冷たい熱帯魚
2011-09-14(Wed)
勢いがあって刺激もある。
役者の熱演も素晴らしい!
でも意外と大きな衝撃は受けなかったな・・・(^^;

COLDFISH
監督:園子温
製作:2010年 日本
出演:*吹越満 *でんでん *黒沢あすか *神楽坂恵 *渡辺哲
この素晴らしき世界。
えぐいとかすごいとかって評判を聞いていたので、
期待し過ぎたかもしれません。
血だらけの映像は韓国映画などで免疫が付いていたせいか、
びっくりする事はなかったです。
もっと普遍的な人間の闇をえぐっているのかと思ってたんだけど、
なんかね~、徹底的にドギツい事や奇をてらう事に
力が入っているように感じてしまった。
でも、引き込むパワーは相当なものがありましたよ。
追い立てるような音楽=主にドラムに乗せられて、
ズンズンとこの異常な世界に入って行っちゃった。
ネタバレあるかも
女(神楽坂恵)がスーパーでインスタント食品をザザ~ッと
買いあさって、乱暴にチンしてテーブルに出すシーンに
いきなり圧倒されたからね~ かなりインパクトありました。
この女が犯罪者かと思ったくらい。常人の行動ではないです。
家庭が崩壊している事に薄々気付いていながら、
何も出来ず、幸せをただ夢見るだけの、
気弱で平凡な男 社本(吹越満)が、ある事をきっかけに
村田(でんでん)が仕掛ける罠にはまり、
あれよあれよと言う間に深い闇に転落していく。
その過程を描いていった話です。
村田は、一見気のいい陽気な人なんだけど、
自分の欲のためには殺人なんて何とも思わない、
悪意の自覚の無い恐ろしい男。
人の弱みを鋭い嗅覚で嗅ぎ取る洞察力と、
そこに付け込む押しが、異常に長けています。
でんでんさんはこの役をずっとハイテンションで
見事に演じきってましたね。 あっぱれ!
妻の愛子(黒沢あすか)の思考はどうなっているのか?
もはやマンガみたいに思えてくるキャラなのよね~
この2人が解体するシーンは実に楽しげで苦笑~(^▽^;)
これ、1993年に埼玉で起きた愛犬家連続殺人事件を
モチーフにしているんですね。
「ボディを透明にしちまえばいい」と言うのが
実際の犯人の口グセだったらしいから、
本当にあった殺人かと思うと、ゾッとします。
後半部で、村田は社本を殴り付けて壊そうとします。
壊して人の中にある邪悪な部分を引き出そうとするんですね。
監督のやりたかった事はこれなのではないかな?
観る者の中にある悪魔のような面を、「ほら、ほら」と
激しく揺さぶって引き出したかったのかもしれません。
社本は、自分が守ろうとしていた妻に裏切られた事を知り、
逆上して人が変わったような行動に出ます。
娘に至っては、最後の最後に観客が本性を知るんだけど、
命を懸けて守ろうとしていたのに、
守る価値も無かったという空虚さは残酷でしたね。
でも社本が、村田が乗り移ったように変貌するラストは、
不要だった気もする・・・
社本と村田は元々異なる人種だと思うので、これで
人間は全て醜悪なんだとまとめるのには違和感が残りました。
最後まで勢いに乗じて壮絶な刺激を見せていく。
何かしら感覚的に揺さぶられる作品であるのは間違いないです。
関連記事*****
「愛のむきだし」
「恋の罪」
「ヒミズ」
「希望の国」
役者の熱演も素晴らしい!
でも意外と大きな衝撃は受けなかったな・・・(^^;

COLDFISH
監督:園子温
製作:2010年 日本
出演:*吹越満 *でんでん *黒沢あすか *神楽坂恵 *渡辺哲
この素晴らしき世界。
えぐいとかすごいとかって評判を聞いていたので、
期待し過ぎたかもしれません。
血だらけの映像は韓国映画などで免疫が付いていたせいか、
びっくりする事はなかったです。
もっと普遍的な人間の闇をえぐっているのかと思ってたんだけど、
なんかね~、徹底的にドギツい事や奇をてらう事に
力が入っているように感じてしまった。
でも、引き込むパワーは相当なものがありましたよ。
追い立てるような音楽=主にドラムに乗せられて、
ズンズンとこの異常な世界に入って行っちゃった。
ネタバレあるかも
女(神楽坂恵)がスーパーでインスタント食品をザザ~ッと
買いあさって、乱暴にチンしてテーブルに出すシーンに
いきなり圧倒されたからね~ かなりインパクトありました。
この女が犯罪者かと思ったくらい。常人の行動ではないです。
家庭が崩壊している事に薄々気付いていながら、
何も出来ず、幸せをただ夢見るだけの、
気弱で平凡な男 社本(吹越満)が、ある事をきっかけに
村田(でんでん)が仕掛ける罠にはまり、
あれよあれよと言う間に深い闇に転落していく。
その過程を描いていった話です。
村田は、一見気のいい陽気な人なんだけど、
自分の欲のためには殺人なんて何とも思わない、
悪意の自覚の無い恐ろしい男。
人の弱みを鋭い嗅覚で嗅ぎ取る洞察力と、
そこに付け込む押しが、異常に長けています。
でんでんさんはこの役をずっとハイテンションで
見事に演じきってましたね。 あっぱれ!
妻の愛子(黒沢あすか)の思考はどうなっているのか?
もはやマンガみたいに思えてくるキャラなのよね~
この2人が解体するシーンは実に楽しげで苦笑~(^▽^;)
これ、1993年に埼玉で起きた愛犬家連続殺人事件を
モチーフにしているんですね。
「ボディを透明にしちまえばいい」と言うのが
実際の犯人の口グセだったらしいから、
本当にあった殺人かと思うと、ゾッとします。
後半部で、村田は社本を殴り付けて壊そうとします。
壊して人の中にある邪悪な部分を引き出そうとするんですね。
監督のやりたかった事はこれなのではないかな?
観る者の中にある悪魔のような面を、「ほら、ほら」と
激しく揺さぶって引き出したかったのかもしれません。
社本は、自分が守ろうとしていた妻に裏切られた事を知り、
逆上して人が変わったような行動に出ます。
娘に至っては、最後の最後に観客が本性を知るんだけど、
命を懸けて守ろうとしていたのに、
守る価値も無かったという空虚さは残酷でしたね。
でも社本が、村田が乗り移ったように変貌するラストは、
不要だった気もする・・・
社本と村田は元々異なる人種だと思うので、これで
人間は全て醜悪なんだとまとめるのには違和感が残りました。
最後まで勢いに乗じて壮絶な刺激を見せていく。
何かしら感覚的に揺さぶられる作品であるのは間違いないです。
関連記事*****
「愛のむきだし」
「恋の罪」
「ヒミズ」
「希望の国」