告白
2011-03-09(Wed)
教師という立場の人間が自分の教え子に復讐すると言う驚きの異色作。
ここまでやるか？ってたじろぐ位の情け容赦の無さに戦慄を覚えたな・・・
監督：中島哲也
製作：２０１０年 日本
原作：湊かなえ「告白」
出演：＊松たか子 ＊木村佳乃 ＊岡田将生 ＊西井幸人 ＊藤原薫 ＊橋本愛
告白が、あなたの命につきささる。冒頭、中学校の終業式で森口先生（松たか子）が
生徒を前にして衝撃の告白をします。
自分の娘の死は事故では無く、このクラスの２人の生徒に殺されたと。
彼らは少年法で守られているから、自分自身の手で復讐すると。
感情を一切排除した抑揚の無い口調で話す森口先生は、
この時点で、もはや教師ではなく、復讐者以外の何者でもない。教室は生徒達が騒がしく活気があるのに、
色味が無く、逆光で影を多用しているので、トーンが暗いんですよね。
人物を真横か真正面で切り取っているのも無機的で不気味。
冒頭なのに、いきなり「衝撃のラスト」みたいな展開。
「犯人はAとB」と言うものの、
誰を指しているのかタネ明かしのように説明するし、
犯人本人も殺した事を認めているからね。
ここからストーリーが始まるなんて、一体どういう展開になるのか、
全く目が離せなくなりました。
犯人Aがいじめに遭って、Bが精神異常をきたした所で、
もう充分だと思ったんだけどね。
森口先生の悪意はさらに膨らんでいく。
愛する者を殺された彼女は、彼らにも同等の苦しみを
味わわせようとする。
それも、彼女が直接手を下すのではなく、
彼ら自身の手でやらせるように仕向ける。
そのために、新任教師まで取り込み利用する。
途中で復讐の空虚さに押し潰されそうになり嗚咽する姿で、
人間らしさをチラッと見せるんだけど、
すぐに「バカバカしい」と切り替えるんですよね。
徹底的に感傷を排除したブラックさは凄い！
登場人物全員が人を傷付ける事に鈍感。
誰もが自分の事しか考えていない。
自分だけは傷付かないように自己防衛はしっかり。
森口先生も（←最初から傷付いているし、意図的に傷付けるけど）
生徒達、その親、新任教師までも、皆未熟です。
この映画に出てくるような、少年法で守られているから、
一人殺してもたいした事はないと思っている子供よ！
法が赦しても、あなたを赦さない人間が絶対に存在するから、
そこを勘違いしないように！この映画には、日本の社会の闇が詰め込まれています。
無差別殺人、軽い動機の殺人、いじめなど、
ニュースで知るような人間の悪の部分ばかりを集めています。
こんなにおかしくなっている倫理観
命が軽く扱われている現実、疑問視したくなる少年法、
それらを強烈なタッチで突き付けた作品ですね。
復讐劇という事では、韓国のパク・チャヌク監督の
復讐３部作の凄まじさを見てきたので、
日本の映画もやっとこういうものを作るようになったか、
という思いです。
だけど、こちらは復讐相手が子供と言う点と、
子供の残忍さを描いていて、思い切った作品になってる。
話題通り、衝撃作でした。
＃２０１０年 日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞 受賞
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画
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コメント
原作は読みました。かなり衝撃的でした。
うんうん、考えうる限りの未熟な者達（主に子供だけど、大人も含む）の
ダークサイドを詰め込んだ感じ。
中島哲也って、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の監督でしたよね？
ああいうブッ飛んだポップな感じは封印して、シリアスに作ってあるのかな？
そこがすごく気になってます☆
映画は原作より良く出来ていると、そういう声も聞きますよ。
わさぴょんさんはどう感じるかな？
「下妻・・」「嫌われ・・」は予告編で観ただけなんだけど、
本作はダークな色合いのみっていうのが印象としては全く違う点。
でも、ポップさはやっぱりあったよ。
全体的にエンターテイメントに仕上げてあった。
扱っている問題はシリアスでも、
それをデフォルメした形で見せてるから、
リアルな世界ではないんだよね。と私は思った。
そのうち観てみてね★
楽しい作品ではないので、ベスト１にするのはどうかと思いましたが、観たときにつけた星の数によって、１位になりました。
