少年と自転車
2012-12-14(Fri)
こんな大人が傍にいれば、
子供は安心を得て、真っ直ぐに成長していける。
ダルデンヌの世界、健在。 カンヌ国際映画祭受賞作品。

LE GAMIN AU VELO
THE KID WITH A BIKE
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ
製作:2011年 ベルギー・フランス・イタリア
出演:セシル・ドゥ・フランス *トマス・ドレ *ジェレミー・レニエ
ただ、一緒にいてくれたら、
それだけでいい。
監督・製作のダルデンヌ兄弟が、2003年に日本で聞いた
「帰ってこない親を施設で待ち続ける子供の話」から着想を得て、
撮った作品だと言う事に、興味を持って観てみました。
父に捨てられ(母親の事は一切出てこない)、養護施設で暮らす
11才の少年シリル(トマス・ドレ)。 赤いシャツが印象的です。
ひたすら父を思い、必死に探し続ける姿が痛々しい。
ある時、美容師サマンサ(セシル・ドゥ・フランス)と出会い、
週末だけ里親になってと懇願する。
そして2人で、やっと父親を見つけ出すが・・・
この父親(ジェレミー・レニエ)、すっごく無責任で心無い男なのよね (- -;)
自分の子供に対して全く愛情がなく、「重荷だ」って言うの。( ̄□ ̄;)
初対面のサマンサに「あんたに任せる」ですって。
名前で気付いたけど「ある子供」のブリュノの俳優さんじゃないの。
10代で子供が出来ちゃって、赤ちゃんをいい加減に扱う男ブリュノだ!
本作は「ある子供」のその後みたいな設定ですね。
ネタバレあるかも ↓
子供は安心を得て、真っ直ぐに成長していける。
ダルデンヌの世界、健在。 カンヌ国際映画祭受賞作品。

LE GAMIN AU VELO
THE KID WITH A BIKE
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ
製作:2011年 ベルギー・フランス・イタリア
出演:セシル・ドゥ・フランス *トマス・ドレ *ジェレミー・レニエ
ただ、一緒にいてくれたら、
それだけでいい。
監督・製作のダルデンヌ兄弟が、2003年に日本で聞いた
「帰ってこない親を施設で待ち続ける子供の話」から着想を得て、
撮った作品だと言う事に、興味を持って観てみました。
父に捨てられ(母親の事は一切出てこない)、養護施設で暮らす
11才の少年シリル(トマス・ドレ)。 赤いシャツが印象的です。
ひたすら父を思い、必死に探し続ける姿が痛々しい。
ある時、美容師サマンサ(セシル・ドゥ・フランス)と出会い、
週末だけ里親になってと懇願する。
そして2人で、やっと父親を見つけ出すが・・・
この父親(ジェレミー・レニエ)、すっごく無責任で心無い男なのよね (- -;)
自分の子供に対して全く愛情がなく、「重荷だ」って言うの。( ̄□ ̄;)
初対面のサマンサに「あんたに任せる」ですって。
名前で気付いたけど「ある子供」のブリュノの俳優さんじゃないの。
10代で子供が出来ちゃって、赤ちゃんをいい加減に扱う男ブリュノだ!
本作は「ある子供」のその後みたいな設定ですね。
ネタバレあるかも ↓
父の本心を知ったシリルが顔を搔きむしって、自分を傷付けるのは、
胸が苦しくなったな・・・(><) このシーン、音楽が少し流れます。
ダルデンヌ作品で、私は初めて音楽を聴きましたよ。
最小限程度、効果的に使われていました。
そんな苦しむシリルを、サマンサは大きな愛で包み込みます。
ある時、不良ウェスに優しくされ、誘惑されるままに悪事を働いてしまう。
やっぱり、愛情に飢えていてまだ未熟なんだなあ・・・(;_;)
そんな時でもサマンサが真摯に向き合ってくれた事から、
シリルは初めて人を信じられるようになるんですね。
それまで愛された事がなくて、心を閉ざしてきた少年が、
この人は自分を裏切らないという安心を得た。
素直に謝罪も出来、サイクリングで笑顔になれた所が、嬉しかったです。
サマンサが、突然に赤の他人から里親を頼まれ、
恋人と別れる事になっても、大きな心で子供の面倒をみる・・・
その辺りはあまり現実的でない気がするんですよね。
「しあわせの隠れ場所」のデューイ夫人は実在するんだけど、
なかなか世の中には、ここまで出来る人は少ないでしょう。
だからこの映画は、「こんな大人が傍にいれば」と言う
望ましい形を、理想的に描いたものだと思います。
里親にまでなる必要はないでしょう。
子供の傍にいて見守って、時に叱って、時に笑いかける。
そういう大人がいれば、子供は安らぎを得て心豊かに成長する。
そんな事が言いたい作品なんじゃないでしょうか。
シリルは信じられる人の存在を確信できたから、
ラストシーンで、足早に自転車にまたがり、
サマンサの元に向かって急いでペダルをこいでいったんじゃないかな。
これもダルデンヌお得意の、唐突な幕切れでした。(≧ε≦)
#2011年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞
関連作品*****
「息子のまなざし」
「ある子供」
胸が苦しくなったな・・・(><) このシーン、音楽が少し流れます。
ダルデンヌ作品で、私は初めて音楽を聴きましたよ。
最小限程度、効果的に使われていました。
そんな苦しむシリルを、サマンサは大きな愛で包み込みます。
ある時、不良ウェスに優しくされ、誘惑されるままに悪事を働いてしまう。
やっぱり、愛情に飢えていてまだ未熟なんだなあ・・・(;_;)
そんな時でもサマンサが真摯に向き合ってくれた事から、
シリルは初めて人を信じられるようになるんですね。
それまで愛された事がなくて、心を閉ざしてきた少年が、
この人は自分を裏切らないという安心を得た。
素直に謝罪も出来、サイクリングで笑顔になれた所が、嬉しかったです。
サマンサが、突然に赤の他人から里親を頼まれ、
恋人と別れる事になっても、大きな心で子供の面倒をみる・・・
その辺りはあまり現実的でない気がするんですよね。
「しあわせの隠れ場所」のデューイ夫人は実在するんだけど、
なかなか世の中には、ここまで出来る人は少ないでしょう。
だからこの映画は、「こんな大人が傍にいれば」と言う
望ましい形を、理想的に描いたものだと思います。
里親にまでなる必要はないでしょう。
子供の傍にいて見守って、時に叱って、時に笑いかける。
そういう大人がいれば、子供は安らぎを得て心豊かに成長する。
そんな事が言いたい作品なんじゃないでしょうか。
シリルは信じられる人の存在を確信できたから、
ラストシーンで、足早に自転車にまたがり、
サマンサの元に向かって急いでペダルをこいでいったんじゃないかな。
これもダルデンヌお得意の、唐突な幕切れでした。(≧ε≦)
#2011年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞
関連作品*****
「息子のまなざし」
「ある子供」