シングルマン
2011-08-27(Sat)
愛する者を失った人生に、意味はあるのか。
その答がある。
心にグッとくる、いい映画でした!

A SINGLE MAN
監督:トム・フォード
製作:2009年 アメリカ
出演:*コリン・ファース *ジュリアン・ムーア *マシュー・グード
*ニコラス・ホルト *ジョン・コルタハレナ
愛する者を失った人生に、意味はあるのか。
これが初監督だと言うトム・フォード、
ファッション・デザイナーのせいか、美的センスに溢れています。
ひとつひとつのシーンが計算されたように美しく、
全体の流れも滑らかで、隙が無く、音楽もピッタリ合っていた☆
大学教授のジョージ(コリン・ファース)は、16年間生活を
共にした恋人ジム(マシュー・グード)を交通事故で失い、
ずっと大きな喪失感を抱いてきた。
目覚めるのは苦痛なだけ。未来が見えない・・・
本作は、恋人の元へと旅立とうとする主人公の
一日を描いたものです。
ネタバレあります
今日は人生最後の日。そうなると一秒一秒が愛おしくなるのか、
車でのスタートもスローモーションになっています。(←いいシーンだよね)
今日でお別れかと思うと、大学の受付嬢にも愛想の良い言葉を
かけたくなるし、講義でも思わず 自分が体験してきた
マイノリティ(ゲイなど)の恐怖を熱く語ってしまう。
気の持ち方が変わると、これまで無関心で何も感じなかった物事が、
急に愛おしくなって、目や心にスッと入り込んでくるんですね。
思わずジョージの感情が揺れる瞬間は、画面の色彩で表現されています。
全体的に暗い感じのトーンなんだけど、
突然、彩度・明度がグッと上がる!(゚o゚)
学生ケニー(ニコラス・ホルト)が鉛筆削りを選ぶ時、
青いドレスの少女(隣家の子)と会話をする時、
通りすがりのスペイン男性と夕陽を見る時、
親友チャーリー(ジュリアン・ムーア)とダンスをする時・・・
ジョージの心がときめく一瞬の輝きを、
色彩で表現すると言う演出がニクいね~★
スペイン男性もケニーもチャーリーも、フェロモンを存分に出しながら
言い寄って来るので、ドキドキさせられるんだけど(≧ε≦)、何もしない。
それはジョージにとってジムは誰にも代えられない存在だからでしょう。
ジョージとしても映画としても、抑制が効いています。
代わりに、目や口のアップやスローモーションを使って、
瞬間の魅力を妖しげにじっくり見せるのも、面白いです。
コリン・ファースはハンサムとは思わないけど、
スーツ姿もバシッと決まって清潔感がすごくありますね。
スラッと立ち姿が美しいのでゲイの人が寄ってくるのも分かる。
大げさな芝居でなく、ちょっとした表情で内面を表現して
素晴らしいです。
ケニーは、キャンパスでも教室でも、一番目立っていた!!
あの澄んだ青い瞳に覗きこまれたら、もうクラ~~ッてなっちゃうね★
眩しいほどの若者が自分を慕ってくれてると思ったら、
たまらないでしょ(^▽^;)。エネルギー湧いてくるよね。

チャーリーも、ジョージと同じように孤独と悲しみを抱えた女性。
互いの苦しみを慰め合いながら、笑って、
ダンスできる関係ってステキだな~
ジョージはこの1日のうちに、いろいろな人々と関わり、
最後に気付きます。
生きる価値は、日常の中に何気なくあるんだと。
それまで、過去にしか生きてなくて、
未来は無いと思っていたジョージは、今に生を感じます。
だけど皮肉な事に、死のうと思っても死ねなかったのに、
生きようとしたら、ジムが迎えに来てしまったのね。。。
この事を「何もかもがあるべきようにある」と言っているのかな。
生死は自分で決めるものじゃないって事か?
彼の死は、混乱するので、無いほうが良かったな。
最後のジョージの語りはとても心に沁みるものでした。
ごく時たま、ひじょうに感覚が研ぎ澄まされて、
目の前が開けるような瞬間がある、と。
世界が清らかに輝くような瞬間がね。
うん、それってなんか分かる。
何かしらちょっとした事、人からステキな笑顔で
「ありがとう」って言われたみたいな小さな事で、
パッと気持ちが輝く瞬間ってありますよね。
だけどそれは長続きせずにすぐに現実に引き戻される、
とも言ってるんですよね。それもそうだと思うな。
悲しみが大きければ大きいほど、輝く瞬間は短い。
でも、そんな瞬間は必ずあるんですよ。日常の中に。
そして、それらが積み重なって、
生の喜びになるんじゃないでしょうか。
雰囲気だけじゃない上質の映画を観た気がしました。
関連記事*****
「英国王のスピーチ」
その答がある。
心にグッとくる、いい映画でした!

