね。
ラストのどんでん返しにはビックリしました。それを想像してすごく恐かったです。
とはいえ、頭わるいワタシには不明確な部分がたっくさん。
島の話はどこまでが本物だったのでしょう。
元々島自体架空のものだったのかな?
こんにちは!
ほんとだ~ちょうど半年前にコメントある~(≧ε≦)
映像の美しさは圧巻でしたよね!
海が宇宙みたいに輝いてました!(゚o゚)
内容は私も完全に咀嚼出来てないです。
でも神の力でなく自分の力で生還した人の話だと捉えてます。
現実の厳しさを全て受け入れた・・・
そこには神も宇宙も全部入っていて・・・あ~やっぱり難しい(^^;
島は現実の暗喩と私は思ったんだけど、どうでしょう?
普通に考えるとトラと漂流したら真っ先に喰われちゃうものと思います。…が、人がもつ生命力というものは凄いものですね。主人公であるパイは自分が襲われないように、トラの腹をす...
生存本能による残酷さ。
宗教の思想による規律。
理性による判断。
その狭間をさ迷い漂流した少年。
彼が生き延びることが出来た理由。
若かったから。運が良かったから。
けれ
映像の美しさ。動物、とくにトラの動き。驚きの物語。
映画芸術を堪能させていただきました!
映画館で観損ねてしまった映画…。予告は何度か観て、これは映画館で観るべきと思っていたのにな〜。残念。まぁ、しゃーないですわ。アカデミー賞4部門受賞作品でもあります。ファ ...
2012年制作 米
監督:アン・リー
≪キャッチコピー≫
『なぜ少年は、生きることができたのか。』
≪ストーリー≫
1976年、インドで動物園を経営するパイの一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、
嵐に襲われ船が難破してしまう。
家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、
シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが...
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制作国:台湾 制作年:2012年
1960年代初めのインド ポンディシェリで生まれた少年パイ・
パテルは、父が経営する動物園で動物たちと触...