恋の罪
2012-09-15(Sat)
淑女と娼婦、表と裏の顔を持つ3人の女性を顕わに描いた衝撃作。
狂気のエロスを剥き出しにして見せるんだけど、
文学的なフレイバーを加味してあるせいで、
ただの下品な映画になってなくて、そのあたり上手いと思う。

Guilty of Romance
監督:園子温
製作:2011年 日本
出演:*水野美紀 *冨樫真 *神楽坂恵 *津田寛治 *大方斐紗子 *小林龍樹
ようこそ、愛の地獄へ
園子温監督お得意のエロ路線で、これまた強烈な印象。(@_@;) フ~
登場する3人の女性はそれぞれタイプが異なります。
女性が皆同じように、表裏二面性を持っているという事ではないし、
二面性があっても、それぞれ内に隠された闇や事情は異なっています。
90年代に話題になった東電OL殺人事件にインスパイアされて
製作されたと言う事で、そのOLに当たるのは 美津子(冨樫真)です。
本作では、昼は大学助教授、夜はラブホテル街円山町に立つ売春婦。
実際の被害者は東京電力のエリート社員(他界した父親の後を継ぐように
入社)で、拒食症で痩せていたらしいので、美津子役には痩せ気味の
冨樫真さんを選んだわけね。
彼女が発する言葉は時として禅問答みたいで意味不明だけど、
いろいろ面白いものがあって、
「愛がなければ金を取らなきゃ」もその一つ。(≧ε≦)
彼女にとってSEXは自分の欲望を満足させるためじゃないんですよね。
かと言って、金額も五千円とか三千円とかバカみたいに安くて、
お金のためでもない。
彼女は母親から、下品で頭が悪いのは父親の血のせいだと
蔑まれて生きてきて、SEXはそれ故の自虐行為でもあったし、
大好きな父(城)に近付こうとする行為でもあったし、
母親への復讐行為でもあった。
性欲に溺れた女性ではなかったと思います。
ネタバレあるかも ↓
この映画の主人公と言えるのは人気作家の貞淑な妻
であるいずみ(神楽坂恵)。
セレブだけど、満たされない日常に鬱屈しています。
何かをしたい衝動から、未知の世界へと引きずり込まれる。
自分の知らない自分を引き出され、どんどん生き生きしてゆく。
鏡の前で裸になってウィンナーを売るマネをする表情は
自信たっぷり。これは笑えた~(≧▽≦)
そして美津子に出会い、調教されていく。
「私のところまで堕ちてこい」の言葉も凄まじくて面白い!
「本物の言葉は身体を持っている」の名セリフもあります。
いずみは堕ちる所まで堕ちて、
淫乱が本物の顔になってしまうんですよね。
最後には、下品で安っぽい姿を持った女になってしまった。
「言葉なんか覚えるんじゃなかった」が虚しく響く・・・
三人目、女刑事の和子(水野美紀)の場合は、オマケっぽい存在。
優しそうな夫と子供がいながら、夫の友人と不倫。
他の二人ほど強烈な衝動が感じられません。
生きている事の実感が欲しかったのかな。
結局、3人とも愛の幻想(=城=恋?)を求めて彷徨うんだけど、
辿り着けずに、死ぬか堕ちるか路頭に迷うかになってしまいます。
危険な事は罪な事ですよね。
3人の女優たちの思い切りのいい熱演に圧倒されますが、
女の業が一番深かったのは、あの母親(大方斐紗子)でしたね!
4人でお茶を飲むシーンの凄まじい会話に、震えがきました。
大方斐紗子さんの不気味さが本作の中で最高だった★
女性として共感する所はあまり無い作品だけれども、
全体に漂う毒々しさや狂気が面白かったです。
関連作品****
「愛のむきだし」
「冷たい熱帯魚」
「ヒミズ」
狂気のエロスを剥き出しにして見せるんだけど、
文学的なフレイバーを加味してあるせいで、
ただの下品な映画になってなくて、そのあたり上手いと思う。

Guilty of Romance
監督:園子温
製作:2011年 日本
出演:*水野美紀 *冨樫真 *神楽坂恵 *津田寛治 *大方斐紗子 *小林龍樹
ようこそ、愛の地獄へ
園子温監督お得意のエロ路線で、これまた強烈な印象。(@_@;) フ~
登場する3人の女性はそれぞれタイプが異なります。
女性が皆同じように、表裏二面性を持っているという事ではないし、
二面性があっても、それぞれ内に隠された闇や事情は異なっています。
90年代に話題になった東電OL殺人事件にインスパイアされて
製作されたと言う事で、そのOLに当たるのは 美津子(冨樫真)です。
本作では、昼は大学助教授、夜はラブホテル街円山町に立つ売春婦。
実際の被害者は東京電力のエリート社員(他界した父親の後を継ぐように
入社)で、拒食症で痩せていたらしいので、美津子役には痩せ気味の
冨樫真さんを選んだわけね。
彼女が発する言葉は時として禅問答みたいで意味不明だけど、
いろいろ面白いものがあって、
「愛がなければ金を取らなきゃ」もその一つ。(≧ε≦)
彼女にとってSEXは自分の欲望を満足させるためじゃないんですよね。
かと言って、金額も五千円とか三千円とかバカみたいに安くて、
お金のためでもない。
彼女は母親から、下品で頭が悪いのは父親の血のせいだと
蔑まれて生きてきて、SEXはそれ故の自虐行為でもあったし、
大好きな父(城)に近付こうとする行為でもあったし、
母親への復讐行為でもあった。
性欲に溺れた女性ではなかったと思います。
ネタバレあるかも ↓
この映画の主人公と言えるのは人気作家の貞淑な妻
であるいずみ(神楽坂恵)。
セレブだけど、満たされない日常に鬱屈しています。
何かをしたい衝動から、未知の世界へと引きずり込まれる。
自分の知らない自分を引き出され、どんどん生き生きしてゆく。
鏡の前で裸になってウィンナーを売るマネをする表情は
自信たっぷり。これは笑えた~(≧▽≦)
そして美津子に出会い、調教されていく。
「私のところまで堕ちてこい」の言葉も凄まじくて面白い!
「本物の言葉は身体を持っている」の名セリフもあります。
いずみは堕ちる所まで堕ちて、
淫乱が本物の顔になってしまうんですよね。
最後には、下品で安っぽい姿を持った女になってしまった。
「言葉なんか覚えるんじゃなかった」が虚しく響く・・・
三人目、女刑事の和子(水野美紀)の場合は、オマケっぽい存在。
優しそうな夫と子供がいながら、夫の友人と不倫。
他の二人ほど強烈な衝動が感じられません。
生きている事の実感が欲しかったのかな。
結局、3人とも愛の幻想(=城=恋?)を求めて彷徨うんだけど、
辿り着けずに、死ぬか堕ちるか路頭に迷うかになってしまいます。
危険な事は罪な事ですよね。
3人の女優たちの思い切りのいい熱演に圧倒されますが、
女の業が一番深かったのは、あの母親(大方斐紗子)でしたね!
4人でお茶を飲むシーンの凄まじい会話に、震えがきました。
大方斐紗子さんの不気味さが本作の中で最高だった★
女性として共感する所はあまり無い作品だけれども、
全体に漂う毒々しさや狂気が面白かったです。
関連作品****
「愛のむきだし」
「冷たい熱帯魚」
「ヒミズ」