息もできない
2011-02-12(Sat)
もっと吐き出していいのに~! そんなに押し殺さなくても。
ヒリヒリする痛みが突き刺さってくる、
すっごくリアル感のある映画です!

監督:ヤン・イクチュン
製作:2008年 韓国
脚本:ヤン・イクチュン
出演:*ヤン・イクチュン *キム・コッピ *イ・ファン *チョン・マンシク
二人でいる時だけ、泣けた。
国際映画祭・映画賞で多くの賞に輝いた話題作。
監督・脚本・製作・主演を一人でやってのけているのに驚いた!
このヤン・イクチュンという人の才能がほとばしり出ている作品ですね。
まず、暴力シーンの迫力におののきます。
とにかく荒々しい。そして生々しい。(><)
殴っている音も、効果音のドスッとかバキッとかじゃなくて、
リアルな皮膚や肉の音なのだ。
ネタバレあります
ヒリヒリする痛みが突き刺さってくる、
すっごくリアル感のある映画です!

監督:ヤン・イクチュン
製作:2008年 韓国
脚本:ヤン・イクチュン
出演:*ヤン・イクチュン *キム・コッピ *イ・ファン *チョン・マンシク
二人でいる時だけ、泣けた。
国際映画祭・映画賞で多くの賞に輝いた話題作。
監督・脚本・製作・主演を一人でやってのけているのに驚いた!
このヤン・イクチュンという人の才能がほとばしり出ている作品ですね。
まず、暴力シーンの迫力におののきます。
とにかく荒々しい。そして生々しい。(><)
殴っている音も、効果音のドスッとかバキッとかじゃなくて、
リアルな皮膚や肉の音なのだ。
ネタバレあります
主人公サンフン(ヤン・イクチュン)は、借金の取り立てなど
ヤクザな仕事をしており、常に暴力を振るう荒っぽい男です。
その素行は、父が母と妹を死に追いやった事に起因していました。
暴力を憎んでいるはずの男ですが、やりきれなさに対する
怒りや憎悪から、自分も暴力に支配されてしまっているのは、
負の連鎖と言うのか、皮肉なものです。
その彼が気の強い女子高生ヨニ(キム・コッピ)と触れ合っていく。
ヨニはヤクザ相手にひるむ事がありません。
暴力に対して毅然たる態度を見せます。
反発し合いながらも、2人はどこか惹かれ合うんですね。
しかし、ヨニもまた悲惨な家庭状況で暮らしていた・・・(;´o`)
勝気の裏にあるものが、不幸な出来事や状況だったとは、
そんな弱さを微塵も見せないだけに、これまた凹む話です。
この映画で描かれている家庭内暴力は、どうやら
主人公達だけの特殊事情ではないような・・・?
サンフンの姉の家庭でも、債務者の家庭でも行われています。
家長制や徴兵制とも関わる韓国社会の問題が
背景にあるのかもしれませんね。
サンフンがただの血も涙もない男ではないと分かるエピソードが
いろいろあります。
ヨニや甥や姉に対する態度や、
父が死にかけた時の必死の行動など。
彼は人を傷付けたくて殴るわけじゃない。
だけどどうしていいか分からない。
漢江のほとりで心に傷を負った2人が声を殺して
泣くシーンは、心が震えたわぁ・・・(;_;)
事情を話しもせず、強く抱き合いもしない。
不器用な2人がそれぞれに悲しみを胸にしまったまま、ただ泣く。
もっと吐き出していいんだよ~~って、私も泣けました。
こんな素晴らしいシーンって、なかなか無い!!
ヨニの弟ヨンジュが借金取りに加わった辺りから、
それまでなんとなく抱いていたいやな予感が確信に変わりました。
サンフンが、大切な人達のためにまっとうに生きようと決心したのに・・・
この展開は、お決まりのパターンなので、
「やっぱりな・・・」と言う気持ちで、非常に残念だったなあ。
一つ一つのシーンが、すごく印象的でした。
主人公達が悲しみを一時忘れて町を歩く所は、
喧騒の中なのに音が無いんですよね。
後から思うと、温かいはずの交流シーンは哀しい。
病院でサンフンを囲んで号泣するシーンと、
焼肉店で皆が笑顔で楽しそうにしているシーンが、
交互に映し出されるのも、何とも言えない演出。
(ここにはサンフンが大切に思っていた人達が集まっている)
残ったヨニの心の傷は誰も知りません。
弟を介して主人公達が繋がっていた事も知りません。
やり切れない思いが残ります。
隠した痛みが生々しく突き刺さってくる作品でした。
ヤクザな仕事をしており、常に暴力を振るう荒っぽい男です。
その素行は、父が母と妹を死に追いやった事に起因していました。
暴力を憎んでいるはずの男ですが、やりきれなさに対する
怒りや憎悪から、自分も暴力に支配されてしまっているのは、
負の連鎖と言うのか、皮肉なものです。
その彼が気の強い女子高生ヨニ(キム・コッピ)と触れ合っていく。
ヨニはヤクザ相手にひるむ事がありません。
暴力に対して毅然たる態度を見せます。
反発し合いながらも、2人はどこか惹かれ合うんですね。
しかし、ヨニもまた悲惨な家庭状況で暮らしていた・・・(;´o`)
勝気の裏にあるものが、不幸な出来事や状況だったとは、
そんな弱さを微塵も見せないだけに、これまた凹む話です。
この映画で描かれている家庭内暴力は、どうやら
主人公達だけの特殊事情ではないような・・・?
サンフンの姉の家庭でも、債務者の家庭でも行われています。
家長制や徴兵制とも関わる韓国社会の問題が
背景にあるのかもしれませんね。
サンフンがただの血も涙もない男ではないと分かるエピソードが
いろいろあります。
ヨニや甥や姉に対する態度や、
父が死にかけた時の必死の行動など。
彼は人を傷付けたくて殴るわけじゃない。
だけどどうしていいか分からない。
漢江のほとりで心に傷を負った2人が声を殺して
泣くシーンは、心が震えたわぁ・・・(;_;)
事情を話しもせず、強く抱き合いもしない。
不器用な2人がそれぞれに悲しみを胸にしまったまま、ただ泣く。
もっと吐き出していいんだよ~~って、私も泣けました。
こんな素晴らしいシーンって、なかなか無い!!
ヨニの弟ヨンジュが借金取りに加わった辺りから、
それまでなんとなく抱いていたいやな予感が確信に変わりました。
サンフンが、大切な人達のためにまっとうに生きようと決心したのに・・・
この展開は、お決まりのパターンなので、
「やっぱりな・・・」と言う気持ちで、非常に残念だったなあ。
一つ一つのシーンが、すごく印象的でした。
主人公達が悲しみを一時忘れて町を歩く所は、
喧騒の中なのに音が無いんですよね。
後から思うと、温かいはずの交流シーンは哀しい。
病院でサンフンを囲んで号泣するシーンと、
焼肉店で皆が笑顔で楽しそうにしているシーンが、
交互に映し出されるのも、何とも言えない演出。
(ここにはサンフンが大切に思っていた人達が集まっている)
残ったヨニの心の傷は誰も知りません。
弟を介して主人公達が繋がっていた事も知りません。
やり切れない思いが残ります。
隠した痛みが生々しく突き刺さってくる作品でした。