未来を生きる君たちへ
2012-03-27(Tue)
赦しか復讐かで揺れる大人と子供。
暴力の連鎖をどう断ち切るのか?
観る者に問いかけるヒューマン・ドラマ。
2010年度アカデミー賞外国語映画賞受賞。

IN A BETTER WORLD
監督:スサンネ・ビア
製作:2010年 デンマーク・スウェーデン
出演:*ミカエル・パーシェブランド *トリーヌ・ディルホム *ウルリク・トムセン
*ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン *マルクス・リゴード
憎しみを越えたその先で どんな世界を見るのだろう。
デンマークとアフリカを行き来する構成で、
2つは全く異なる土地柄に見えますが、
理不尽な暴力が存在する事では同じです。
それは、子供レベルでも大人レベルでも国レベルでも同じ事なんですね。
暴力を捨てる事が理想だけれども、人間の中の憎しみは
なかなか消せない。だから戦争がなくならない・・・
暴力の連鎖をどう断ち切るのか?
観る者に問いかけるヒューマン・ドラマ。
2010年度アカデミー賞外国語映画賞受賞。

IN A BETTER WORLD
監督:スサンネ・ビア
製作:2010年 デンマーク・スウェーデン
出演:*ミカエル・パーシェブランド *トリーヌ・ディルホム *ウルリク・トムセン
*ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン *マルクス・リゴード
憎しみを越えたその先で どんな世界を見るのだろう。
デンマークとアフリカを行き来する構成で、
2つは全く異なる土地柄に見えますが、
理不尽な暴力が存在する事では同じです。
それは、子供レベルでも大人レベルでも国レベルでも同じ事なんですね。
暴力を捨てる事が理想だけれども、人間の中の憎しみは
なかなか消せない。だから戦争がなくならない・・・
デンマークの学校では、少年エリアスが陰湿な虐めにあっていた。
それを目撃した転校生のクリスチャンは暴力でいじめっ子に仕返しをする。
彼の父クラウスは「やり返したらきりがない。戦争はそうやって始まる」と
諭すが、クリスチャンの耳には届かない。
このクリスチャン、ずっと表情がなくて心に闇を抱えている様子なんですが、
後で、母の死に関して父に不満があり、
人間不信に陥っていたのが分かります。
癌で苦しむ母を尊厳死させたのが真相なんだけど、
子供には理解できないものかもしれないな。
それでも、もう少し親子のコミュニケーションがとれていたら、
トゲトゲしい感情を剥き出しにする事は無かった気がします。
もう一組の親子アントンとエリアスのほうは、コミュニケーションは
とれているけれども、家庭に問題があって、
親の目が行き届かない状況です。
アントンは暴力での報復の無意味さを、自分の身を挺して子供達に示します。
『理不尽な暴力を振るう男は相手にする価値の無いバカだ、
負けたのは相手だ・・・』と。
その勇気には感心するし、理屈としては正しいんだけど、
気勢を上げる相手を見て、子供がスンナリ納得できないのも確かでしょう。
これは難しい。子供にどうやって暴力の断ち切り方を教えたらいいのか・・・
アントンはアフリカで献身的に医療活動をする立派な医師。
ある時、ケガで運ばれてきた極悪人を救うかどうかで葛藤する。
彼自身も理想通りに行動できるわけじゃない。
世の中には、何が正しいのか答を出せないものもあるんですよね。
そんな中、子供達は手作りの爆弾で復讐に出る。
クリスチャンの気持ちは分かるけど、『そこまでやっちゃダメ~』って
心配してたら、とんでもない事になって・・・
でも、結果、クリスチャンが子供らしい表情を取り戻したんで、
やっと目が覚めたかとホッとしました。
憎しみは何も良い事をもたらさないと理解したんでしょうね。
クリスチャンを責めるエリアスの母親の心情も分かるし、
登場人物が皆 リアルに描かれていました。
憎しみを捨てて赦すのは難しいけど、
理不尽さを越えた先に、より良い未来があるはずです。
それを子供のうちから教えていかなくては。
まず親子関係が大切ですよね。
きちんと人間と向かい合っている作品でした。
#2010年度アカデミー賞外国語映画賞受賞
それを目撃した転校生のクリスチャンは暴力でいじめっ子に仕返しをする。
彼の父クラウスは「やり返したらきりがない。戦争はそうやって始まる」と
諭すが、クリスチャンの耳には届かない。
このクリスチャン、ずっと表情がなくて心に闇を抱えている様子なんですが、
後で、母の死に関して父に不満があり、
人間不信に陥っていたのが分かります。
癌で苦しむ母を尊厳死させたのが真相なんだけど、
子供には理解できないものかもしれないな。
それでも、もう少し親子のコミュニケーションがとれていたら、
トゲトゲしい感情を剥き出しにする事は無かった気がします。
もう一組の親子アントンとエリアスのほうは、コミュニケーションは
とれているけれども、家庭に問題があって、
親の目が行き届かない状況です。
アントンは暴力での報復の無意味さを、自分の身を挺して子供達に示します。
『理不尽な暴力を振るう男は相手にする価値の無いバカだ、
負けたのは相手だ・・・』と。
その勇気には感心するし、理屈としては正しいんだけど、
気勢を上げる相手を見て、子供がスンナリ納得できないのも確かでしょう。
これは難しい。子供にどうやって暴力の断ち切り方を教えたらいいのか・・・
アントンはアフリカで献身的に医療活動をする立派な医師。
ある時、ケガで運ばれてきた極悪人を救うかどうかで葛藤する。
彼自身も理想通りに行動できるわけじゃない。
世の中には、何が正しいのか答を出せないものもあるんですよね。
そんな中、子供達は手作りの爆弾で復讐に出る。
クリスチャンの気持ちは分かるけど、『そこまでやっちゃダメ~』って
心配してたら、とんでもない事になって・・・
でも、結果、クリスチャンが子供らしい表情を取り戻したんで、
やっと目が覚めたかとホッとしました。
憎しみは何も良い事をもたらさないと理解したんでしょうね。
クリスチャンを責めるエリアスの母親の心情も分かるし、
登場人物が皆 リアルに描かれていました。
憎しみを捨てて赦すのは難しいけど、
理不尽さを越えた先に、より良い未来があるはずです。
それを子供のうちから教えていかなくては。
まず親子関係が大切ですよね。
きちんと人間と向かい合っている作品でした。
#2010年度アカデミー賞外国語映画賞受賞