レスラー
2010-02-24(Wed)
オリンピックもたけなわなので、スポーツものを観ようと思ったら、
本作はスポーツ根性ものじゃなくて、
目頭が熱くなる人間ドラマでした。

監督:ダーレン・アロノフスキー
製作:2008年 アメリカ
出演:*ミッキー・ローク *マリサ・トメイ *エヴァン・レイチェル・ウッド
人生は過酷である、ゆえに美しいかつて人気絶頂だったレスラーのランディ(ミッキー・ローク)は
今や年を重ね落ちぶれてしまったが、
地方興行で試合を続けている・・・
オープニングで昔の栄華を示すような数多くの新聞記事を見せてから、
いきなり20年後の、うなだれて椅子に座る主人公の後ろ姿を見せます。
哀愁漂う背中がすべてを物語っていて、いきなり胸にウッときた~
衰えに老い・・・悲哀に満ちています。顔を見るとボコボコに膨れていたりたるんでいたりで、
ハンサムだった頃のミッキー・ロークの面影は全くない。
ミッキー・ロークと主人公の人生が重なっていると聞いていたけど、
華やかないい時代があってその後挫折を味わった、
ミッキー・ローク自身がこの作品に説得力を持たせてるんですね~ネタバレありますでもその後 映画界に復活してきたから、
ランディも試合で勝って再び栄光を掴む話だと思ってました。
そこは違ってましたね。
勝ち負けは関係ないエンターテイメントのプロレスだから。
髪を後ろに束ねたヘアスタイルは、オバサンみたいでちょっと可愛い(^^;
可愛い人柄というのは、近所の子供やレスラー仲間から
好かれている事からも伝わってきます。
だけど自分の家族とは良い関係を築けていません。
それは、自らが家庭を顧みず好きな事をやってきたせいで、
自業自得と言えるんだよね・・・心臓発作を起こし手術した後、リングから去る事を余儀なくされます。
プロレス以外の世界で生きていかなくちゃならない となって、
気になっていた娘との関係修復を図ろうとします。
しかし、自分の愚かさで失敗してしまう。←この失敗はイタタ。
ランディと同じような境遇のヌードダンサーのキャシディ(マリサ・トメイ)も
ダンサーとしては盛りを過ぎていても、
その仕事から離れられないでいます。
似た者同士の2人は惹かれ合うけど、
微妙にタイミングがズレてしまうんですよね。
スーパーでのアルバイトも面白くなく、やっぱり自分には
リングの上しかないと居場所を再確認するランディ。
「俺にとって痛いのは外の現実の方だ」この言葉は悲しく辛く響いてくる~~
もう満身創痍でガタガタなのに、それよりも現実の方が痛いなんて。
でも、要領良くは生きられない、自分にはプロレスだけだと
燃え尽きる場所をしっかりと認識した姿は輝いて見えました。切なさもあるけど、なんか称えたいような気持になって、
ラストは感動がジワリと押し寄せてきたなあ。(;_;)
ランディの心情の吐露は一切無くて、
手持ちカメラで淡々と映し出していくのは、
一人の男のドキュメンタリーのようで
生き様がひしひしと伝わってきました。
ミッキー・ロークだからこそ の作品でしたね。
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画
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コメント
これはミッキー・ローク以外には考えられない役ですよね~!
ミッキー・ロークの栄華を極めた時代と、現在の彼。
これがどうにも重なって見えて・・・
逆に、全然彼の事を知らない人(10代の子とか)が観たら
どう感じるんだろう?
それを抜きにしてもいい作品ではあると思うけど・・・
そうなのよね、自業自得だし(家族を大切にしなかったのは彼自身)、せっかく修復出来そうだった娘との約束も、結局彼が台無しにしちゃって・・・。
そこのところを、やっぱり家族捨てたくせに今更・・・って事で冷めて見ることしか出来なかった・・って方もいらっしゃって、それももっともだな~って思うんだけどね・・・。
なんか、この哀愁あるオッサンに、涙がでちまうんですよー。
ところで、行政の方、変わったんですね・・・。
私ね、つねづね思うんですよ。政治改革とかなんとかで、絶対に、老後の事、病院、介護、そういう方になんでもっと国は、お金をかけられないのかな?って。(もっとそっち方面にかける資金を増やして欲しい!!)
こんなこと言っちゃなんですが、日本って他の国を助けるお金とか莫大に払ってますよね、それは良い事なんだけど、自分の国の人たちをまず守ってから、次に他の国・・ってのが、物事の順番なんじゃないのかなー!って(政治の事、全然しらんのに、エラソーな事言ってすいません)
味が出る作品かも知れませんね。
ただ夢眠はこの俳優さんをイマイチ視野に入れてないので…
ただこう言う生き方しか出来ない”男性”って居てる気がします。
女性のほうが柔軟かも?人によるとは思いますが…」
が、だぶる映画でした。
我が家の昨年度主演男優賞ですけど、他に並ぶ者がなかったせい。個人的には、それほど好きでもない人なんですよ。
ミッキー・ロークだから観ようとは、ちっとも思わないし。
それでも、感心させられたから、やはり、お見事、ということですね。
もうちょっと、人生たそがれたときに、もっともっと身にしみて感じるかも!(笑)
これだけのハマリ役がよくあったもんです。
人生そのものが良い具合に重なってましたね~
整形はこの映画のためにしたわけじゃないですよね?
