箪笥 <たんす>
2009-08-29(Sat)
白いドレスを真っ赤に染めてソファに座っている姉妹。
衝撃的でもあり美しくもあり、惹かれるポスターですよね~
私、まずこれにまいっちゃったんですよ。(^^ゞ
そんな人いないですか?

監督:キム・ジウン
製作:2003年韓国
出演:*イム・スジョン *ムン・クニョン *ヨム・ジョンア *キム・ガプス
その扉にかくされた哀しい秘密。
これは数年前にも観ていて、今回は3度目です。
初見の時は、観終わって「ええっ?」と訳が分からない状態になり、
すぐに観直しました。
この話、1回観ただけでは理解しづらいような作りなんですよね。
現実と妄想が入り組み、時間も前後している部分があって
かなり凝った作りだと言えます。
この手のものは目新しくはないですが
ラストのドンデン返しの驚愕度は、なかなかのものだと思います。
今回は3度目だから理解できたネタバレ内容を書いていこうと思います。
ホラーにしては叙情的な雰囲気で、
映像と音楽が綺麗なんですよね。
舞台となっているアンティーク風の屋敷が妖しくも耽美。
音楽は哀愁あるワルツがずっと耳に残ります。
ただ、雰囲気を大切にしているせいか、ものすご~いスローテンポ。
だから初見の時は途中で何度も眠くなってしまった・・・(^_^;
今回、試しに1.5倍速で鑑賞してみたら、丁度良かったくらい(≧ε≦)
屋敷に何かが潜んでいるのか、継母が猟奇的なのか。
いかにも次に恐ろしい事が起きそうなおどろおどろしい雰囲気で
話は進みます。空気感は日本のホラーと似てますね~
オチを知った後で観てみると、
最初から伏線がちらばっていた事や、
ここが妄想で、だから周囲の反応がこうだったのか・・・と
スッと飲み込めるんです。
父はいつも妹ではなく姉スミだけに話しかけている。
父はウンジュにも薬を渡している。
ウンジュの弟夫妻の態度がやたらに変。
スミとスヨンとウンジュの生理の日が同じ。
ここからはネタバレ。(映画未見の方はご注意ください)
時系列順に直して話を進めてみると・・・
父母姉妹の4人が住む屋敷に、
父親が、美しい女性ウンジュを食事に招待する。
(まだ妻がいるのに別の女を連れてくるとはひどい男だ)
その際には、ウンジュの弟夫婦もいた。(後に食事中に痙攣する夫婦)
姉妹がウンジュに反抗的な態度を見せるので、
ウンジュも冷たく険のある態度で対抗する。(元々イジワル女だった)
母は嘆きのあまり、妹スヨンの部屋の箪笥の中で
首吊り自殺をする。(なんで娘の箪笥でそんな事を!)
それを見つけたスヨンは、母を助け出そうとして、
倒れた箪笥の下敷きになり、虫の息で「助けてお姉ちゃん」と。
物音に気付いたウンジュは状況を知ったが、
見て見ぬ振りをする。つまり見殺しにする。(やっぱりひどい女だ)
姉スミは物音に反応はしたが、それよりも、
ウンジュに対する憎しみ・反発の感情が高まっていて、
状況確認をせず、そのまま家を出てしまう。(しまったねー!)
