ブラインドネス
2009-08-01(Sat)
見えない方が怖いのか、見える方が怖いのか。
この最悪の現象は啓示なんだろうか。

監督:フェルナンド・メイレレス
製作:2008年 日本・ブラジル・カナダ
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
出演:*ジュリアン・ムーア *マーク・ラファロ *アリシー・ブラガ
*伊勢谷友介 *木村佳乃
全世界、失明。
突然、人々は失明していく。
強い感染力を持つ「白い闇」の病は、世界各地で発生した。
原因も治療法も不明。
政府は、患者を隔離施設に強制収容する。
そこはおぞましい地獄絵図と化してゆくのだった・・・
最初のうちくらいは、政府が何らかの措置を取っても
良さそうなものなのに、
失明者だけを放置するとは、人権無視も甚だしい。
この時点で「ひどい・・・」と憤慨してたんだけど、
次から次へと見せられる悲惨な状況には、
背筋が寒くなってきました~
極限状態で暴かれる、隠されていた人間性というのは、
これまでにいろいろな作品で扱われた題材ですが、
本作では、鬼畜へと変貌する人間を見せつけられます。
ネタバレあります
一人、失明者の振りをして実は見えている者がいます。
彼女が見ている世界を、私達は見ているわけだから、
すごく彼女の苦しみが分かるんですよね。
汚く醜いものだらけの世界を彼女一人だけが見ている。
誰とも共有できない孤独感とみんなの世話を背負う重責感。
何も見えない事はかなりの不安と恐怖を抱くものだけど、
見たくないものまで見えてしまう事はもっと恐怖のように思える。
とにかく前半、閉塞的な病棟の映像は、果てしなく陰鬱です。
全体的な青暗い色合いや時々挟まれる白い闇も効果的で
絶望感が押し迫ってきました。
後半、外に出た時の廃墟と化した街には、これまた圧倒されました。
自分達だけじゃなく、世界が崩壊していたんです。
最後まで観ていくと、病気についての説明は一切ない!
病気自体を見せたいんじゃなくて、
それによってもたらされるものを描きたかったんでしょうね。
つまり、この現象は啓示と言うか、何らかのメッセージだった?
私が一番分かりやすかったのは、日本人夫婦のケースです。
(予想外に出番が多かったし、演技も良かったよね!)
どうやら二人は倦怠期だったようだけど、
多分、見て見ぬ振りをして暮していたんでしょう。
目が見えなくなって、ぎこちない関係がハッキリ見えるようになり、
困難を共有するうちに、やはり大切な相手だと気付く。
最後、視力が戻った時には「何もかもが美しい」と「開眼」する。
ラジオの音楽・ピアノの音・雨に笑顔がこぼれるシーン、良かったですね。
普段、人は物事の真実を見ていない。
失明によって、見た目に捉われず、心の目で本質を見るようになる。
その後は本当の目が開かれる。
・・・という事だったのかな?
一人異質な彼女は、ラストに「次は私の番」と不安がっています。
開眼していない彼女は周囲の人達と感覚のズレを感じ、
より孤独になっていくのかもしれませんね。
後半、「自分達さえ良ければ」的な行動が気になりました。
でも彼女はすごく勇敢に頑張ってましたよね。
何か重いメッセージを込めているとは思うけど、
どうも分かりにくい作品だったな~
だけど、最後まで引き付けられて一気に観てしまいました。
この最悪の現象は啓示なんだろうか。

監督:フェルナンド・メイレレス
製作:2008年 日本・ブラジル・カナダ
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
出演:*ジュリアン・ムーア *マーク・ラファロ *アリシー・ブラガ
*伊勢谷友介 *木村佳乃
全世界、失明。
突然、人々は失明していく。
強い感染力を持つ「白い闇」の病は、世界各地で発生した。
原因も治療法も不明。
政府は、患者を隔離施設に強制収容する。
そこはおぞましい地獄絵図と化してゆくのだった・・・
最初のうちくらいは、政府が何らかの措置を取っても
良さそうなものなのに、
失明者だけを放置するとは、人権無視も甚だしい。
この時点で「ひどい・・・」と憤慨してたんだけど、
次から次へと見せられる悲惨な状況には、
背筋が寒くなってきました~
極限状態で暴かれる、隠されていた人間性というのは、
これまでにいろいろな作品で扱われた題材ですが、
本作では、鬼畜へと変貌する人間を見せつけられます。
ネタバレあります
一人、失明者の振りをして実は見えている者がいます。
彼女が見ている世界を、私達は見ているわけだから、
すごく彼女の苦しみが分かるんですよね。
汚く醜いものだらけの世界を彼女一人だけが見ている。
誰とも共有できない孤独感とみんなの世話を背負う重責感。
何も見えない事はかなりの不安と恐怖を抱くものだけど、
見たくないものまで見えてしまう事はもっと恐怖のように思える。
とにかく前半、閉塞的な病棟の映像は、果てしなく陰鬱です。
全体的な青暗い色合いや時々挟まれる白い闇も効果的で
絶望感が押し迫ってきました。
後半、外に出た時の廃墟と化した街には、これまた圧倒されました。
自分達だけじゃなく、世界が崩壊していたんです。
最後まで観ていくと、病気についての説明は一切ない!
病気自体を見せたいんじゃなくて、
それによってもたらされるものを描きたかったんでしょうね。
つまり、この現象は啓示と言うか、何らかのメッセージだった?
私が一番分かりやすかったのは、日本人夫婦のケースです。
(予想外に出番が多かったし、演技も良かったよね!)
どうやら二人は倦怠期だったようだけど、
多分、見て見ぬ振りをして暮していたんでしょう。
目が見えなくなって、ぎこちない関係がハッキリ見えるようになり、
困難を共有するうちに、やはり大切な相手だと気付く。
最後、視力が戻った時には「何もかもが美しい」と「開眼」する。
ラジオの音楽・ピアノの音・雨に笑顔がこぼれるシーン、良かったですね。
普段、人は物事の真実を見ていない。
失明によって、見た目に捉われず、心の目で本質を見るようになる。
その後は本当の目が開かれる。
・・・という事だったのかな?
一人異質な彼女は、ラストに「次は私の番」と不安がっています。
開眼していない彼女は周囲の人達と感覚のズレを感じ、
より孤独になっていくのかもしれませんね。
後半、「自分達さえ良ければ」的な行動が気になりました。
でも彼女はすごく勇敢に頑張ってましたよね。
何か重いメッセージを込めているとは思うけど、
どうも分かりにくい作品だったな~
だけど、最後まで引き付けられて一気に観てしまいました。