チェイサー
2010-01-13(Wed)
なんて陰惨なんだ・・・
凄まじいチェイスを繰り広げる本作は
暗くて狂気に満ちています。
でも、その中にも人間愛があった。
2004年に起きた実際の事件を基にした話です。

監督:ナ・ホンジン
製作:2008年 韓国
出演:*キム・ユンソク *ハ・ジョンウ *ソ・ヨンヒ *チェン・インギ
漆黒の闇を疾走する戦慄のクライム・サスペンスの傑作、誕生。もう初めから猟奇殺人シーンを生々しく見せるので、
コイツが間違いなく頭のおかしい殺人者だと分かります。
そして意外な事にアッサリと警察に捕まるの。
しかし「
殺した」と自供しているのに、確証がないために、
拘束できないとくる!
この時のイライラと苦々しさったらない!この男ヨンミン(ハ・ジュンウ)は、とんでもない事をしていながら、
全く罪の意識がなく、シラ~ッとしているのが、
鳥肌が立つくらい不気味!
最近は、こういう理由もなく人を殺す者が増えていますね。
恨み・憎しみの動機がないって事は、こちらがまともに
暮らしていても、
どこかで出くわす危険があるって事です。
底知れない恐怖を感じる・・・ネタバレあります一方、自分が斡旋しているデリヘル嬢を売り飛ばされたと思い、
ヨンミンを追うジュンホ(キム・ユンソク)は、
最初はお金の事しか頭にない、ゴミと呼ばれるくらいの
ヤクザな男でした。
デリヘル嬢ミジンの娘と会ったあたりから、
徐々に変化していきます。
商品としてしか思っていなかった女にも家族があり、
人間としての生活があった事を知ったからでしょう。あと、ヨンミンの甥を見た時の打ちのめされた表情からも、
ジュンホはいい加減に見えても人間性を持った男だと分かります。ヨンミンが危ないヤツだと感じ始めたジュンホは、
ミジンをそういう男に会わせた事を
後悔する気持ちが芽生え、
娘に母親を返してやりたいという思いに突き動かされ、
徹底的にヨンミンを追います。
元刑事というのが活かされていて、
タフだし、腕力が強いし、追跡法を知っています。
あの重そうな身体でよく走れるなあと感心。(≧ε≦)
このキム・ユンソクはいい味を出してたね~★
それにしても警察は不甲斐ない姿をさらすのみ。
保身だったり手柄を焦ったり、その割には後手後手。
アテにできないから、ジュンホは証拠品の鍵束を
渡さなかったのか?
そう言えば、犯人も鍵なしで自宅に戻っていたのも気になった。
最後の2人の格闘は実に凄まじかった!手に汗握るとはこの事。
雑貨屋のくだりもショッキングだったなあ・・・
もう、虚無感でいっぱいになった・・・
でも、私にとって最悪なのは、「殺人の追憶」「セブン」の
パターンだったから、それだけは避けられてまだ良かったです。
一生檻の中で、自分が犯した事を考えながら
苦しんで生きていきなさい。
ジュンホの執念が勝ったけど、やり切れなさが残りました。
なんか敗北したような気持ちになりました。
女の子の鳴き声を雨音で消したのは素晴らしい演出でしたね。
ラストの病室のシーンにも人間愛を感じましたよ。
ずっと目が離せない勢いのある作品でした。
テーマ : 個人的な映画の感想
ジャンル : 映画
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コメント
YANさんこんにちは
いやいや、自分の犯した罪なんて考えそうになくね??
彼はなんだか何かがあってああいう人間になったのではなく、生まれつきそういう脳に生まれてきた気がする
そういう人っているんじゃないかなぁ、もしかして
実際にあった事件なんで、捕まえたとしてもこの映画のとおりな警察なら
完全に警察の落ち度だよね
だって絶対殺人者なんだし、まだ誘拐されてみつかってない人いるし、「まだ生きてる」まで聞いてて
女の刑事ひとりで尾行とかありえなーーい
ジュンホの今後が気になります
犯人よりジュンホが罪の意識を感じながら生きていくってやりきれないわ
こんにちは!
