沈まぬ太陽
2010-11-05(Fri)
重厚で壮大な作品!見応え充分★
腐敗した組織の中にいながら、
信念を持って不屈の生き方をした男の物語。
まさに渡辺謙さんに、打って付け!

監督:若松節朗
製作:2009年 日本
出演:*渡辺謙 *三浦友和 *松雪泰子 *鈴木京香 *石坂浩二
魂が、震える。
桜のマークの「国民航空」。
政府出資の特殊法人 NAL。
そしてジャンボ機墜落事故。と来れば、
どの会社をモデルにしているかすぐに分かりますよね。
けっこう過去の出来事と合致する部分があるし、
原作者の山崎豊子さんはいつも綿密な調査をして書くと仰ってたので、
一体どこまで事実に肉薄しているのか、そんな事がとても気になりました。
でも、最終的に、一人の男の生き様を描いた人間ドラマとして観ました。
これ、DVDなのにインターバルって事で、黒い画面のままの
10分間があった。(あと1分です、の字は出る)驚いた(≧ε≦)
ネタバレあります
労働組合の委員長の恩地(渡辺謙)は、空の安全確保のために、
過酷な労働条件改善を要求して勝ち取りました。
その活動のせいで、恩地は左遷人事の憂き目に遭い、
10年もの海外僻地勤務を強いられます。
冒頭にアフリカで象を撃つシーンがあったから、
(あのシーンはどういう意味だったの?)
アフリカに行くのは分かっていたけど、
最初はパキスタンのカラチだった。
2年だけの辛抱と言われていたのが、次はイランのテヘランへ。
アフリカ(ケニアのナイロビ)の前に
こんな長い我慢の年月があったとは、知らなかった。。。
会社の嫌らしいやり方に、もう腹が立って、
苦々しい思いで一杯になったわ・・・(- -;)
恩地のいない間に他の組合員も冷遇され、
会社寄りの新体制の組合が作られます。
副委員長だった行天(三浦友和)だけは
会社サイドに取り込まれ、出世の道を進んでいて、
これがまた憎たらしさにまみれたイヤな男になるんだよね~
物語は、対照的な恩地と行天の確執を中心に進んでいきます。
恩地は会社から詫び状を書けば国内勤務に戻してやると
言われるけど、会社のため社員のために闘ってきた事が、
間違っていたと認める気になれず、「書けない」と断ります。
その時に「矜持(きょうじ)が許さない」って言うんですよ。
自負・プライドという意味ですが、
自分の信念を曲げない、正しいと思う筋を通す、
最初から最後までこういう人なんです、恩地という人は。
家族も傷付いてバラバラになり、苦悩も大きかったはずなのに、
配置された海外支店では、くさる事なく、
真剣に仕事に取り組むんだから、えらいよね~
10年ぶりに日本に帰って来れば、
ジャンボ機が墜落する大惨事が起き、遺族係となります。
ここでの整然と並ぶ無数の棺桶には、ゾクッとしました。
恩地は遺族に対し誠実に向き合い、
何とか信頼を得た上で補償問題を進めていこうと、
時間と手間を惜しみません。
首相の命を受け、国見(石坂浩二)が会長としてやって来た時、
彼は恩地の人間性を買って会長室役に抜擢します。
この2人には同じ高い志を感じたので、
この先、会社を良い方向に導いて行くだろうと思ったんだけどな。。。
ところが、会社の不正を暴き始めたら、
その影響が政界にも及ぶ危険を察知し、
首相(加藤剛)は国見を更迭するのだ。
首相もいい人そうに見えたけど、自分の事しか考えていない。
大金が動く企業と政界の関係は、今さら驚きはないくらい
もう当たり前になってますね。
世の中を上手く渡っていくと言う事は、
清濁合わせ呑むと言う事なんですね。
だけど、恩地は濁には染まらず、その結果 苦境に
追いやられても、逃げずに生きてきました。
最初、「沈まぬ太陽」とは、
ナショナル・フラッグ・キャリア=日の丸を背負っているおかげで
潰れる事のない会社の事かと思っていました。
でも、恩地の信念を持った強い生き方・不屈の精神を
象徴したものでした。
利権に群がっていた経営陣や政治家達が
どの程度罰せられたかはよく分からなかったし、
恩地が勝利した形ではないので、
モヤモヤしたものが残る終わり方ではあるけど、
あの荘厳な太陽の光に少し救われたかな。
腐敗した組織の中にいながら、
信念を持って不屈の生き方をした男の物語。
まさに渡辺謙さんに、打って付け!