顔の感じもレスラー役にぴったりハマッてました。
ミッキー・ロークの人生抜きにしても、
落ちぶれた男の生き様として感動できるとは思うけど、
彼の事を知っていたら、胸に迫ってくるものの大きさが全然違うよね。
私は、「今更・・・」って冷めた目で見る事はなかったですよ。
自業自得ではあるけど、その要領の悪さがまた憎めなくて悲しいと言うか。
娘との約束を忘れたのも『バカだな~』って同情したくなっちゃった。
娘に対する気持ちは充分あるのに、肝心な時に見せられないなんて不器用だね~
介護認定の基準が厳しくなって、ランクが下げられてしまいました。
そのせいでデイサービスの回数や通院の介助が減らされちゃって。。。( ̄∇ ̄*)
医療や介護の事をもっと充実させないと、誰もが安心して暮らせないですよね。
なにもサービスを削減しなくてもいいと思います。
せめて今まで通りに戻してくれれば助かるんだけどなあ~
latifaさん、私の気持ちを汲んで、行政に対しての疑問を
言葉にしてくれたんですよね、ありがとう。
ミッキー・ロークだからというのは、すごく大きかったですよね。
哀愁がとても出てました。
男性のほうが家庭を考えずにいられる事が多いので、
自分の好きな事に夢中になる、またはそれしか出来ないという人
いるでしょうね。気が付いた時には他の物を失っている。
確かに女性の方が広く対応できるような・・・?
ボーさんちの昨年度の主演男優賞でしたね~
作品賞ではそれほど上位じゃなかったんでした。
私も「ナインハーフ」あたりはセクシーな2枚目でいいと思ったけど、
特に好きなタイプじゃないなあ・・・(^_^;
ただ、苦労人は好きなので、そういう点で頑張ってと
応援したくなる人ですね。
そうそう、人生たそがれた時のほうが
より共感できて強く心に残るかもしれませんね。
YANさん、こんにちは。
この映画、良かったですね。
家族との関係を上手に築けなかったのは、
確かに自業自得的なところはあるのですが、
きっと、彼にとっては現実の方が痛かったんでしょうね。
誰だって完璧に人間関係をこなせるわけはなく、
失敗に対する痛みを伴うのでしょうが、
ナイーブな彼には、それが耐えられず、さらに、
絶えられないからこそ、逆に遠ざかってゆく、
そんな風に思えてなりませんでした。
最後のダイブをする直前、
ランディーがチラッと観客席を見て、
そこにさっきまで居たキャシディがいないのが分かったとき、
ニヤっと笑うシーンが素晴らしい。
だからこそ、ラストのダイブも神々しく見えてきました。
それじゃ、また。
こんにちは!
レスラー仲間とは上手にいい関係を築けていましたよね~
昔の栄光で、そこそこ尊敬されていたからでしょうね。
でも家族にとっては強いレスラーよりもいい父親でいてほしかったでしょうから
そのあたりですれ違ってきたんだと思います。
プロレスの世界ばかり見てきたランディは、
現実の世界での付き合い方が分からず失敗を重ねて
痛みが大きくなってしまいましたね。
ヤンさんの言う通り、ナイーブで傷つきやすく、
現実の痛みには耐えられない人でした。
あのラストのダイブの表情がとても満足そうで素晴らしかったですね!
そこですごく胸が熱くなりました。
終わってしまいましたね~ぇ
オリンピック三昧してましたo(^▽^)o
明日はレンタルセールでウルヴァリンを借りたいです!!
この作品で完全復活したMローク
人生そのもののようですよね
自業自得なんだけど娘とうまくいって欲しかったな~ぁ
惣菜窓口で働く姿が笑えたよ(^~^)
私も森子さんと同じくオリンピック三昧でしたよ~(^_^)
閉会式でマイケル・J・フォックスが元気な様子を見せてくれたのは
感激だったわ~!
そろそろ、映画も観たいところなので、ボチボチと。
ランディと娘との関係はどうなのかなあ、多分ダメだよね。。。
彼が生きられる世界はプロレスの世界だけだったと分かったもんね。
総菜売り場ではけっこうファンキーにやってて面白かったです(^▽^;)
YANさん、こんにちは!
実はYANさんとほぼ同じタイミングで観たんですが、
なかなか記事が書けずコメントも今日まで取っておきました。(笑)
>切なさもあるけど、なんか称えたいような気持になって
正にその通りです。ランディはダメダメな所もあるけど、
じゃあ自分を振り返った場合にどうなんだ?というと
かなわない部分がかなりあるんですよね。
「レスラー」という1点においては素晴らしい人で、だからこそ
仲間にもファンにも愛されてるんですよね。
自分ももっとしっかり生きなきゃと思いました。
こんにちは!