うん、あの男は罪の意識なんて全くないよね。
だから不気味で底知れない恐怖を感じさせるんだと思う。
最近はそういう人の犯罪が増えていると感じるよね。
韓国では死刑がないから、一生檻の中にいるのは間違いのない事で、
その間にずっと「自分のやった事を反省しろ」と
言われ続けて生きるわけですよ。
真の反省はしないとしても、何かしら考えずにはいられないでしょう。
ジュンホがあやめるか釈放となる最悪パターンじゃなくて良かったと思うの。
信じられないくらいのダメ警察だったね!
あまりのモタモタに私もイライラしっぱなしでした。
ジュンホは贖罪の気持ちもあって、犯人を執拗に追ったんだよね。
その執念は実ったし、(女性の死はあったけどね)
女の子も面倒みて やれるだけの事はやったから、
そんなに背負わなくていいってと、私は言いたいけど、
本人がどれだけ立ち直れるか、それは気になるね~
悪い人より良い人のほうが責任を感じるものだよね・・・
YANさん、こんにちは~!
これ、ごらんになられたんですね・・・。
>最悪なのは、「殺人の追憶」「セブン」のパターンだったから
解る~!私もハッキリしない、ああいうラストはスッキリしないです^^
この映画、去年のベスト映画の上位に入れているブロガーさんもかなり多かったみたいですね。
私も面白かったんだけれど、楽しむというよりは、イライラさせられちゃって・・・(^^ゞ
でも、骨太な映画で、韓国映画もがんばってるなー!って感じました。
PS 天使と悪魔、私は本も映画も途中で挫折しちゃったんです・・・。ダヴィンチコードもダメだったのですよ、、、どうもああいう外国の壮大な物語は、苦手なのかな・・・残念です・・。
こんばんわ、YANさん!
これ、あたくしのよく利用してるレンタル屋さんの
おススメランキングTOP10に入ってる作品なんですが、
なかなか人気作のようですね!
実際にあった事件を基ににて作られてるみたいなので、
尋常じゃないくらいリアルなのかな?
後ほどチェックしてみたいと思います♪
私も、チェイサーの記事、出しました。
ありきたりな実在事件の映画化にしてないところが、すごいですね。
あっさりと捕まって、目の前にいるものと違うものを追いかけるという
このアイデアが素晴らしいです。
だから、チェイサーか、なるほど、と思いました。
かなり、いらいらし、あせる映画ですよね。
警察は、頼りないし、雑貨屋さんのおばさんも、しょーもないこと言うので。
えっーというものに、なってしまう。
力つきたという結末が、悲しいですね。
こんにちは!
「殺人の追憶」・・今でものうのうと生きてるんでしょうか・・・
「セブン」・・・人に殺させ罪を負わせて、事件の事はウヤムヤ・・
こういう最後だけは絶対にいやですよね!
それに比べたらマシという程度の後味の悪さだったけど。
これは楽しむという感覚じゃないですもんね~
苛立ちに腹立ちはもちろんの事、焦燥・執念・後悔・懺悔など
観ている間、いろんな感情が渦巻いてましたよ。
この手の韓国映画ってすごく強烈な印象を残しますよね。
復讐3部作も観たけど、「オールドボーイ」なんて忘れられません。
「天使と悪魔」「ダヴィンチ・・・」は苦手な感じでしたか?
宗教や芸術絡みのものはlatifaさんの好みかなと思ってたので意外です。
こんにちは!
本作が人気あるなんて逆に私は知りませんでした。
でも注目されてもおかしくはないでしょうね~
実際にあった事件を基にしたという部分で、
「殺人の追憶」を思い出し、それが好きだったので
観てみようと思ったんです。
殺人シーンが生々しいと書いたけど、
直接的な描写は割と避けてありましたよ。
何と言うか、観ているこちらにリアルな感情が湧いてきます。
こんにちは!同時期の鑑賞だったようですね!
