別離
2012-12-26(Wed)
些細な問題がこじれにこじれて・・・
緊張感のある会話劇はとてもリアル。
2011年アカデミー賞外国語映画賞受賞。

JODAEIYE NADER AZ SIMIN
NADER AND SIMIN, A SEPARATION
監督・製作・脚本:アスガー・ファルハディ
製作:2011年 イラン
出演:*レイラ・ハタミ *ペイマン・モアディ *サリナ・ファルハディ *サレー・バヤト
はじまりは、愛するものを守るための些細な“嘘”だったーー。
テヘランで暮らす夫婦ナデルとシミン。
妻シミンは娘テルメーの将来を考え、海外移住を進めていた。
しかし夫ナデルはアルツハイマー病の父を置き去りに出来ないと反対。
妻は裁判所に離婚を申請するが、些細な問題と言われ認められず、
実家に行き、しばらく別居する。
父の介護のためナデルは介護女性ラジエーを雇い入れる・・・
アルツハイマーの義父と夫と娘を置いて家を出る妻には共感できないな。
介護と仕事と家事をこなすのが大変なのは、私も経験者だから分かるけど、
見捨てるなんて、人道的に普通出来ないと思うな・・・
離婚提訴の理由は娘の将来のためと言っていたけれど、
そればかりじゃなくて、家庭環境自体がイヤだったのでは?
「あの家には戻りたくないの」の台詞がありました。
「夫はいい人だ」と言っているくらいで、夫自身は原因じゃないんですよね。
夫は父をとても大切に思っていて、決して父には声を荒げないし、
献身的に面倒をみています。
昨今、自分の親を大切にしない人が多いから、彼は立派です。
ただ、自分がやっている行為を、当然のように、妻や介護女性に
求めているような所がありましたね。彼女達に少し厳しく接していました。
ネタバレあります ↓
緊張感のある会話劇はとてもリアル。
2011年アカデミー賞外国語映画賞受賞。

JODAEIYE NADER AZ SIMIN
NADER AND SIMIN, A SEPARATION
監督・製作・脚本:アスガー・ファルハディ
製作:2011年 イラン
出演:*レイラ・ハタミ *ペイマン・モアディ *サリナ・ファルハディ *サレー・バヤト
はじまりは、愛するものを守るための些細な“嘘”だったーー。
テヘランで暮らす夫婦ナデルとシミン。
妻シミンは娘テルメーの将来を考え、海外移住を進めていた。
しかし夫ナデルはアルツハイマー病の父を置き去りに出来ないと反対。
妻は裁判所に離婚を申請するが、些細な問題と言われ認められず、
実家に行き、しばらく別居する。
父の介護のためナデルは介護女性ラジエーを雇い入れる・・・
アルツハイマーの義父と夫と娘を置いて家を出る妻には共感できないな。
介護と仕事と家事をこなすのが大変なのは、私も経験者だから分かるけど、
見捨てるなんて、人道的に普通出来ないと思うな・・・
離婚提訴の理由は娘の将来のためと言っていたけれど、
そればかりじゃなくて、家庭環境自体がイヤだったのでは?
「あの家には戻りたくないの」の台詞がありました。
「夫はいい人だ」と言っているくらいで、夫自身は原因じゃないんですよね。
夫は父をとても大切に思っていて、決して父には声を荒げないし、
献身的に面倒をみています。
昨今、自分の親を大切にしない人が多いから、彼は立派です。
ただ、自分がやっている行為を、当然のように、妻や介護女性に
求めているような所がありましたね。彼女達に少し厳しく接していました。
ネタバレあります ↓
介護ヘルパーのラジエーは、貧困から、身重でありながら
夫に隠して介護の仕事に就く。
流産したのは訳があったのだが、短気で暴力的な夫が
ナデルを訴えたので本当の事が言えなくなる。
(それにしても自分を撥ねた車には黙っていたのか?)
もう台詞の応酬です! 言わなきゃ損とばかりに誰もが自分を主張する!