同じタイミングで気が合いましたね~(^_^)
ランディの生き方、感動的で良かったですよね。
『自分にはこれだ』と、死んでも本望と思えるくらいの
道を行くなんて、なかなかない出来ない事だもの。
レスラーとして、自分の身体がどうなっても
本当にファンを楽しませたいと考える熱い人でしたね。
私もそこまで真剣に生きてないなあ・・・(^^;
見習わなくちゃいけない部分もありますね。
ランディのような生き方はよほどの決意がないと、
なかなか真似できることではありませんよね。
不器用なランディでしたが、
1つのことに情熱を傾ける彼が羨ましく思えました。
こんにちは!
彼の不器用な生き方は良いか悪いか何とも言えませんが、
あそこまで打ちこめる世界があるのは、羨ましいですね。
本人にしてみたら本望だろうし
見ているこちらも感動しましたね。
ミッキー・ロークがはまり役でした。
YANさんこんにちは
この作品評判がいいのでものすごく期待してたんだけど
私、プロレスがだめなんで、感動できんかったー
他の分野だったら応援とかできたかも
そうなの自業自得なのよ
人生自分がやってきたことは必ず跳ね返ってくるからね
似たもの同士に思えるキャシディとうまくいかなかったのも
彼女は息子のために身を粉にして働いてお金をためて
環境を少しでもよくしようとしてる
家庭を顧みない男とはやはりうまくいかないよね
そういうところ彼女は見抜いたんだと思う
感動まで行かなかったし、まったく泣けませんでしたが
観てよかった作品です
こんにちは!
私もプロレス自体はちょっと苦手~
けっこう痛そうで顔をしかめたくなるような
シーンがあったよね~
主人公みたいに身体を傷付けてもその世界のほうが安住できて、
現実のほうが痛いって言うのが、哀しさが上手く出ていて、
物語上プロレスの効果はあった気がするなあ。
キャシディのほうは、女だから母性本能があって
「息子のために」という思考になるけど、
男はその点 自分の好きな事に走り易いよね。
現実からは弾かれても、自分の世界があるなんて
ある意味幸せな人だよね~
家族や恋人にしてみたら最悪なんだけど(≧ε≦)
最近になって見ました。
いい映画でした。若い頃大人気だったミッキー・ロークを知らないからその部分での感慨は薄かったですが。
以前から色々出てた印象はあります。
「マイ・ボディガード」「レジェンド・オブ・メキシコ」にも出てたし、「スパン」(トレインスポッティングをもっと明るくしたような作品)っていう映画では昨年逝去されたブリタニー・マーフィと歳の差カップルを演じてました。
どうにも男性がくたびれつつある日本。(海の向こうでもそうなのかなあ)
でも、人生も何もかもうまくいかなくても最後の最後で「俺って幸せ」って思えれば、自己満足かもしれませんがそれはそれでいい人生なのかなって、そんなことを思ってしまう作品でした。
こんにちは!
ミッキー・ロークは最近になって、また蘇ってきましたね。
レスラーのような風貌を活かして「アイアンマン2」にも出てたし。
新しい俳優人生を楽しんでいるかもしれませんね。
日本は確かに男性の元気が無いかなあ~
若者は草食系だし、大人にしてもやる気を失くしているからね。
主人公は、これが好きだ!というものがあったから幸せだったんですよね。
これのためなら命をかけてもいいと思え、
最後の時まで情熱の全てを傾ける事が出来た。
そういうものを持っていた事が幸せでしたね。
はじめまして
レスラー人生もピークを過ぎ、娘とは絶縁状態、ステロイドの影響で心臓は弱っているありさまの中年レスラー ランディー。
>気になっていた娘との関係修復を図ろうとします。しかし、自分の愚かさで失敗してしまう。←この失敗はイタタ。
そうなんですよ・・・娘との約束すっぽかすのは さすがにマズイよ~(´Ц`)
自分には「この場所しかない」不器用な生き方しかできないランディーは やはり 悲しい男です。
はじめまして、御訪問ありがとうございます!
栄光の時代もあったようだけど、
落ちぶれた背中が悲しさを醸し出していましたね。
ミッキー・ロークが実にハマり役でした。
大事な娘との約束を破るつもりはなかったんでしょうけど、
そこが上手く出来ないのが、また不器用な人で・・・(^^;トホホ
それでも、自分にとって燃え尽きてもいい大切な場所があったのは、
無い人よりはずっとずっと良いですよね。
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2008...
2008年制作 米
監督:ダーレン・アロノフスキー
≪キャッチコピー≫
『人生は過酷である、ゆえに美しい。』
≪ストーリー≫
80年代に大活躍したプロレスラーのランディ・ロビン