どす黒い雰囲気や思わぬ展開がインパクトありましたよね。
>目の前にいるものと違うもの
主人公がなんとしてでも探し出したかったのはミジンでした。
怪物とミジンを会わせてしまった事に重い責任を感じてましたね。
どこまで実際の事件と同じなのか分かりませんが、
普通警察だったらここを探すんじゃない?とか、もっと早く到着してよとか、
突っ込みたくなる所がかなりあって、イライライしましたよ!
もっとしっかりしてたら、助けられたのにね・・・悲し過ぎます。
韓国映画って残酷よね~ぇ
TVドラマは純愛ものが多いようだけど見た事がないのよ(^o^;)
最近レンタル屋は韓流コーナーが広いったら!
これ実話が基になっていたの~ぉ
ディカプリオ主演でハリウッドリメイクされるようだけどレオが変人役な訳がないよね?
日本も残酷な殺人事件が多くなって“安全な国”ではなくなってしまったね
ええ~っ、氷点下12度~?!
森子さん、生きてますか?大丈夫?
私も韓流ドラマは全く観た事がないです。
韓流ファンの女性ってすごいパワーだよね~
どこへでも追いかけていくでしょう、感心しちゃう。
そのためか、こちらのレンタル店でも範囲が広くなったー
本作は2004年のユ・ヨンチョル事件を基にしてるらしいです。
日本でもこのような事件が時々ありますよね・・・
これは、リメイクしてほしくないなあ。
ハリウッドの雰囲気とはかなり違うもの。
私も観たので、やっとYANさんの記事が読めます(^^;
うんうん、そうそう! 捕まえたのに釈放だなんて~とか
イライラしっぱなしでした!
リメイクはやっぱディカプリオが元刑事かな~
でも私も、ハリウッドで作ったらありきたりな事件モノになってしまいそうで
特にリメイクする意味は無いんじゃないかと思いました。
この陰惨な雰囲気は独特でしょうから★
『母なる証明』も観たいです♪
韓国映画は強烈なのが出るね~~
記事をわざわざ探してたくさんのコメント、感激だわ~!
なんか時間を使わせちゃって、恐縮です。ほんとありがとう★
とことん陰惨な話だったよね・・・
こちらは犯人が分かっているから、警察のドン臭さにイライラ!
だいたい、車が放置されてた地区を上から眺めたら、
死体を埋められそうな場所ってあの庭だと思いつきそうじゃない?
GoogleEarthでもヘリでも分かるのにね~
リメイクの話は進んでるんでしょうか。
何でもかんでもリメイクって・・・呆れちゃいます。
韓国の実話から作った映画なんだし、雰囲気が違うし、
これはリメイクする必要ないよね。
「母なる証明」わさぴょんさんの感想を待ってま~す★
「親切なクムジャさん」と同じ豆腐ケーキ出てくるよん(^_^)
YANさん、こんにちは!
先程はコメントいただき、ありがとうございました。
今週末はとてもいい天気ですね☆
>雑貨屋のくだりもショッキングだったなあ・・・
もう、虚無感でいっぱいになった・・・
あのシーンはショックでした。
助かったと思っただけに、余計に衝撃的でしたよ。
>ジュンホの執念が勝ったけど、やり切れなさが残りました。なんか敗北したような気持ちになりました。
犯人が逮捕されたことが唯一の救いでしたよね~。でも、なんともやりきれない気持ちが残りました。
こんにちは!
全国的に穏やかな天気が続いていて過ごしやすいですね。
雑貨屋のシーンは、せっかく逃げ出す事ができたのに、
なんというタイミングの悪さだったんでしょう。
ほんとに残念な結果になってショックを受けました。
あれで犯人が逮捕されなかったら、チョー最悪ですよね!
