私が、生きる肌
2012-11-20(Tue)
ペドロ・アルモドバル監督が描く、倒錯と狂気と愛。
さすがこの世界観は唯一無二!
ものすごい力技を持ってきた本作、面白い!!

LA PIEL QUE HABITO
THE SKI I LIVE IN
監督:ペドロ・アルモドバル
製作:2011年 スペイン
原作:ティエリ・ジョンケ
出演:*アントニオ・バンデラス *エレナ・アナヤ *マリサ・パレデス
*ジャン・コルネット *ロベルト・アラモ
あなたは、これを愛を呼べるかーー
ロベル・レガル(アントニオ・バンデラス)は人工皮膚開発の
権威として知られる天才的な形成外科医。
彼の大邸宅には、メイドのマリリア(マリサ・パレデス)監視の下、
謎めいた美女ベラ(エレナ・アナヤ)が幽閉されていた。
ベラはロベルの亡き妻に瓜二つだった・・・
人工皮膚の培養で、iPS細胞やクローンを思い浮かべていたら、
こんな凡人の想像を遥かに凌駕する世界に飛んでいたとは!
ボディストッキングに身を包みヨガをする美女の正体は、
あまりにも衝撃的でしたっ( ̄□ ̄;)
物語を、現在→12年前の事故→6年前の悲劇→現在 の順で
見せるの、上手いよね~ まさかっ!って思ったもん。
ネタバレあります 未見の方は読まないほうがいいです↓
さすがこの世界観は唯一無二!
ものすごい力技を持ってきた本作、面白い!!

LA PIEL QUE HABITO
THE SKI I LIVE IN
監督:ペドロ・アルモドバル
製作:2011年 スペイン
原作:ティエリ・ジョンケ
出演:*アントニオ・バンデラス *エレナ・アナヤ *マリサ・パレデス
*ジャン・コルネット *ロベルト・アラモ
あなたは、これを愛を呼べるかーー
ロベル・レガル(アントニオ・バンデラス)は人工皮膚開発の
権威として知られる天才的な形成外科医。
彼の大邸宅には、メイドのマリリア(マリサ・パレデス)監視の下、
謎めいた美女ベラ(エレナ・アナヤ)が幽閉されていた。
ベラはロベルの亡き妻に瓜二つだった・・・
人工皮膚の培養で、iPS細胞やクローンを思い浮かべていたら、
こんな凡人の想像を遥かに凌駕する世界に飛んでいたとは!
ボディストッキングに身を包みヨガをする美女の正体は、
あまりにも衝撃的でしたっ( ̄□ ̄;)
物語を、現在→12年前の事故→6年前の悲劇→現在 の順で
見せるの、上手いよね~ まさかっ!って思ったもん。
ネタバレあります 未見の方は読まないほうがいいです↓
彼女は、復讐から生まれたとはね・・・
とは言っても、娘ノルマの死は、完全にビセンテのせいではありません。
(あらすじを削っているから突然に出てくる名前ですけどね)
パーティではノルマもその気になっていたし、結局、事には及んでいない。
ビセンテは本当の悪人ではないので、あのラストが活きてくるんですよね。
ロベルは、最初は復讐心からビセンテを人体実験に使っていたんでしょう。
わざと肌を焼いて火傷を治す皮膚を開発したし、
膣を作ったのも、性転換を望む患者に応えるための実験だったと思います。
まあ、人体実験をする事自体、もうアブノーマルな世界に入ってますが。(^^;
だけど、顔を妻に似せたのが、大きな間違いの元だった!
復讐相手を愛する妻の顔にするとは、そこが全く理解できな~い(@_@;)
妻に愛の裏返しの憎悪があったとも考えられるけど、
毎日見る顔は、憎む顔じゃなくて、やっぱり愛しい顔にするよね。
だから妻への思慕があったんだと思います。
最高の皮膚で覆い、整形手術を施し、ホルモン注射をするうち、
だんだん妻の面影を重ねるようになる・・・
でも中身が違う事は分かっているので、隣の部屋のモニターから
姿を眺めるだけだったんでしょう。
大画面にベラの顔をアップにするロベル・・・こわ~い(><)
そしてどんなアップにも耐えられるエレナ・アナヤの美しい事!