「おまえはこの瞬間を一生後悔するかも」と言われた通りになる。
結果、母と妹が亡くなった事を知り、(これは、めっちゃショック)
スミは「助けられたかもしれなかったのに」という
後悔と自責の念と悲しみが大き過ぎて精神に異常をきたし、
精神病院に入退院を繰り返すようになる。
恐らく、映画の最初のほうの退院も何度目かの事で、
部屋に同じ服がたくさんあるのは、
前に買った事を忘れて、毎回買ってしまうせい。(多分)
精神の異常は、多重人格症というもの。
自分以外に、ウンジュの人格が生まれた。
彼女が母妹を見殺しにしたと気付いたスミは、
ウンジュを、考える限りの最低の女として頭の中に作り上げる。
自分たち姉妹をののしる妹を虐める、激しく感情をぶつけるいやな女。
それは、父に対するいやがらせでもある。
もう一人、死なせてしまった妹スヨンの人格も生まれた。
守りきれなかったという後悔から、
妹を、弱くていじめられる人格にし、
何かある度に、自分スミが助けるという構図を作る。
つまり、最初に屋敷に帰ってきたのは、
父と姉スミの二人だけであって、妹も継母も存在しなかった。
スミが三重人格となって、一人でスヨンにもなり、
ウンジュにもなっていたのだ。(忙しいよ~)
一人で激しく言い合い、傷付け合い、激高していた。(すっごい疲れる)
父は「いい加減に目を覚ましてくれ」と何度も言っているが、
自分に非があると分かっているため、仕方なく付き合っている(当然だ)
途中で父が電話をしている相手は本物のウンジュ。
最後には本物に助けを求め、スミと対峙させる。
それでまたスミは発狂し、入院する事になる。
ところで、あの屋敷には、本当に成仏していない霊がいた。
母の亡霊は夜中にスミのベッドにやってきた。(ここ一番怖かった!)
妹の亡霊は流し台の下にいた。
そして姉妹は、ウンジュを亡き者にするという気持ちで繋がっていた。
スヨンの霊がウンジュを箪笥におびき寄せ殺すのを、
スミは病室で感じ、恨みを晴らせたと安らかな表情になっていく・・・
スミが怒りや憎しみや自責の念など、あらゆる感情に押し潰され、
一人で心の迷宮に陥った結果の出来事が描かれていたんですね。
忘れたい事、消したい事があるのに
忘れる事も消す事も出来ない。それが一生つきまとう苦しさ。
そんな忌まわしい箪笥にまつわる記憶は、
狂気と哀愁を帯びていました。
これはなかなか印象に残るホラーです。
衝撃的でもあり美しくもあり、惹かれるポスターですよね~
私、まずこれにまいっちゃったんですよ。(^^ゞ
そんな人いないですか?

監督:キム・ジウン
製作:2003年韓国
出演:*イム・スジョン *ムン・クニョン *ヨム・ジョンア *キム・ガプス
その扉にかくされた哀しい秘密。
これは数年前にも観ていて、今回は3度目です。
初見の時は、観終わって「ええっ?」と訳が分からない状態になり、
すぐに観直しました。
この話、1回観ただけでは理解しづらいような作りなんですよね。
現実と妄想が入り組み、時間も前後している部分があって
かなり凝った作りだと言えます。
この手のものは目新しくはないですが
ラストのドンデン返しの驚愕度は、なかなかのものだと思います。
今回は3度目だから理解できたネタバレ内容を書いていこうと思います。
ホラーにしては叙情的な雰囲気で、
映像と音楽が綺麗なんですよね。
舞台となっているアンティーク風の屋敷が妖しくも耽美。
音楽は哀愁あるワルツがずっと耳に残ります。
ただ、雰囲気を大切にしているせいか、ものすご~いスローテンポ。
だから初見の時は途中で何度も眠くなってしまった・・・(^_^;
今回、試しに1.5倍速で鑑賞してみたら、丁度良かったくらい(≧ε≦)
屋敷に何かが潜んでいるのか、継母が猟奇的なのか。
いかにも次に恐ろしい事が起きそうなおどろおどろしい雰囲気で
話は進みます。空気感は日本のホラーと似てますね~
オチを知った後で観てみると、
最初から伏線がちらばっていた事や、
ここが妄想で、だから周囲の反応がこうだったのか・・・と
スッと飲み込めるんです。
父はいつも妹ではなく姉スミだけに話しかけている。
父はウンジュにも薬を渡している。
ウンジュの弟夫妻の態度がやたらに変。
スミとスヨンとウンジュの生理の日が同じ。
ここからはネタバレ。(映画未見の方はご注意ください)
時系列順に直して話を進めてみると・・・
父母姉妹の4人が住む屋敷に、
父親が、美しい女性ウンジュを食事に招待する。
(まだ妻がいるのに別の女を連れてくるとはひどい男だ)
その際には、ウンジュの弟夫婦もいた。(後に食事中に痙攣する夫婦)
姉妹がウンジュに反抗的な態度を見せるので、
ウンジュも冷たく険のある態度で対抗する。(元々イジワル女だった)
母は嘆きのあまり、妹スヨンの部屋の箪笥の中で
首吊り自殺をする。(なんで娘の箪笥でそんな事を!)
