わたしを離さないで
2011-11-10(Thu)
静かに流れる物悲しさ、切なさがたまらない!
抑制のきいた雰囲気と、俳優たちがとても良い☆

NEVER LET ME GO
監督:マーク・ロマネク
製作:2010年 イギリス・アメリカ
原作:カズオ・イシグロ 「私を離さないで」
出演:キャリー・マリガン *アンドリュー・ガーフィールド *キーラ・ナイトレイ
この命は、誰かのために。この心は、わたしのために。
カズオ・イシグロの小説を基に映画化された作品。
定められた運命に抗う事なく生きる3人の男女の物語。
予告編で、寄宿学校の子供達が何者なのか、なんとなく分かっていたけど、
こんなに生々しくて切ない話しだとは・・・物悲しさが残ります。(;_;)
ネタバレあります
ヘールシャムの寄宿学校で、特別な存在として徹底的に管理され
育った子供達は、親の愛情も知らず、帰る家も無く、外の世界も知らない。
『あなた達の役目は臓器を提供し人を救う事だ』と教育されたせいか、
自分達の運命を受け入れているようなのが、奇妙に感じられました。
映画「アイランド」みたいに、不条理なシステムに反抗し、
生きる権利を主張するのが普通のように思えるからね・・・
小さい頃からキャシー(キャリー・マリガン)はトミー(アンドリュー・ガーフィールド)に
思いを寄せていたのに、強引なルース(キーラ・ナイトレイ)に
彼を取られてしまう。
その2人の交際を目の当たりにして、内心穏やかではないのだけど、
黙って見守っている。ここでも、控え目で受け身の印象。
原作者が日本人のせいか、なんだか日本人らしい感覚なんですよね~
それとタイミング的に私の中で、日本の被災者と重なる所もありました。
過酷な状況なんだけど、冷静に受け止めて、
その中で生きようとしている所です。
校長は、「魂を探るのではなく、魂があるかどうか」と言い、
彼らを自分とは別の生き物だと思っているようだけど、
彼らにも、恋をしたい、好きな人と一緒にいたいと、
魂はしっかりとあるのだ!
それなのに、長くは生きられない、手術の苦痛が待っている。
とても不条理で過酷な宿命に思えて、たまらない。(><)
しかし、不思議と彼ら自身は後ろ向きじゃ無いし、
不満や悲愴感でいっぱいという風には見えません。
とても、感情を抑制して、自分達に出来る範囲内で
生をかみしめていこうとしているんですよね。
トミーは恋愛感情というものをよく理解していなかったかも。
強引に引っ張られた相手についていってしまって、
その分、遠回りをしたキャシーとトミーだけれども、
本当の愛を確かめ合えて、それだけでも幸せだったと
本人達は思っているでしょう。
3人は、使命を全うし、与えられた命を生き抜く様を
見せてくれました。
きっとその様子を伝えたかった作品だと思います。
でも、手術で傷ついた姿や終了した姿が目に焼き付いて、
彼らが素直であればある程、胸が締め付けられるんですよね。
俳優達が、とっても魅力的☆
特にキャリー・マリガンの、内省的で奥深い 物言わぬ演技には、
哀愁・芯の強さ・利発さを感じ、とても引き込まれました。
子供時代の3人が、大人になった3人と実にソックリで、
子役までも魅力的でしたね。
関連記事*****
「17歳の肖像」
「BOY A」
「つぐない」
抑制のきいた雰囲気と、俳優たちがとても良い☆

NEVER LET ME GO
監督:マーク・ロマネク
製作:2010年 イギリス・アメリカ
原作:カズオ・イシグロ 「私を離さないで」
出演:キャリー・マリガン *アンドリュー・ガーフィールド *キーラ・ナイトレイ
この命は、誰かのために。この心は、わたしのために。
カズオ・イシグロの小説を基に映画化された作品。
定められた運命に抗う事なく生きる3人の男女の物語。
予告編で、寄宿学校の子供達が何者なのか、なんとなく分かっていたけど、
こんなに生々しくて切ない話しだとは・・・物悲しさが残ります。(;_;)
ネタバレあります
ヘールシャムの寄宿学校で、特別な存在として徹底的に管理され
育った子供達は、親の愛情も知らず、帰る家も無く、外の世界も知らない。
『あなた達の役目は臓器を提供し人を救う事だ』と教育されたせいか、
自分達の運命を受け入れているようなのが、奇妙に感じられました。
映画「アイランド」みたいに、不条理なシステムに反抗し、
生きる権利を主張するのが普通のように思えるからね・・・
小さい頃からキャシー(キャリー・マリガン)はトミー(アンドリュー・ガーフィールド)に
思いを寄せていたのに、強引なルース(キーラ・ナイトレイ)に
彼を取られてしまう。
その2人の交際を目の当たりにして、内心穏やかではないのだけど、
黙って見守っている。ここでも、控え目で受け身の印象。
原作者が日本人のせいか、なんだか日本人らしい感覚なんですよね~
それとタイミング的に私の中で、日本の被災者と重なる所もありました。
過酷な状況なんだけど、冷静に受け止めて、
その中で生きようとしている所です。
校長は、「魂を探るのではなく、魂があるかどうか」と言い、
彼らを自分とは別の生き物だと思っているようだけど、
彼らにも、恋をしたい、好きな人と一緒にいたいと、
魂はしっかりとあるのだ!
それなのに、長くは生きられない、手術の苦痛が待っている。
とても不条理で過酷な宿命に思えて、たまらない。(><)
しかし、不思議と彼ら自身は後ろ向きじゃ無いし、
不満や悲愴感でいっぱいという風には見えません。
とても、感情を抑制して、自分達に出来る範囲内で
生をかみしめていこうとしているんですよね。
トミーは恋愛感情というものをよく理解していなかったかも。
強引に引っ張られた相手についていってしまって、
その分、遠回りをしたキャシーとトミーだけれども、
本当の愛を確かめ合えて、それだけでも幸せだったと
本人達は思っているでしょう。
3人は、使命を全うし、与えられた命を生き抜く様を
見せてくれました。
きっとその様子を伝えたかった作品だと思います。
でも、手術で傷ついた姿や終了した姿が目に焼き付いて、
彼らが素直であればある程、胸が締め付けられるんですよね。
俳優達が、とっても魅力的☆
特にキャリー・マリガンの、内省的で奥深い 物言わぬ演技には、
哀愁・芯の強さ・利発さを感じ、とても引き込まれました。
子供時代の3人が、大人になった3人と実にソックリで、
子役までも魅力的でしたね。
関連記事*****
「17歳の肖像」
「BOY A」
「つぐない」