ノルウェイの森
2011-08-03(Wed)
愛と性、生と死・・・森はどこまでも深い。
しかし、その時々に正面から向き合い、
彷徨いながらも生きていく・・・

監督:トラン・アン・ユン
製作:2010年 日本
原作:村上春樹
出演:*松山ケンイチ *菊地凛子 *水原希子 *玉山鉄二 *高良健吾
深く愛すること。強く生きること。
原作を読んだのは青春時代をかなり過ぎてからだったせいか、
どこにも共感できず、好きな雰囲気でも無く、
どうしてこの本が大ベストセラーなのか分かりませんでした。
だって、セリフ回しがリアルじゃないし、
やたら人が死ぬし、やたら性描写が多い。
女達は1から10まで自分の思いを
ツラツラとしゃべったり書いたりする。
あれだけ吐き出せるのに、なぜ死を選ぶのか?
理解し難いです。
映画を観ようと思ったのは、
ビートルズの”NORWEGIAN WOOD”が流れ、
緑濃い森がそよいでいる宣伝に惹かれたから。
だけどその曲はエンドロールで文字と共に流れたのみでしたね~
(レイコさんのギター弾き語りは一度あったけど)
もっとビートルズの曲が流れる物語なのに、
映像と重なった使い方は許可されなかったんでしょうか?
ネタバレあるかも
映画は場面がブツ切れで話がポンポン飛ぶので、
余韻をかみしめる暇がありません。
これは出口を求めて深い森を彷徨う物語。
若者の哀しみや空虚感を描いた物語なので、
もっと行間を読むようなゆとりが欲しいんだけどなあ。
唐突なキズキ(高良健吾)の自殺。
理由は誰にも分からない。
自殺の理由なんて本人にしか分からないものです。
だけど、遺された恋人や友人は、それだからこそ
自分を責め、苦しみます。
特に直子は自分の一部も死んでしまったような状態に。
喪失感を抱いた者同士、ワタナベ(松山ケンイチ)と
直子(菊地凛子)は結ばれますが、その日をきっかけに
直子の精神状態は不安定になり、療養所に入所してしまう。
そんな時、生のエネルギーに満ちた緑(水原希子)が現れる。
私は、ワタナベは一人一人の女性に対し、
すごく真摯に向き合ったと思いました。
病んだ直子を愛し、とことん広い心で受け止め、
緑には、直子の事を話した上で「待っていてほしい」と言い、
ハツミのやりきれない不満をきちんと聞き、
レイコとは共に直子を弔い、進む一歩を後押しした。
人間関係を築けば必ず喪失もあります。
傷付くのが嫌で、学生運動にも関わる事なく、
周囲とはなるべく距離を置いて生きてきたワタナベですが、
人生にはやはり出会いがあって、別れがある。
喪失の哀しみを哀しみ抜いて、そこから学び取るしかないのだが、
次の哀しみには役に立たない・・・
様々な辛い現実に直面して、彼は次へ進もうとするんですね。
そこがまた深い森だとしても。
直子役に菊地凛子はイメージが強いような気がしたけど、
儚げな雰囲気をとても上手く出していて、
ギャップを埋める演技力に感心しました。
寛容なワタナベに松山ケンイチはばっちりハマッてましたね。
風景の映像はしっとりとして美しかったです。
しかし、その時々に正面から向き合い、
彷徨いながらも生きていく・・・

監督:トラン・アン・ユン
製作:2010年 日本
原作:村上春樹
出演:*松山ケンイチ *菊地凛子 *水原希子 *玉山鉄二 *高良健吾
深く愛すること。強く生きること。
原作を読んだのは青春時代をかなり過ぎてからだったせいか、
どこにも共感できず、好きな雰囲気でも無く、
どうしてこの本が大ベストセラーなのか分かりませんでした。
だって、セリフ回しがリアルじゃないし、
やたら人が死ぬし、やたら性描写が多い。
女達は1から10まで自分の思いを
ツラツラとしゃべったり書いたりする。
あれだけ吐き出せるのに、なぜ死を選ぶのか?
理解し難いです。
映画を観ようと思ったのは、
ビートルズの”NORWEGIAN WOOD”が流れ、
緑濃い森がそよいでいる宣伝に惹かれたから。
だけどその曲はエンドロールで文字と共に流れたのみでしたね~
(レイコさんのギター弾き語りは一度あったけど)
もっとビートルズの曲が流れる物語なのに、
映像と重なった使い方は許可されなかったんでしょうか?
ネタバレあるかも
映画は場面がブツ切れで話がポンポン飛ぶので、
余韻をかみしめる暇がありません。
これは出口を求めて深い森を彷徨う物語。
若者の哀しみや空虚感を描いた物語なので、
もっと行間を読むようなゆとりが欲しいんだけどなあ。
唐突なキズキ(高良健吾)の自殺。
理由は誰にも分からない。
自殺の理由なんて本人にしか分からないものです。
だけど、遺された恋人や友人は、それだからこそ
自分を責め、苦しみます。
特に直子は自分の一部も死んでしまったような状態に。
喪失感を抱いた者同士、ワタナベ(松山ケンイチ)と
直子(菊地凛子)は結ばれますが、その日をきっかけに
直子の精神状態は不安定になり、療養所に入所してしまう。
そんな時、生のエネルギーに満ちた緑(水原希子)が現れる。
私は、ワタナベは一人一人の女性に対し、
すごく真摯に向き合ったと思いました。
病んだ直子を愛し、とことん広い心で受け止め、
緑には、直子の事を話した上で「待っていてほしい」と言い、
ハツミのやりきれない不満をきちんと聞き、
レイコとは共に直子を弔い、進む一歩を後押しした。
人間関係を築けば必ず喪失もあります。
傷付くのが嫌で、学生運動にも関わる事なく、
周囲とはなるべく距離を置いて生きてきたワタナベですが、
人生にはやはり出会いがあって、別れがある。
喪失の哀しみを哀しみ抜いて、そこから学び取るしかないのだが、
次の哀しみには役に立たない・・・
様々な辛い現実に直面して、彼は次へ進もうとするんですね。
そこがまた深い森だとしても。
直子役に菊地凛子はイメージが強いような気がしたけど、
儚げな雰囲気をとても上手く出していて、
ギャップを埋める演技力に感心しました。
寛容なワタナベに松山ケンイチはばっちりハマッてましたね。
風景の映像はしっとりとして美しかったです。