瞳の奥の秘密
2011-03-31(Thu)
2009年アカデミー賞外国語映画賞作品。
これはなかなか見応えがあった。上手い作りです!
タイトル通り、いろんな秘密を隠した瞳が印象的。
それにアッと驚くラストも!

監督:フアン・ホセ・カンパネラ
製作:2009年 スペイン・アルゼンチン
出演:*リカルド・ダリン *フォレダ・ビジャミル *パブロ・ラゴ
*ハビエル・ゴディーノ *カルラ・ケベド *ギルレモ・フランセーヤ
ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年――
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が甦る。
25年間封印してきた恋心と殺人事件を、
巧みに交錯させながら、明らかにしていく秀逸な映画。
裁判所を退職したベンハミンは、かつて担当した
忘れられない事件を題材にして小説を書こうとする。
その事件とは1974年の結婚間も無い銀行員モラレスの
妻リリアナが自宅で殺されたもの・・・
ネタバレあるかも
なかなかペンの進まないベンハミンは、
「書き出しは一番印象的な事から」とアドバイスされ、
判事補としてやって来たイレーネとの出会いを
即座に頭に思い浮かべます。
ベンハミンがこの殺人事件を忘れられないのは、
イレーネとの物語がセットになっているからなのね。
この映画は、駅での別れのシーンに始まり、
最高の笑顔で終わる、ラブストーリーなんだなと思いました。
一途に一人の女性を思い続ける2人の男が
ロマンとサスペンスを交えて濃密に描かれています。
駅でイレーネと別れて20年。
虚しい時モラレスを思い出すベンハミン。
それは、モラレスの思いに自分の思いを重ねていたからでしょう。
愛する妻を奪われ事件から1年経っても、
たった一人で犯人捜しをしていたモラレス。
彼の愛は並みじゃないと感動するほどのものでした。
その愛の強さに打たれて、なんとか犯人逮捕にこぎつけたベンハミン。
広いサッカー場で一人を見つけるなんて出来過ぎだけど、
あのシーンはなかなか興奮する見せ方をしてたね~!
犯人に目星を付ける時も、逮捕・自白の決め手となったのも、
きっかけは犯人ゴメスの狂気の瞳って言うのが面白い。
しかし、軍事政権の絡みで、ゴメスは釈放になり、
事件は中途半端に葬られてしまった・・・
ベンハミンが事件を再追跡して、どうしても知りたかったのは、
モラレスが妻の不在にどう耐えたか と言う事でしょう。
ベンハミンも愛を失った虚しさに苦しんでいる。
モラレスも同じはずだ。
そこで再び会ったモラレスは「25年が経った。忘れるべきだ。」
と強く言うのみ。
しかし、人は自分を完全に変えようと思っても
変えられない部分を持っています。
モラレスの瞳にはかすかな動揺が・・・
瞳の奥に隠された秘密には、あっと驚かされましたよ!
モラレスが愛する者の不在を埋めていたものとは・・・
恐ろしく空虚な日々を生かされている男がそこにいた!
「助けて」とも言わないのは、自分で罪を受け入れているのか?
罪と罰という事も考えさせられる衝撃的な秘密でした。(゚o゚)
問いの答を得て、事件の結末を知ったベンハミンは、
やっと自分の中の変えられない思いを正面から見つめ、
イレーネに思いを伝えます。
イレーネの瞳には、随分前から気持ちが出ていたのにね(^^;
男がいくじなしに見えたけど、身分の差というのは、
当時のアルゼンチンで大きな障害だったのかな。
ドアの開閉など細かい演出が上手いと思ったけど、
タイプライターの故障と最後の「TE AMO」はちょっとクサかった(≧ε≦)
部下のパブロの軽妙なキャラクターがいい味を加えてましたね。
現代と過去の繋がりもスムース。
心にあるものを映し出す瞳、
人の中にある変わらぬもの、
耐えられない空虚さ、
それらが重層的にしっかりと描かれていた作品でした。
#2009年 アカデミー賞 外国語映画賞 受賞
これはなかなか見応えがあった。上手い作りです!