吸い込まれそうなくらい、眼力が素晴らしい☆
しかし、マリリアの息子セカが訪ねてきた事で、おぞましい事態に。
セカがベラをレイプしている所に帰って来たロベル。
12年前、妻はセカ(実はロベルと異父兄弟)と駆け落ちをし、
自動車事故で全身火傷を負ってしまった。
その時、ロベルが必死に妻を看病したのは、妻を救えるのは
他の男でなく自分だけなんだと証明したかったためでしょう。
でもそのかいなく妻は自殺してしまった。
今回は、ベラをレイプしているセカを撃ち殺し、ベラを救い出した。
しがみつくベラに、失った妻を取り戻せたと錯覚したロベルは、
より一層狂気に満ちた愛情を見せるようになります。
ベラは従順なフリをしていただけだったんですね。
ヨガのビデオで「心の奥底に、誰にも踏み込まれず、誰にも破壊されない
場所があり、ヨガで辿り着ける。そこには平和・静寂・自由がある」と
聞いてから、ベラは6年間すがるようにヨガを続けていたもんね。
姿・形を変えられても心は変わらず自由になる日を待っていたんです。
新しい肌の下で隠れながら、自我を見失わず生きていました。
ああいう結末になるのは見えてましたね・・・
母親の息子への想いも描かれていて、マリリアの勘は鋭かったし、
ビセンテを探す母の執念も強かった。
だからビセンテはあの母の下で暮らしていけると思います。
倒錯した博士をアントニオ・バンデラスが渋く演じていて、
変態とは言いたくないくらい、味わい深さがありました。
いや~、この狂気と衝撃、面白かった~★
関連記事*****
「オール・アバウト・マイ・マザー」
「トーク・トゥ・ハー」
「バッド・エデュケーション」
「ボルベール<帰郷>」
「抱擁のかけら」
とは言っても、娘ノルマの死は、完全にビセンテのせいではありません。
(あらすじを削っているから突然に出てくる名前ですけどね)
パーティではノルマもその気になっていたし、結局、事には及んでいない。
ビセンテは本当の悪人ではないので、あのラストが活きてくるんですよね。
ロベルは、最初は復讐心からビセンテを人体実験に使っていたんでしょう。
わざと肌を焼いて火傷を治す皮膚を開発したし、
膣を作ったのも、性転換を望む患者に応えるための実験だったと思います。
まあ、人体実験をする事自体、もうアブノーマルな世界に入ってますが。(^^;
だけど、顔を妻に似せたのが、大きな間違いの元だった!
復讐相手を愛する妻の顔にするとは、そこが全く理解できな~い(@_@;)
妻に愛の裏返しの憎悪があったとも考えられるけど、
毎日見る顔は、憎む顔じゃなくて、やっぱり愛しい顔にするよね。
だから妻への思慕があったんだと思います。
最高の皮膚で覆い、整形手術を施し、ホルモン注射をするうち、
だんだん妻の面影を重ねるようになる・・・
でも中身が違う事は分かっているので、隣の部屋のモニターから
姿を眺めるだけだったんでしょう。
大画面にベラの顔をアップにするロベル・・・こわ~い(><)
そしてどんなアップにも耐えられるエレナ・アナヤの美しい事!
吸い込まれそうなくらい、眼力が素晴らしい☆
しかし、マリリアの息子セカが訪ねてきた事で、おぞましい事態に。
セカがベラをレイプしている所に帰って来たロベル。
12年前、妻はセカ(実はロベルと異父兄弟)と駆け落ちをし、
自動車事故で全身火傷を負ってしまった。
その時、ロベルが必死に妻を看病したのは、妻を救えるのは
他の男でなく自分だけなんだと証明したかったためでしょう。
でもそのかいなく妻は自殺してしまった。
今回は、ベラをレイプしているセカを撃ち殺し、ベラを救い出した。
しがみつくベラに、失った妻を取り戻せたと錯覚したロベルは、
より一層狂気に満ちた愛情を見せるようになります。
ベラは従順なフリをしていただけだったんですね。
ヨガのビデオで「心の奥底に、誰にも踏み込まれず、誰にも破壊されない
場所があり、ヨガで辿り着ける。そこには平和・静寂・自由がある」と
聞いてから、ベラは6年間すがるようにヨガを続けていたもんね。
姿・形を変えられても心は変わらず自由になる日を待っていたんです。
新しい肌の下で隠れながら、自我を見失わず生きていました。
ああいう結末になるのは見えてましたね・・・
母親の息子への想いも描かれていて、マリリアの勘は鋭かったし、
ビセンテを探す母の執念も強かった。
だからビセンテはあの母の下で暮らしていけると思います。
倒錯した博士をアントニオ・バンデラスが渋く演じていて、
変態とは言いたくないくらい、味わい深さがありました。
いや~、この狂気と衝撃、面白かった~★
関連記事*****
「オール・アバウト・マイ・マザー」
「トーク・トゥ・ハー」
「バッド・エデュケーション」
「ボルベール<帰郷>」
「抱擁のかけら」