子どもたちが教室で授業中に騒いでいる、というだけで、びっくりでしたよ。私の学生時代は、そんなこと絶対になかった。（ただし原作では、生徒が騒いでいるかどうかの描写はないのです。先生の台詞しか書かれていないから。）
私も先生の立場だったら、何か復讐したくなるのかなあと思います。感情的には許せないですもん。どこまで、どうやるかはわかりませんけどね。
衝撃度ではNO.１間違い無しだけど、
ベスト１０に入れるかかどうかは、私的にはまだちょっと分からないなあ。
ああいう勝手な子供って言うか、
授業に集中できない子や先生をバカにしたような子がいるとは思うけど、
映画はやっぱりそれを大げさに表現してましたね。
現実では全員がそうじゃないもの。
被害者の許せない気持ち、分かるよね。。。
法で裁けなくて、犯人はそれを充分承知している場合なんか、
程度の差こそあれ自分が罰を与えてやるって誰もが思うでしょうね。
YANさん、こんにちは！
私は常々少年法は手ぬるい！って思ってる人間なんだけど、そんな私でも、この映画は、少年への復讐という点で、うぬぬ・・・・って思う処もあったのよね・・。
スカッとはしなかった・・・。だからと言って、あの少年をかばう気持ちも無いんだけど。。。
＞復讐劇という事では、韓国のパク・チャヌク監督の
復讐３部作の凄まじさを見てきたので、
日本の映画もやっとこういうものを作るようになったか、という思いです。
うん、うん。
凄いもんを作ったね、と思った。
映像も音楽もセンス良かったし、素晴らしい作品だとは思うんだけど、でも、道徳的に万歳！とは言いにくいよ・・・
こんにちは。
大きな地震が東北地方を襲いました。
被害の状況が明らかになってくるたびに、心が痛みます。
愛知から何ができないか。
自分なりにできることを考えています。
こんにちは。
latifaさんの所も地震の影響が多少あったみたいね。
ところで、あの少年は身勝手で妙な自尊心を持ってたね。
一番腹が立つのは人の命を何とも思ってない事。
そういう子が少年法で守られるなんておかしいとしか思えないけど、
あそこまでの復讐は、見ていてもいい気はしなかったよね。
あれも大げさで、誰もそんな事をやるとは思えないけどね。
今までに無いような作品で高い評価も納得です。
シリアスなメッセージも含んでいたし。
ただ私も、拍手喝采の気分にはなれなかったわ・・・
こんにちは。
日に日に、被害が大きいのが分かってきますね。
こんな酷い事が現実に起こるなんて、本当に心が痛みます。
愛知にとっては他人事では無いですよね。
いつ大地震が来てもおかしくないから不安です。
私も亮さんと同じく、まず義援金をと思っています。
ご無沙汰してます。
コメントいただいてるの来るのが遅くなってすみません。いつもの事ですが・・・^^;
この作品も衝撃的でした。
それよりもこの大震災が衝撃的でした。
遠い地の出来事なのに精神的に落ちつかず、
自分の気持ちを整理できなくって…
でも、実際に被災された方はもっとなんですよね。
今は少し落ち着いたのですが小さな事でイラついたりしてます。
少しでも早い復興と復旧を祈るばかりです…
こんにちは。
やっぱり現実と言うのは凄いですね。
今回の大震災ほど衝撃を受けた出来事は無いです。
私もかなり影響を受けて落ち込んでいたんだけど、
少し落ち着いて、普段通りの生活をする事が
大切なんだなって今は思ってます。
ブログはだんだんどうでもよくなっちゃったけど、(＾＾；
「普段通り」を考えている所でタイミング良く
夢眠さんからのコメントがあって、
こちらも復帰しようという気になれましたよ。ありがとう☆
被災地だけでなく日本全体が早く復興するように、
皆でやれる事をやっていきましょうね！
上のコメントで
>ブログはだんだんどうでもよくなっちゃったけど
と言う言葉を見つけて、ああ、私も同じようなものだなと思いました。映画ブログは、今年は順調だったのですが、今度の事で思わず停止です。でもトップの記事がヒアアフターで、なんとなく居心地が悪いのですよね。とりあえず画像は一枚削除したのですが。
「告白｣の映画のコメントは自分のところでさせていただいたので、思わず関係のないお話だけど、おしゃべりがしたくてしちゃいました。＾＾
「ニッポンはひとつのチーム」
みんなで頑張って元気出していこうと思います♪
こんにちは！
まだ映画の話をする気分じゃない所を、ごめんなさいね。
原作も読んだkiriyさんのお話は、いろいろ参考になりました。
確かに、大震災後から半月くらい、娯楽的な事は
全く考えられなかったんだけど、
今は映画を観たりブログを書いたり、
現実からちょっと離れている時間が私は欲しくなってきました。