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監督:トム・フォード
製作:2009年 アメリカ
出演:*コリン・ファース *ジュリアン・ムーア *マシュー・グード
*ニコラス・ホルト *ジョン・コルタハレナ
愛する者を失った人生に、意味はあるのか。
これが初監督だと言うトム・フォード、
ファッション・デザイナーのせいか、美的センスに溢れています。
ひとつひとつのシーンが計算されたように美しく、
全体の流れも滑らかで、隙が無く、音楽もピッタリ合っていた☆
大学教授のジョージ(コリン・ファース)は、16年間生活を
共にした恋人ジム(マシュー・グード)を交通事故で失い、
ずっと大きな喪失感を抱いてきた。
目覚めるのは苦痛なだけ。未来が見えない・・・
本作は、恋人の元へと旅立とうとする主人公の
一日を描いたものです。
ネタバレあります
今日は人生最後の日。そうなると一秒一秒が愛おしくなるのか、
車でのスタートもスローモーションになっています。(←いいシーンだよね)
今日でお別れかと思うと、大学の受付嬢にも愛想の良い言葉を
かけたくなるし、講義でも思わず 自分が体験してきた
マイノリティ(ゲイなど)の恐怖を熱く語ってしまう。
気の持ち方が変わると、これまで無関心で何も感じなかった物事が、
急に愛おしくなって、目や心にスッと入り込んでくるんですね。
思わずジョージの感情が揺れる瞬間は、画面の色彩で表現されています。
全体的に暗い感じのトーンなんだけど、
突然、彩度・明度がグッと上がる!(゚o゚)
学生ケニー(ニコラス・ホルト)が鉛筆削りを選ぶ時、
青いドレスの少女(隣家の子)と会話をする時、
通りすがりのスペイン男性と夕陽を見る時、
親友チャーリー(ジュリアン・ムーア)とダンスをする時・・・
ジョージの心がときめく一瞬の輝きを、
色彩で表現すると言う演出がニクいね~★
スペイン男性もケニーもチャーリーも、フェロモンを存分に出しながら
言い寄って来るので、ドキドキさせられるんだけど(≧ε≦)、何もしない。
それはジョージにとってジムは誰にも代えられない存在だからでしょう。
ジョージとしても映画としても、抑制が効いています。
代わりに、目や口のアップやスローモーションを使って、
瞬間の魅力を妖しげにじっくり見せるのも、面白いです。
コリン・ファースはハンサムとは思わないけど、
スーツ姿もバシッと決まって清潔感がすごくありますね。
スラッと立ち姿が美しいのでゲイの人が寄ってくるのも分かる。
大げさな芝居でなく、ちょっとした表情で内面を表現して
素晴らしいです。
ケニーは、キャンパスでも教室でも、一番目立っていた!!
あの澄んだ青い瞳に覗きこまれたら、もうクラ~~ッてなっちゃうね★
眩しいほどの若者が自分を慕ってくれてると思ったら、
たまらないでしょ(^▽^;)。エネルギー湧いてくるよね。

チャーリーも、ジョージと同じように孤独と悲しみを抱えた女性。
互いの苦しみを慰め合いながら、笑って、
ダンスできる関係ってステキだな~
ジョージはこの1日のうちに、いろいろな人々と関わり、
最後に気付きます。
生きる価値は、日常の中に何気なくあるんだと。
それまで、過去にしか生きてなくて、
未来は無いと思っていたジョージは、今に生を感じます。
だけど皮肉な事に、死のうと思っても死ねなかったのに、
生きようとしたら、ジムが迎えに来てしまったのね。。。
この事を「何もかもがあるべきようにある」と言っているのかな。
生死は自分で決めるものじゃないって事か?
彼の死は、混乱するので、無いほうが良かったな。
最後のジョージの語りはとても心に沁みるものでした。
ごく時たま、ひじょうに感覚が研ぎ澄まされて、
目の前が開けるような瞬間がある、と。
世界が清らかに輝くような瞬間がね。
うん、それってなんか分かる。
何かしらちょっとした事、人からステキな笑顔で
「ありがとう」って言われたみたいな小さな事で、
パッと気持ちが輝く瞬間ってありますよね。
だけどそれは長続きせずにすぐに現実に引き戻される、
とも言ってるんですよね。それもそうだと思うな。
悲しみが大きければ大きいほど、輝く瞬間は短い。
でも、そんな瞬間は必ずあるんですよ。日常の中に。
そして、それらが積み重なって、
生の喜びになるんじゃないでしょうか。
雰囲気だけじゃない上質の映画を観た気がしました。
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