それを見つけたスヨンは、母を助け出そうとして、
倒れた箪笥の下敷きになり、虫の息で「助けてお姉ちゃん」と。
物音に気付いたウンジュは状況を知ったが、
見て見ぬ振りをする。つまり見殺しにする。(やっぱりひどい女だ)
姉スミは物音に反応はしたが、それよりも、
ウンジュに対する憎しみ・反発の感情が高まっていて、
状況確認をせず、そのまま家を出てしまう。(しまったねー!)
「おまえはこの瞬間を一生後悔するかも」と言われた通りになる。
結果、母と妹が亡くなった事を知り、(これは、めっちゃショック)
スミは「助けられたかもしれなかったのに」という
後悔と自責の念と悲しみが大き過ぎて精神に異常をきたし、
精神病院に入退院を繰り返すようになる。
恐らく、映画の最初のほうの退院も何度目かの事で、
部屋に同じ服がたくさんあるのは、
前に買った事を忘れて、毎回買ってしまうせい。(多分)
精神の異常は、多重人格症というもの。
自分以外に、ウンジュの人格が生まれた。
彼女が母妹を見殺しにしたと気付いたスミは、
ウンジュを、考える限りの最低の女として頭の中に作り上げる。
自分たち姉妹をののしる妹を虐める、激しく感情をぶつけるいやな女。
それは、父に対するいやがらせでもある。
もう一人、死なせてしまった妹スヨンの人格も生まれた。
守りきれなかったという後悔から、
妹を、弱くていじめられる人格にし、
何かある度に、自分スミが助けるという構図を作る。
つまり、最初に屋敷に帰ってきたのは、
父と姉スミの二人だけであって、妹も継母も存在しなかった。
スミが三重人格となって、一人でスヨンにもなり、
ウンジュにもなっていたのだ。(忙しいよ~)
一人で激しく言い合い、傷付け合い、激高していた。(すっごい疲れる)
父は「いい加減に目を覚ましてくれ」と何度も言っているが、
自分に非があると分かっているため、仕方なく付き合っている(当然だ)
途中で父が電話をしている相手は本物のウンジュ。
最後には本物に助けを求め、スミと対峙させる。
それでまたスミは発狂し、入院する事になる。
ところで、あの屋敷には、本当に成仏していない霊がいた。
母の亡霊は夜中にスミのベッドにやってきた。(ここ一番怖かった!)
妹の亡霊は流し台の下にいた。
そして姉妹は、ウンジュを亡き者にするという気持ちで繋がっていた。
スヨンの霊がウンジュを箪笥におびき寄せ殺すのを、
スミは病室で感じ、恨みを晴らせたと安らかな表情になっていく・・・
スミが怒りや憎しみや自責の念など、あらゆる感情に押し潰され、
一人で心の迷宮に陥った結果の出来事が描かれていたんですね。
忘れたい事、消したい事があるのに
忘れる事も消す事も出来ない。それが一生つきまとう苦しさ。
そんな忌まわしい箪笥にまつわる記憶は、
狂気と哀愁を帯びていました。
これはなかなか印象に残るホラーです。