ちょっとの時間だけね。
現実は逃れられないから直面しないと仕方ないけど、
あまりに頭の中で処理し切れない事が多くて、
本当に沈みがちになっちゃうでしょう。
こういう時間が持てる事に感謝しながら、
エネルギー補給して、元気に活動していこうと思います。
一昔前は邦画には目もくれなかったのに、最近は割りと見ています。
この作品エグかったですね。
先生の気持ちも分かるし、自分も被害者の身内だとしたら同じことをしたいと思ったでしょう。
つい最近も生徒たちの言葉の暴力で教師を自殺に追い込んだ事件がありましたしね。
人って何人か集ると途端に残酷になる。
色々考えさせられた映画でした。松さんの演技力の高さも見逃せませんね♪
お帰りなさ～い！
私も邦画を観るのは２０本に１本くらいかな？
話題作か、アカデミー賞関連くらい。なかなか食指が動きません。
これはすごい強烈な印象を残す作品でしたね。
犯人の少年は、ちょっとした間違いとか弾みではなくて、
少年法で守られている事を分かった上での計算をしていたので、
見ている私もこれはお仕置きをして当然って思いましたよ(^^；
そう思いながらも、先生やり過ぎじゃない？って驚きました。
一人じゃたいした事ができないのに大勢集まると残酷になる・・・
そういうのってよくあるし、見せつけられるとイヤですね～(- -；)
松たか子さん、冷たく熱演でした！
YANさん、こんにちは。
やっと、いろいろ話題に登った告白を見ました。
復讐劇としては、もっと凄惨な映画もあるので、
それほどに衝撃的ではなく、
日本映画もここまできたか、という同じ感想を持ちました。
それ以上に、凄いと感じたのは、
テーマがとても暗めなはずなのに、
娯楽映画というか、最後まで話の展開に目の離せない映画に仕上がってました。
青少年たちは当然未熟なのｆだから、
少年法で保護するだけではなく、
何かしらの教育というか導きが必要なのかもしれませんが、
学校教育が機能していなさそう、というのが問題なのかもしれません。
それじゃ、また。
こんにちは！
これは日本アカデミー賞でいろいろノミネートされて、
作品賞・監督賞など獲りましたからね、話題作ですよね。
扱っている内容は重くて暗いのに、POPさを加えて、
娯楽映画の演出になっていたのは、斬新でした。
爆発シーンはあまり好きじゃなかったけど、
最後まで、先生や生徒はどうなるのか、引き込まれましたね。
少年法で保護しかねるような事件が起きているのは事実なので、
そういう少年が出てこないように、学校教育もそうだし、
親もしっかりしなくちゃいけないんですよね。
殺伐としていると言うか子供が昔のように単純じゃないので、
表裏を敏感に感じ取る事も必要かもしれません。
今作は原作の方を先に読んだのですが、その内容にちょっとたじろいでしまいました。
そして今作を鑑賞したのですが・・・。
たしかに衝撃度で言ったら、結構レベルの高い作品だったのですが・・・。
ただ、あまりにもエンタメ的と言うかスタイリッシュに撮られた今作は、ちょっと原作に感じたリアリティには少し遠かったように感じました。
何でしょう、ストーリーの本質みたいなものを伝えることより、いかに視覚的に見せるかという事に特化した作品だったかと。
映画を先に観ておけばよかったです(´⊆｀*)ゞ
こんにちは！
そうですか、原作の方がリアルで強烈なようですね。
映画はリアリティを排除しスタイリッシュに撮って、
エンタメ風な仕上がりにしていました。
私はそこが斬新で面白い演出だと思いましたよ。
少年法の不条理や復讐の恐ろしさ、そして人間の未熟さ、
そのようなテーマはしっかり感じられたけど、
原作を読んだ方と読んでない者とでは、
感想が違ってくるのかもしれませんね～
本作に関しては、観てから読むほうが良かったのかも？
間違いなく、私の今年度の邦画第１位だろうなあ。ただし、そもそも、観る邦画の数は少ないんだけど。なーんてね。
原作→忘れた頃映画 という順番で見ました。
いやぁ～凄かったです。原作よりも映画の方が・・・。４つ★半
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2010年制作 邦
監督：中島 哲也
≪キャッチコピー≫
『告白が、あなたの命につきささる。』
≪ストーリー≫
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に...
暑い日々が続いているので、気分だけでも冷える映画をご紹介しようかと･･･
ホラーではないんですが、ぞぞっと底冷えしてもらえるんじゃないかと思います。
好きか嫌いか問われ...