この映画で寡黙なのはおジイさんくらいのものだった(≧ε≦)
演出効果となる音楽もなかったですね。(エンドロールにあった)
だから、ぶつかり合う2組の夫婦、あるいは夫と妻のやりとりがとてもリアル★
介護や男女の格差や貧富の格差などは、どこの国でもあるもんですね。
そこにイランの社会事情が加わっているのがとても興味深かったです。
あの裁判所の形式。
裁判長?を挟んで、当事者がバンバン言い合うのだ!( ̄∇ ̄)
それから信仰。ラジエーはとても敬虔なイスラム教徒で、
どうやら他人の男性の肌に触れてはいけないらしく?
粗相をしたおジイさんを着替えさせる時でも躊躇してましたね。
嘘をつくのが罪になるようで、この行いが罪になるのかどうかも
電話で確認してました。
話がまとまりかけた所で、ラジエーが頑なに嘘をつきたくないと
言い出したのは、ただ災いが家族に及ぶのを恐れての事で、
良心の呵責からじゃないんですよね。
ラジエーは信仰に厚いだけで、とても独りよがりに見えたなあ。
気の毒なのは大人の姿を見ている子供達です。
特にテルメーは、両親に別れて欲しくないため、
自分がかすがいとなって父の元に残っていた。
揉め事が広がるうちに、母の身勝手さや父の嘘を見てしまって、
自分もその嘘に加担し、どれだけ傷付いた事か・・・(;´o`)
ラストの彼女の涙は胸が痛んだわぁ。
あんな究極の選択は本当に可哀想・・・
負の連鎖によりこじれてしまった関係は、もはや修復不可能なのか。
人間関係は複雑で難しい。壊れる時はこんな風に脆いものなのか。
#2011年アカデミー賞外国語映画賞受賞
関連作品*****
「未来を生きる君たちへ」
「瞳の奥の秘密」
「おくりびと」
「ヒトラーの贋札」
「善き人のためのソナタ」
「ツォツィ」
「海を飛ぶ夢」
夫に隠して介護の仕事に就く。
流産したのは訳があったのだが、短気で暴力的な夫が
ナデルを訴えたので本当の事が言えなくなる。
(それにしても自分を撥ねた車には黙っていたのか?)
もう台詞の応酬です! 言わなきゃ損とばかりに誰もが自分を主張する!
この映画で寡黙なのはおジイさんくらいのものだった(≧ε≦)
演出効果となる音楽もなかったですね。(エンドロールにあった)
だから、ぶつかり合う2組の夫婦、あるいは夫と妻のやりとりがとてもリアル★
介護や男女の格差や貧富の格差などは、どこの国でもあるもんですね。
そこにイランの社会事情が加わっているのがとても興味深かったです。
あの裁判所の形式。
裁判長?を挟んで、当事者がバンバン言い合うのだ!( ̄∇ ̄)
それから信仰。ラジエーはとても敬虔なイスラム教徒で、
どうやら他人の男性の肌に触れてはいけないらしく?
粗相をしたおジイさんを着替えさせる時でも躊躇してましたね。
嘘をつくのが罪になるようで、この行いが罪になるのかどうかも
電話で確認してました。
話がまとまりかけた所で、ラジエーが頑なに嘘をつきたくないと
言い出したのは、ただ災いが家族に及ぶのを恐れての事で、
良心の呵責からじゃないんですよね。
ラジエーは信仰に厚いだけで、とても独りよがりに見えたなあ。
気の毒なのは大人の姿を見ている子供達です。
特にテルメーは、両親に別れて欲しくないため、
自分がかすがいとなって父の元に残っていた。
揉め事が広がるうちに、母の身勝手さや父の嘘を見てしまって、
自分もその嘘に加担し、どれだけ傷付いた事か・・・(;´o`)
ラストの彼女の涙は胸が痛んだわぁ。
あんな究極の選択は本当に可哀想・・・
負の連鎖によりこじれてしまった関係は、もはや修復不可能なのか。
人間関係は複雑で難しい。壊れる時はこんな風に脆いものなのか。
#2011年アカデミー賞外国語映画賞受賞
関連作品*****
「未来を生きる君たちへ」
「瞳の奥の秘密」
「おくりびと」
「ヒトラーの贋札」
「善き人のためのソナタ」
「ツォツィ」
「海を飛ぶ夢」