ヒストリー・オブ・バイオレンス
2009-10-13(Tue)
「イースタン・プロミス」を観た時に、
同じクローネンバーグ監督とヴィゴ主演だからという事で、
いろいろな人から勧められた作品。
家庭が舞台だし、内容はコンパクトながら濃密★
私はこちらの方が好きだなあ。

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:2005年 アメリカ・カナダ
出演:*ヴィゴ・モーテンセン *マリア・ベロ *エド・ハリス *ウィリアム・ハート
あなたは本当に人を殺してきたの?
主人公トム(ヴィゴ・モーテンセン)は、妻と2人の子供と
幸福な生活を送っていた。
ある夜、経営しているダイナーが2人組の強盗に襲われる・・・
この2人組に関しては、冒頭モーテルから出てくるシーンで
いかに暴力に漬かりきって罪の意識のない タチの悪い奴らか、
というのをサラリと見せています。
そんな強面の男達に襲われた時、
トムは実に素早い動きでかわして、逆に仕留める。
只者じゃないと思いましたよ。
これがボーンだと、隠れた潜在能力にカッコイイって思う所だけど、
彼が見せるのは、そんな爽快感のある達人の技じゃなくて、
リアルな獣の本能なんですよね。
そこから、様々な暴力が描き出され、
家族の中に不穏な空気が流れ、幸福が崩壊していきます。
だんだんと明らかになる真相に引き込まれるんですよね~
ネタバレあるかも
トムは平凡な暮らしを願って過去と決別しました。
最初のうち、記憶喪失か?と思ったくらい、
ジョーイは全く顔を出しませんでしたよね。
しかし、家族に危険が及んだ時、皮肉にも彼は現れました。
平和な生活を守るため、自分自身を守るため、
相手を傷付けた場合、どこまでが正当防衛で
どこからが暴力なんだろう。その線引きは難しい。
彼も息子も、自分から仕掛けたわけじゃなく、
追い込まれて手を出してしまうんだけど、
トムの場合、だんだん程度がエスカレートしていっています。
自分の過去と向き合って清算するために、
より激しい暴力を用いなければならない矛盾。
悲劇的な方向に向かっていってる重苦しさが漂う作品ですね。
トムの中にジョーイがいるのを知ってしまった家族は、
長年過去を隠されていた事、
それも血塗られた暴力の過去を秘密にされていた事から
信頼が揺らいでいくんですね。
「イースタン・プロミス」と同じように、
ラストがまた、観る人に解釈を委ねる形になっています。
いったい、この家族はどうなってしまうのか?
夫婦に関しては、階段で絡み合うシーンにヒントがあると思いますが、
妻は夫がジョーイであると分かっている時に、
身体がそれを許して受け入れているんですよね。
希望も含めて、葛藤しながらも愛していくような気がするんだけど。
しかし、暴力の歴史は封印したと思っても、
フィラデルフィアではずっと消える事がありませんでした。
これからもきっと。この後、兄たちの死体が出たら・・・
どうも悲劇的な臭いがする。
ヴィゴはトムになったりジョーイになったり、
目の鋭さで二面性を上手く出してましたね。
マリア・ベロも微妙な心の動きを見事に表現していたし、
エド・ハリス、ウィリアム・ハートら名優の
ふてぶてしい演技もたまりませんでした。
同じクローネンバーグ監督とヴィゴ主演だからという事で、
いろいろな人から勧められた作品。
家庭が舞台だし、内容はコンパクトながら濃密★
私はこちらの方が好きだなあ。

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:2005年 アメリカ・カナダ
出演:*ヴィゴ・モーテンセン *マリア・ベロ *エド・ハリス *ウィリアム・ハート
あなたは本当に人を殺してきたの?
主人公トム(ヴィゴ・モーテンセン)は、妻と2人の子供と
幸福な生活を送っていた。
ある夜、経営しているダイナーが2人組の強盗に襲われる・・・
この2人組に関しては、冒頭モーテルから出てくるシーンで
いかに暴力に漬かりきって罪の意識のない タチの悪い奴らか、
というのをサラリと見せています。
そんな強面の男達に襲われた時、
トムは実に素早い動きでかわして、逆に仕留める。
只者じゃないと思いましたよ。
これがボーンだと、隠れた潜在能力にカッコイイって思う所だけど、
彼が見せるのは、そんな爽快感のある達人の技じゃなくて、
リアルな獣の本能なんですよね。
そこから、様々な暴力が描き出され、
家族の中に不穏な空気が流れ、幸福が崩壊していきます。
だんだんと明らかになる真相に引き込まれるんですよね~
ネタバレあるかも
トムは平凡な暮らしを願って過去と決別しました。
最初のうち、記憶喪失か?と思ったくらい、
ジョーイは全く顔を出しませんでしたよね。
しかし、家族に危険が及んだ時、皮肉にも彼は現れました。
平和な生活を守るため、自分自身を守るため、
相手を傷付けた場合、どこまでが正当防衛で
どこからが暴力なんだろう。その線引きは難しい。
彼も息子も、自分から仕掛けたわけじゃなく、
追い込まれて手を出してしまうんだけど、
トムの場合、だんだん程度がエスカレートしていっています。
自分の過去と向き合って清算するために、
より激しい暴力を用いなければならない矛盾。
悲劇的な方向に向かっていってる重苦しさが漂う作品ですね。
トムの中にジョーイがいるのを知ってしまった家族は、
長年過去を隠されていた事、
それも血塗られた暴力の過去を秘密にされていた事から
信頼が揺らいでいくんですね。
「イースタン・プロミス」と同じように、
ラストがまた、観る人に解釈を委ねる形になっています。
いったい、この家族はどうなってしまうのか?
夫婦に関しては、階段で絡み合うシーンにヒントがあると思いますが、
妻は夫がジョーイであると分かっている時に、
身体がそれを許して受け入れているんですよね。
希望も含めて、葛藤しながらも愛していくような気がするんだけど。
しかし、暴力の歴史は封印したと思っても、
フィラデルフィアではずっと消える事がありませんでした。
これからもきっと。この後、兄たちの死体が出たら・・・
どうも悲劇的な臭いがする。
ヴィゴはトムになったりジョーイになったり、
目の鋭さで二面性を上手く出してましたね。
マリア・ベロも微妙な心の動きを見事に表現していたし、
エド・ハリス、ウィリアム・ハートら名優の
ふてぶてしい演技もたまりませんでした。