ブラック・スワン
2011-09-27(Tue)
もう~黒鳥の踊りは圧巻~★
遥かな高みを目指すプリマの苦悩と葛藤が
リアルに迫ってきました。 表現者って奥が深い。。。

BLACK SWAN
監督:ダーレン・アロノフスキー
製作:2010年 アメリカ
出演:*ナタリー・ポートマン *ヴァンサン・カッセル *ミラ・クニス
*バーバラ・ハーシー *ウィノナ・ライダー
純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる・・・
芸術監督トーマス(ヴァンサン・カッセル)は、
年齢的な事からプリマのベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、
ニナ(ナタリー・ポートマン)を「白鳥の湖」の主役に抜擢。
ニナは美しくて繊細な白鳥役はこなせるが、
王子を誘惑する邪悪で官能的な黒鳥役は上手く表現できず、
重圧にさいなまれる。
自分と正反対の妖艶で奔放的なリリー(ミラ・クニス)と言う
ライバルが出現し、ますます不安と焦りを感じるようになる・・・
ネタバレあるかも
様々な芸術に共通する事だけど、
技術が正確というだけじゃダメで、
そこに人の内側から滲み出る表現が備わる事によって、
見る者は心を動かされるんですよね。
それには、表現者の経験・知識が幅広い方がいいのかもね。
世の中には白の世界も黒の世界もある。
人の内側にも白の部分、黒の部分がある。
外の世界での経験に触発され、その人の内側に
隠れていたものが出てくる事もあるでしょうね。
トーマスは「自分を解放しろ、愉しみを知れ」とけしかけます。
特にセクシャル面において解き放てと。
ニナは、元バレリーナだった母の期待を背負って
二人三脚でバレエだけを一生懸命やってきました。
母は過剰な愛情を見せるんだけど、
それこそがニナを抑制している原因なんだよね~(- -;)
群舞で終わった母は、トップに立つ者が境地を目指す事を
理解できないのか、恐れているのか、
ニナが殻を破って飛躍しなければならないのに、
いつまでも自分の手の届く所に留めておこうとします。
母との闘い、自分との闘いに加え、
ライバルに役を取られるかもしれないという疑心暗鬼から、
しだいに心のバランスを失い、狂気に取り憑かれるんですね。
もはや、ニナが見ているものが、現実か妄想か
こちらまで分からなくなってきちゃう。
振り返って考えてみると、リリーの存在すら
全て幻覚だったのかも?と思えてくるのよね~
精神が崩壊していく様子は、鏡を使ったシーンや、
身体を傷付ける痛いシーンなど、
ホラータッチの演出になっていて、すごくドキドキしました。
強迫観念に苛まれる姿が9割で、緊張の糸 張り詰めっぱなし。
八の字眉のナタリーの表情の多い事。(^^;
本番の白鳥の踊りでさえ雑念が入って失敗するという有様。
プリマなのにこんなんでいいのか頑張れ!と、
ニナの心境をリアルに感じてハラハラしどうしでした。
しかし次の黒鳥は別人のように赤い目をカッと見開いて、
迫真の舞を見せてくれましたね~ すごい!圧巻★
彼女を四方から回って撮るカメラワークも良かった。
そして最後の哀しみの白鳥では涙・・・
ニナが感じた完璧な世界とは、恐らく私のような一般人には
一生見る事の無い、頂点にある芸術の極致なんだろうなあ。
生みの苦しみとは、ここまで孤独で凄まじいものか・・・
ヒース・レジャーの事も、ちょっと思い出しました。
彼も悪を引き出そうと自分と闘いバランスを崩したのか・・?
ナタリー自身も、バレエの特訓をしながら、
野心や猜疑心や狂気を表現しなくちゃいけなくて、
それこそ重圧でいっぱいだったのでは?
難しい役に挑んだ渾身の演技に心から拍手を送りたいです。
#2010年アカデミー賞 主演女優賞 受賞
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「レスラー」
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製作:2010年 アメリカ
出演:*ナタリー・ポートマン *ヴァンサン・カッセル *ミラ・クニス
*バーバラ・ハーシー *ウィノナ・ライダー
純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる・・・
芸術監督トーマス(ヴァンサン・カッセル)は、
年齢的な事からプリマのベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、
ニナ(ナタリー・ポートマン)を「白鳥の湖」の主役に抜擢。
ニナは美しくて繊細な白鳥役はこなせるが、
王子を誘惑する邪悪で官能的な黒鳥役は上手く表現できず、
重圧にさいなまれる。
自分と正反対の妖艶で奔放的なリリー(ミラ・クニス)と言う
ライバルが出現し、ますます不安と焦りを感じるようになる・・・
ネタバレあるかも
様々な芸術に共通する事だけど、
技術が正確というだけじゃダメで、
そこに人の内側から滲み出る表現が備わる事によって、
見る者は心を動かされるんですよね。
それには、表現者の経験・知識が幅広い方がいいのかもね。
世の中には白の世界も黒の世界もある。
人の内側にも白の部分、黒の部分がある。
外の世界での経験に触発され、その人の内側に
隠れていたものが出てくる事もあるでしょうね。
トーマスは「自分を解放しろ、愉しみを知れ」とけしかけます。
特にセクシャル面において解き放てと。
ニナは、元バレリーナだった母の期待を背負って
二人三脚でバレエだけを一生懸命やってきました。
母は過剰な愛情を見せるんだけど、
それこそがニナを抑制している原因なんだよね~(- -;)
群舞で終わった母は、トップに立つ者が境地を目指す事を
理解できないのか、恐れているのか、
ニナが殻を破って飛躍しなければならないのに、
いつまでも自分の手の届く所に留めておこうとします。
母との闘い、自分との闘いに加え、
ライバルに役を取られるかもしれないという疑心暗鬼から、
しだいに心のバランスを失い、狂気に取り憑かれるんですね。
もはや、ニナが見ているものが、現実か妄想か
こちらまで分からなくなってきちゃう。
振り返って考えてみると、リリーの存在すら
全て幻覚だったのかも?と思えてくるのよね~
精神が崩壊していく様子は、鏡を使ったシーンや、
身体を傷付ける痛いシーンなど、
ホラータッチの演出になっていて、すごくドキドキしました。
強迫観念に苛まれる姿が9割で、緊張の糸 張り詰めっぱなし。
八の字眉のナタリーの表情の多い事。(^^;
本番の白鳥の踊りでさえ雑念が入って失敗するという有様。
プリマなのにこんなんでいいのか頑張れ!と、
ニナの心境をリアルに感じてハラハラしどうしでした。
しかし次の黒鳥は別人のように赤い目をカッと見開いて、
迫真の舞を見せてくれましたね~ すごい!圧巻★
彼女を四方から回って撮るカメラワークも良かった。
そして最後の哀しみの白鳥では涙・・・
ニナが感じた完璧な世界とは、恐らく私のような一般人には
一生見る事の無い、頂点にある芸術の極致なんだろうなあ。
生みの苦しみとは、ここまで孤独で凄まじいものか・・・
ヒース・レジャーの事も、ちょっと思い出しました。
彼も悪を引き出そうと自分と闘いバランスを崩したのか・・?
ナタリー自身も、バレエの特訓をしながら、
野心や猜疑心や狂気を表現しなくちゃいけなくて、
それこそ重圧でいっぱいだったのでは?
難しい役に挑んだ渾身の演技に心から拍手を送りたいです。
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