それでも、やりきれなさがどうにも残ってしまう結末ですが、
全体的に凄味があって強烈な作品でしたね。
YANさん、こんばんは!
本当に凄みがあって、強烈な作品でしたね。私もオールド・ボーイを
思い出しました。ジュンホ役の俳優もいい味出してました。
韓国の役者というとヨン様をはじめとするきれいめなイメージが強いですが、
この人といい、ソン・ガンホといい、演技で見せるタイプの方が
圧倒的に印象に残りますね。
ジュンホは確かにミジンや娘のために、人間らしさを取り戻していきましたが、
元はかなりひどい人間ですよね。でも、やっぱり魅力的というか
応援したい気持ちになりました。勿論、頼りになるのがジュンホだけ
だからというのも大きいけど。
こんにちは!
「オールド・ボーイ」も強烈な作品でしたよね~
あの主演のチェ・ミンシクも印象に残る人だったけど、
なぜだか最近見ないんですよね~ どうしたんだろう。
韓国は映画とドラマとで、ターゲットを分けているみたいで、
ドラマには全く興味を持てないけど、映画は強力ですよね!
ジュンホは最初ひどい人間だったけど、
それに対応するヨンミンがあまりにも気味悪く心ない奴なので、
ジュンホの人間臭さがだんだん魅力的に見えてきました。
どんな生き方をしていてもたいていは人間性を持っているものだと、
ジュンホを通して多少の救いを描いていた気がします。
やり切れない現実の、恐ろしさ・悔しさがたまらない作品でしたね。
湿気た空気がまたなんともいえませんでした。そして、生あたたかいんです
ジュンホの心の変化が丁寧に描かれていて、
それと間逆な大味な行動の警察の怠慢さに、もどかしさが募ってたまりませんでした
私も雨の中のシーンは非常にドラマチックに思えました。
一体どう終わるのか、気の抜けない作品でしたね
リメイクの件ですが、どうなってるのでしょうね
やはり、ディカプリオがジュンホの役回りをやるのだろうか。
…う~ん…最近のハリウッドの流行の他国借りリメイクですが、あまりしてほしくないなあと思います
でもリメイクされたらきっとまた観ちゃうんでしょうね★
こんにちは!
makiさんが書かれたような、嫌な感情をずっと引きずってしまいます。
実話というだけあって、生々しい空気感が漂ってましたね。
こういう犯人が存在する事、警察が怠慢な事、女性を助けられなかった事、
それらに苛立って、やり切れなさが残りました。
こちらの感情をかき乱すような強烈な作品でしたね~
韓国映画は、勢いがあって凄まじいです。
こういう韓国独特のムードは、
ハリウッドでは出せないような気がするんですよね・・・
私も、最近流行のハリウッド・リメイクには賛成しかねます。
まだ、本作のリメイクの話があるのかな?
やっぱり気になるんだけど、最近はパスする事もありますよ。
「ファニーゲームUSA」とか「esエス」のリメイクの「エクスペリメント」
などは、もう観ませんでした。
本作は・・・ディカプリオだったら観ちゃうかも(^▽^;)ダハッ
骨太で、とても迫力があって、凄く面白かった。でも、途中からイライラしっぱなしだった~。
力強い。
10か月に21人を殺害した疑いで逮捕された、韓国で“殺人機械”と言われた連続殺人鬼ユ・ヨンチョルの事件をベースにした衝撃の...
シネ・ヌーヴォで「韓国映画特集2010」が今日から始まりました。
「チェイサー」はまだ見たことがありませんでした。
「殺人の追憶」を連想さ...
実際の事件をベースとした作品です。軽い序盤から重厚な作品へ…
やり切れない現実の、恐ろしさ・悔しさがたまらない。風呂場でのカナヅチとノミを使った犯行から、なんともいえない湿気た空気感が漂う。全体に暗いトーン、絶望的なストーリーと、演出もよかった。大味な...