クロッシング(アメリカ)
2011-06-18(Sat)
交錯するのは正義(善)と悪。
その境界線は警察官でさえ曖昧。

監督:アントワーン・フークア
製作:2009年 アメリカ
出演:*リチャード・ギア *イーサン・ホーク *ドン・チードル
*ウェズリー・スナイプス
3人の刑事。1つの事件。
それぞれの正義が交錯するーー。
原題は「BROOKLYN’S FINEST」でブルックリンの警官達。
3人の警官が交錯するような巧みな脚本を期待してたのに、
ほとんど交わる事は無くて、ちょっと肩すかしでした。(^_^;
エディ(リチャード・ギア)は定年間近。野心も気力も無く、
無難に退職の日までを過ごそうとしている。
絶望感漂うサエない男。
恐らく若い頃は仕事に対して情熱を持っていたんだろうけど、
長年勤めているうちに失望を何度も味わい、
孤独な抜け殻のようになってしまったんじゃないかな。
新人に蔑まれ苛立ったのは、まだプライドが残っていたせいでしょうか。
サル(イーサン・ホーク)は子だくさんの家庭持ち。
妊娠中の妻が、家のカビにより喘息を悪化させているので、
引っ越したいが、資金が無い。
切羽詰まり汚れた金に手を付ける。
家族を愛するがために、善悪の見境がつかなくなり、
だんだん悪に染まっていく。
イーサンはこういう狂気に満ちた演技が上手いよね。
しかしシワも増えて小汚くなって、やけに老けたような(^_^;。
タンゴ(ドン・チードル)は麻薬をさばくギャング団の一員。
ドン・チードルの優しげな目で潜入捜査官だって分かりました。
本物のギャングはキャズ(ウェズリー・スナイプス)みたいに
ギラギラしているものだからね。
タンゴの苦悩が一番分かり易かったです。
警官とギャングの二重生活。
命懸けの危険な仕事をしているのに、
妻から離婚を迫られ、上司からは無理難題をふっかけられる。
警察の失敗を誤魔化すために悪人を作り上げるのが正義で、
恩のある友人を守る事は悪なのか?それは悩むでしょう。
交錯するのは善と悪です。
三人それぞれの善悪が状況に迫られて交錯し、
思わぬ結末へと向かって行きます。
冒頭に出てくる「人生はより善か、より悪かだ」のセリフのように、
これが善(悪)だと絶対的なものが揺らいでいるんですね。
それは警察官の劣悪な状況から来るんでしょう。
仕事に見合わない安月給、組織の身勝手さ、報われなさ。
失望や虚無感や怒りが蔓延するばかり。
モチベーションは下がるに決まってます。
今の社会と共通しているような。。。(^_^;
サルの末路は納得。
タンゴは気の毒だったな・・・
エディだけ、他の二人とは正反対な行動でしたね。
エディは無事退職の日、バッジをポイと捨てられ、
「ハイさよなら」みたいな扱いをされる。
何も成し遂げていなかった自分には達成感も無い。
そんな時事件を見かけて警官としてのプライドに火がつき、正義を実行する。
全て失ったから取れた捨て身の行動なのかも。
それにしても銃を簡単に撃ち過ぎじゃない?
その境界線は警察官でさえ曖昧。

監督:アントワーン・フークア
製作:2009年 アメリカ
出演:*リチャード・ギア *イーサン・ホーク *ドン・チードル
*ウェズリー・スナイプス
3人の刑事。1つの事件。
それぞれの正義が交錯するーー。
原題は「BROOKLYN’S FINEST」でブルックリンの警官達。
3人の警官が交錯するような巧みな脚本を期待してたのに、
ほとんど交わる事は無くて、ちょっと肩すかしでした。(^_^;
エディ(リチャード・ギア)は定年間近。野心も気力も無く、
無難に退職の日までを過ごそうとしている。
絶望感漂うサエない男。
恐らく若い頃は仕事に対して情熱を持っていたんだろうけど、
長年勤めているうちに失望を何度も味わい、
孤独な抜け殻のようになってしまったんじゃないかな。
新人に蔑まれ苛立ったのは、まだプライドが残っていたせいでしょうか。
サル(イーサン・ホーク)は子だくさんの家庭持ち。
妊娠中の妻が、家のカビにより喘息を悪化させているので、
引っ越したいが、資金が無い。
切羽詰まり汚れた金に手を付ける。
家族を愛するがために、善悪の見境がつかなくなり、
だんだん悪に染まっていく。
イーサンはこういう狂気に満ちた演技が上手いよね。
しかしシワも増えて小汚くなって、やけに老けたような(^_^;。
タンゴ(ドン・チードル)は麻薬をさばくギャング団の一員。
ドン・チードルの優しげな目で潜入捜査官だって分かりました。
本物のギャングはキャズ(ウェズリー・スナイプス)みたいに
ギラギラしているものだからね。
タンゴの苦悩が一番分かり易かったです。
警官とギャングの二重生活。
命懸けの危険な仕事をしているのに、
妻から離婚を迫られ、上司からは無理難題をふっかけられる。
警察の失敗を誤魔化すために悪人を作り上げるのが正義で、
恩のある友人を守る事は悪なのか?それは悩むでしょう。
交錯するのは善と悪です。
三人それぞれの善悪が状況に迫られて交錯し、
思わぬ結末へと向かって行きます。
冒頭に出てくる「人生はより善か、より悪かだ」のセリフのように、
これが善(悪)だと絶対的なものが揺らいでいるんですね。
それは警察官の劣悪な状況から来るんでしょう。
仕事に見合わない安月給、組織の身勝手さ、報われなさ。
失望や虚無感や怒りが蔓延するばかり。
モチベーションは下がるに決まってます。
今の社会と共通しているような。。。(^_^;
サルの末路は納得。
タンゴは気の毒だったな・・・
エディだけ、他の二人とは正反対な行動でしたね。
エディは無事退職の日、バッジをポイと捨てられ、
「ハイさよなら」みたいな扱いをされる。
何も成し遂げていなかった自分には達成感も無い。
そんな時事件を見かけて警官としてのプライドに火がつき、正義を実行する。
全て失ったから取れた捨て身の行動なのかも。
それにしても銃を簡単に撃ち過ぎじゃない?