タイトル通り、いろんな秘密を隠した瞳が印象的。
それにアッと驚くラストも!

監督:フアン・ホセ・カンパネラ
製作:2009年 スペイン・アルゼンチン
出演:*リカルド・ダリン *フォレダ・ビジャミル *パブロ・ラゴ
*ハビエル・ゴディーノ *カルラ・ケベド *ギルレモ・フランセーヤ
ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年――
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が甦る。
25年間封印してきた恋心と殺人事件を、
巧みに交錯させながら、明らかにしていく秀逸な映画。
裁判所を退職したベンハミンは、かつて担当した
忘れられない事件を題材にして小説を書こうとする。
その事件とは1974年の結婚間も無い銀行員モラレスの
妻リリアナが自宅で殺されたもの・・・
ネタバレあるかも
なかなかペンの進まないベンハミンは、
「書き出しは一番印象的な事から」とアドバイスされ、
判事補としてやって来たイレーネとの出会いを
即座に頭に思い浮かべます。
ベンハミンがこの殺人事件を忘れられないのは、
イレーネとの物語がセットになっているからなのね。
この映画は、駅での別れのシーンに始まり、
最高の笑顔で終わる、ラブストーリーなんだなと思いました。
一途に一人の女性を思い続ける2人の男が
ロマンとサスペンスを交えて濃密に描かれています。
駅でイレーネと別れて20年。
虚しい時モラレスを思い出すベンハミン。
それは、モラレスの思いに自分の思いを重ねていたからでしょう。
愛する妻を奪われ事件から1年経っても、
たった一人で犯人捜しをしていたモラレス。
彼の愛は並みじゃないと感動するほどのものでした。
その愛の強さに打たれて、なんとか犯人逮捕にこぎつけたベンハミン。
広いサッカー場で一人を見つけるなんて出来過ぎだけど、
あのシーンはなかなか興奮する見せ方をしてたね~!
犯人に目星を付ける時も、逮捕・自白の決め手となったのも、
きっかけは犯人ゴメスの狂気の瞳って言うのが面白い。
しかし、軍事政権の絡みで、ゴメスは釈放になり、
事件は中途半端に葬られてしまった・・・
ベンハミンが事件を再追跡して、どうしても知りたかったのは、
モラレスが妻の不在にどう耐えたか と言う事でしょう。
ベンハミンも愛を失った虚しさに苦しんでいる。
モラレスも同じはずだ。
そこで再び会ったモラレスは「25年が経った。忘れるべきだ。」
と強く言うのみ。
しかし、人は自分を完全に変えようと思っても
変えられない部分を持っています。
モラレスの瞳にはかすかな動揺が・・・
瞳の奥に隠された秘密には、あっと驚かされましたよ!
モラレスが愛する者の不在を埋めていたものとは・・・
恐ろしく空虚な日々を生かされている男がそこにいた!
「助けて」とも言わないのは、自分で罪を受け入れているのか?
罪と罰という事も考えさせられる衝撃的な秘密でした。(゚o゚)
問いの答を得て、事件の結末を知ったベンハミンは、
やっと自分の中の変えられない思いを正面から見つめ、
イレーネに思いを伝えます。
イレーネの瞳には、随分前から気持ちが出ていたのにね(^^;
男がいくじなしに見えたけど、身分の差というのは、
当時のアルゼンチンで大きな障害だったのかな。
ドアの開閉など細かい演出が上手いと思ったけど、
タイプライターの故障と最後の「TE AMO」はちょっとクサかった(≧ε≦)
部下のパブロの軽妙なキャラクターがいい味を加えてましたね。
現代と過去の繋がりもスムース。
心にあるものを映し出す瞳、
人の中にある変わらぬもの、
耐えられない空虚さ、
それらが重層的にしっかりと描かれていた作品でした。
#2009年 アカデミー賞 外国語映画賞 受賞
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画