監督:若松節朗
製作:2009年 日本
出演:*渡辺謙 *三浦友和 *松雪泰子 *鈴木京香 *石坂浩二
魂が、震える。
桜のマークの「国民航空」。
政府出資の特殊法人 NAL。
そしてジャンボ機墜落事故。と来れば、
どの会社をモデルにしているかすぐに分かりますよね。
けっこう過去の出来事と合致する部分があるし、
原作者の山崎豊子さんはいつも綿密な調査をして書くと仰ってたので、
一体どこまで事実に肉薄しているのか、そんな事がとても気になりました。
でも、最終的に、一人の男の生き様を描いた人間ドラマとして観ました。
これ、DVDなのにインターバルって事で、黒い画面のままの
10分間があった。(あと1分です、の字は出る)驚いた(≧ε≦)
ネタバレあります
労働組合の委員長の恩地(渡辺謙)は、空の安全確保のために、
過酷な労働条件改善を要求して勝ち取りました。
その活動のせいで、恩地は左遷人事の憂き目に遭い、
10年もの海外僻地勤務を強いられます。
冒頭にアフリカで象を撃つシーンがあったから、
(あのシーンはどういう意味だったの?)
アフリカに行くのは分かっていたけど、
最初はパキスタンのカラチだった。
2年だけの辛抱と言われていたのが、次はイランのテヘランへ。
アフリカ(ケニアのナイロビ)の前に
こんな長い我慢の年月があったとは、知らなかった。。。
会社の嫌らしいやり方に、もう腹が立って、
苦々しい思いで一杯になったわ・・・(- -;)
恩地のいない間に他の組合員も冷遇され、
会社寄りの新体制の組合が作られます。
副委員長だった行天(三浦友和)だけは
会社サイドに取り込まれ、出世の道を進んでいて、
これがまた憎たらしさにまみれたイヤな男になるんだよね~
物語は、対照的な恩地と行天の確執を中心に進んでいきます。
恩地は会社から詫び状を書けば国内勤務に戻してやると
言われるけど、会社のため社員のために闘ってきた事が、
間違っていたと認める気になれず、「書けない」と断ります。
その時に「矜持(きょうじ)が許さない」って言うんですよ。
自負・プライドという意味ですが、
自分の信念を曲げない、正しいと思う筋を通す、
最初から最後までこういう人なんです、恩地という人は。
家族も傷付いてバラバラになり、苦悩も大きかったはずなのに、
配置された海外支店では、くさる事なく、
真剣に仕事に取り組むんだから、えらいよね~
10年ぶりに日本に帰って来れば、
ジャンボ機が墜落する大惨事が起き、遺族係となります。
ここでの整然と並ぶ無数の棺桶には、ゾクッとしました。
恩地は遺族に対し誠実に向き合い、
何とか信頼を得た上で補償問題を進めていこうと、
時間と手間を惜しみません。
首相の命を受け、国見(石坂浩二)が会長としてやって来た時、
彼は恩地の人間性を買って会長室役に抜擢します。
この2人には同じ高い志を感じたので、
この先、会社を良い方向に導いて行くだろうと思ったんだけどな。。。
ところが、会社の不正を暴き始めたら、
その影響が政界にも及ぶ危険を察知し、
首相(加藤剛)は国見を更迭するのだ。
首相もいい人そうに見えたけど、自分の事しか考えていない。
大金が動く企業と政界の関係は、今さら驚きはないくらい
もう当たり前になってますね。
世の中を上手く渡っていくと言う事は、
清濁合わせ呑むと言う事なんですね。
だけど、恩地は濁には染まらず、その結果 苦境に
追いやられても、逃げずに生きてきました。
最初、「沈まぬ太陽」とは、
ナショナル・フラッグ・キャリア=日の丸を背負っているおかげで
潰れる事のない会社の事かと思っていました。
でも、恩地の信念を持った強い生き方・不屈の精神を
象徴したものでした。
利権に群がっていた経営陣や政治家達が
どの程度罰せられたかはよく分からなかったし、
恩地が勝利した形ではないので、
モヤモヤしたものが残る終わり方ではあるけど、
あの荘厳な太陽の光に少し救われたかな。