4分間のピアニスト
2010-07-13(Tue)
ピアニストの映画と言うと、哀愁とか格調高さが
どこかにあるものじゃないです? それがない。
この映画の一番の印象は「激しい!」
主人公の破壊衝動、ピアノ演奏に溢れる激情に、圧倒されました。

監督:クリス・クラウス
製作:2006年 ドイツ
出演:*ハンナー・ヘルツシュブルング *モニカ・ブライブトロイ
弾く時だけわかる。何のために生まれてきたか。
常に牙をむいた野獣のような女囚人ジェニー(ハンナー・ヘルスシュブルング)。
青い瞳で他人を睨み付け、事ある毎に暴力を振るう。
忌まわしい過去や悲しい過去があって爆発してしまうのでしょう。
そんな彼女には人並み外れたピアノの才能がありました。
ネタバレあるかも
ピアニストだった彼女が、いつどこでケンカに強くなったんだろうと、
ちょっと有り得なさそうな設定に驚いちゃいました。
彼女には罪がないという話も出てくるけど、
あんなに凶暴だと刑務所入りも不思議はない(あ、ゴメン(^^;)
彼女は生きる希望を失っていたので自暴自棄になってたのね。
刑務所でピアノ教師を勤めてきたクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は
ジェニーの才能に目を付け、彼女を一流のピアニストにする事を、
先の長くない自分の人生の使命とします。
このクリューガーさん70%オジサンだよね(あ、ゴメンゴメン(^^;)
この老女にも胸に秘めた悲しい過去があり、贖罪の気持ちで
何十年も音楽のためだけに生きてきたのでした。
若くして処刑された恋人のハンナ。人生はこれからだったのに。
それに比べ、ジェニーは才能がありながら
刑務所でムダに過ごしているとは、惜しい。
人には成すべき使命があり、ジェニーの場合は
ピアノを演奏する事だとクリューガーは言います。
しかし、厳格で相手を服従させようとするクリューガー。
押し付けられたものに反発して破壊行動に出るジェニー。
異質の2人はぶつかり合い、心を通わす事は難しい~
近寄ったと思ったら遠ざかり、
一触即発の雰囲気でずっと緊張感が漂っていましたが、
ピアノを通じてだけは共鳴できてましたね。
クリューガーを以前から尊敬していた看守ミュッツェは、
才能がない故に相手にされず、嫉妬に歪みます。
凡人の悲しさで、踏んだり蹴ったりでしたが、
彼の使命は芸術ではなく他方面なんでしょう。
最後にはクリューガーさんに協力してくれました。
コンクール最終日。
ジェニーの4分間の演奏には衝撃を受けました。
封じ込める事の出来ない心の叫びのような音楽!
鍵盤だけでは納まらない荒々しい激情。
ジェニーは自分の音楽を、独自の表現方法で出し切ります。
それを見たクリューガーは、『やっちゃったよ。もうダメだ。』と
やけ酒をあおるんだけど、酔った(解放された)感覚で聴いてみた時、
心に響いてきたに違いないです。
それまで低俗な音楽としていたもの、
自分の価値観では認めていなかったものを初めて認め、
受け入れたんですね。
そしてそれまで誰にもお辞儀はしないと言っていたジェニーも、
深々とお辞儀をしクリューガーに敬意を払いました。
人々の拍手を聞きながら、自分の人生の使命を
強く悟った事でしょう。
これは2人の再生の物語でした。
2人が生まれ変わった瞬間の表情がとても良かったです!
どこかにあるものじゃないです? それがない。
この映画の一番の印象は「激しい!」
主人公の破壊衝動、ピアノ演奏に溢れる激情に、圧倒されました。

監督:クリス・クラウス
製作:2006年 ドイツ
出演:*ハンナー・ヘルツシュブルング *モニカ・ブライブトロイ
弾く時だけわかる。何のために生まれてきたか。
常に牙をむいた野獣のような女囚人ジェニー(ハンナー・ヘルスシュブルング)。
青い瞳で他人を睨み付け、事ある毎に暴力を振るう。
忌まわしい過去や悲しい過去があって爆発してしまうのでしょう。
そんな彼女には人並み外れたピアノの才能がありました。
ネタバレあるかも
ピアニストだった彼女が、いつどこでケンカに強くなったんだろうと、
ちょっと有り得なさそうな設定に驚いちゃいました。
彼女には罪がないという話も出てくるけど、
あんなに凶暴だと刑務所入りも不思議はない(あ、ゴメン(^^;)
彼女は生きる希望を失っていたので自暴自棄になってたのね。
刑務所でピアノ教師を勤めてきたクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は
ジェニーの才能に目を付け、彼女を一流のピアニストにする事を、
先の長くない自分の人生の使命とします。
このクリューガーさん70%オジサンだよね(あ、ゴメンゴメン(^^;)
この老女にも胸に秘めた悲しい過去があり、贖罪の気持ちで
何十年も音楽のためだけに生きてきたのでした。
若くして処刑された恋人のハンナ。人生はこれからだったのに。
それに比べ、ジェニーは才能がありながら
刑務所でムダに過ごしているとは、惜しい。
人には成すべき使命があり、ジェニーの場合は
ピアノを演奏する事だとクリューガーは言います。
しかし、厳格で相手を服従させようとするクリューガー。
押し付けられたものに反発して破壊行動に出るジェニー。
異質の2人はぶつかり合い、心を通わす事は難しい~
近寄ったと思ったら遠ざかり、
一触即発の雰囲気でずっと緊張感が漂っていましたが、
ピアノを通じてだけは共鳴できてましたね。
クリューガーを以前から尊敬していた看守ミュッツェは、
才能がない故に相手にされず、嫉妬に歪みます。
凡人の悲しさで、踏んだり蹴ったりでしたが、
彼の使命は芸術ではなく他方面なんでしょう。
最後にはクリューガーさんに協力してくれました。
コンクール最終日。
ジェニーの4分間の演奏には衝撃を受けました。
封じ込める事の出来ない心の叫びのような音楽!
鍵盤だけでは納まらない荒々しい激情。
ジェニーは自分の音楽を、独自の表現方法で出し切ります。
それを見たクリューガーは、『やっちゃったよ。もうダメだ。』と
やけ酒をあおるんだけど、酔った(解放された)感覚で聴いてみた時、
心に響いてきたに違いないです。
それまで低俗な音楽としていたもの、
自分の価値観では認めていなかったものを初めて認め、
受け入れたんですね。
そしてそれまで誰にもお辞儀はしないと言っていたジェニーも、
深々とお辞儀をしクリューガーに敬意を払いました。
人々の拍手を聞きながら、自分の人生の使命を
強く悟った事でしょう。
これは2人の再生の物語でした。
2人が生まれ変わった瞬間の表情がとても良かったです!
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ジャンル : 映画