灼熱の魂
2012-09-29(Sat)
久々に、身も凍るような衝撃には息を呑んだ・・・(゚Д゚)
観る者をグイグイ引き付けて離さない!
2010年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

INCENDIES
監督・脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:2010年 カナダ・フランス
原作戯曲:ワジディ・ムアワッド
出演:*ルブナ・アザバル *メリッサ・デゾルモー=プーラン
*マキシム・ゴーデット *レミー・ジラール
圧倒的な映像で描く至高のミステリー、
魂が震える究極のエンタテインメント
お母さん、あなたが生き続けた理由を教えてください。
奇妙な遺書を残して亡くなった母ナワル(ルブナ・アザバル)の人生を、
双子の子供達、娘ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)と
息子シモン(マキシム・ゴーデット)が辿る物語。
兄と父への2通の手紙を託されたのだが、父は死んだはずだし、
兄は存在すら知らない。生前から上手く母子関係を築けなかったが、
それでも彼らはカナダから中東にある母の祖国へ旅立つ。
一枚の写真を手掛かりに大学や村を訪ね歩く現代と、
母が生きた壮絶な過去を交錯させるように見せていく・・・
徐々に明らかになるナワルの人生は、想像以上に過酷で圧倒されるばかり。
「灼熱の魂」と言う邦題が当てはまるような生き様です。それは・・・
ネタバレあるかも ↓
観る者をグイグイ引き付けて離さない!
2010年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

INCENDIES
監督・脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:2010年 カナダ・フランス
原作戯曲:ワジディ・ムアワッド
出演:*ルブナ・アザバル *メリッサ・デゾルモー=プーラン
*マキシム・ゴーデット *レミー・ジラール
圧倒的な映像で描く至高のミステリー、
魂が震える究極のエンタテインメント
お母さん、あなたが生き続けた理由を教えてください。
奇妙な遺書を残して亡くなった母ナワル(ルブナ・アザバル)の人生を、
双子の子供達、娘ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)と
息子シモン(マキシム・ゴーデット)が辿る物語。
兄と父への2通の手紙を託されたのだが、父は死んだはずだし、
兄は存在すら知らない。生前から上手く母子関係を築けなかったが、
それでも彼らはカナダから中東にある母の祖国へ旅立つ。
一枚の写真を手掛かりに大学や村を訪ね歩く現代と、
母が生きた壮絶な過去を交錯させるように見せていく・・・
徐々に明らかになるナワルの人生は、想像以上に過酷で圧倒されるばかり。
「灼熱の魂」と言う邦題が当てはまるような生き様です。それは・・・
ネタバレあるかも ↓
キリスト教徒のナワルは、イスラム教徒難民と恋に落ちるが、
その恋人は目の前で射殺される。
身ごもった男児は奪われ、自身は村から追放となる。
内戦のため、通っていた大学は封鎖、息子のいた孤児院も襲撃される。
怒りに燃えたナワルは破壊行為をするキリスト教右派指導者を殺し、
その罪で15年間も投獄される。
そこで彼女は自分をしっかりと保つため歌い続け「歌う女」と呼ばれる。
しかし歌を封じるため冷酷非道な拷問人がレイプし続け、彼女は妊娠・・・
観ている側は、最初の孤児院に送られた 踵3点マークの男児が兄だと
分かるので、じゃあ監獄で身ごもった子供は・・・って所で、まず愕然ですよ( ̄□ ̄;)
「サルワン、ジャナーン」って「シモン、ジャンヌ」なのよね。
それを本人達が知るシーンでは胸が痛くて痛くて。(><)
ところが出自の衝撃はそれだけじゃない。
「1+1=1」には双子と同じように、そんな!と息を呑んで絶句。(°□°;)
あの男が拷問人になったと聞いた時、まさかと胸がザワついて、
年齢的にそれはないだろうと自分で打ち消していたんだけど・・・
最初の、頭を刈っている少年の睨みつけるような目、
プールサイドで突然廃人のようになってしまった母、
どのシーンも全て繋がってくるんですよね。
ムダなシーンなど一つも無かった!
しかし、ラストの手紙も、やはり魂を震わせるじゃないの★
そこにはどんなおぞましい事実も包み込む、大きな母の愛があった!
争いによる不条理、自分も加担してきた怒りと暴力の連鎖により、
今3人の子供が存在します。
本人達に知らせるにはあまりに凄惨な真実なんだけど、
目をそむけずに向き合って生きていってほしいという気持ちで、
あの遺書を残したんじゃないでしょうか。
怒りの連鎖を断ち切るために。
恐ろしいけれどかけがえのない愛の物語。
呪われた運命だけではない、子供達の身体には
キリスト教もイスラム教も超えた者同士の血が流れているんです。
ナワルの最期には、愛しか無かった事が、また胸を打ちます。
子供達には、大きな重荷と共に、
ナワルの愛と遺志が引き継がれたように見えました。
怒りの連鎖をどう断ち切るかというテーマはあるけど、
そのような社会派の問題を突き付けた作品と言うより、
ある女の壮絶過ぎる人生を辿るミステリードラマだと思いました。
関連作品*****
「未来を生きる君たちへ」
その恋人は目の前で射殺される。
身ごもった男児は奪われ、自身は村から追放となる。
内戦のため、通っていた大学は封鎖、息子のいた孤児院も襲撃される。
怒りに燃えたナワルは破壊行為をするキリスト教右派指導者を殺し、
その罪で15年間も投獄される。
そこで彼女は自分をしっかりと保つため歌い続け「歌う女」と呼ばれる。
しかし歌を封じるため冷酷非道な拷問人がレイプし続け、彼女は妊娠・・・
観ている側は、最初の孤児院に送られた 踵3点マークの男児が兄だと
分かるので、じゃあ監獄で身ごもった子供は・・・って所で、まず愕然ですよ( ̄□ ̄;)
「サルワン、ジャナーン」って「シモン、ジャンヌ」なのよね。
それを本人達が知るシーンでは胸が痛くて痛くて。(><)
ところが出自の衝撃はそれだけじゃない。
「1+1=1」には双子と同じように、そんな!と息を呑んで絶句。(°□°;)
あの男が拷問人になったと聞いた時、まさかと胸がザワついて、
年齢的にそれはないだろうと自分で打ち消していたんだけど・・・
最初の、頭を刈っている少年の睨みつけるような目、
プールサイドで突然廃人のようになってしまった母、
どのシーンも全て繋がってくるんですよね。
ムダなシーンなど一つも無かった!
しかし、ラストの手紙も、やはり魂を震わせるじゃないの★
そこにはどんなおぞましい事実も包み込む、大きな母の愛があった!
争いによる不条理、自分も加担してきた怒りと暴力の連鎖により、
今3人の子供が存在します。
本人達に知らせるにはあまりに凄惨な真実なんだけど、
目をそむけずに向き合って生きていってほしいという気持ちで、
あの遺書を残したんじゃないでしょうか。
怒りの連鎖を断ち切るために。
恐ろしいけれどかけがえのない愛の物語。
呪われた運命だけではない、子供達の身体には
キリスト教もイスラム教も超えた者同士の血が流れているんです。
ナワルの最期には、愛しか無かった事が、また胸を打ちます。
子供達には、大きな重荷と共に、
ナワルの愛と遺志が引き継がれたように見えました。
怒りの連鎖をどう断ち切るかというテーマはあるけど、
そのような社会派の問題を突き付けた作品と言うより、
ある女の壮絶過ぎる人生を辿るミステリードラマだと思いました。
関連作品*****
「未来を生きる君たちへ」
テーマ : 映画★★★★★レビュー
ジャンル : 映画