007/慰めの報酬
2009-07-12(Sun)
アクション・エンターテイメントとしては面白いです。
人間味溢れる男の物語としてもいいと思います。
でも007は、以前の 夢のある軽やかな作風が好きだなあ。

監督:マーク・フォースター
製作:2008年 イギリス・アメリカ
出演:*ダニエル・クレイグ *オルガ・キュリレンコ *ジュディ・ディンチ
傷ついた心が、共鳴する。
前作「007/カジノ・ロワイヤル」(→こちら)からしっかりと繋がっている
内容なので、やっぱりそれを復習しておけばよかったです。
この人は前にも出ていたCIAだとか、元仲間だとか
適当に判断して、だいたいは理解したつもりだけど・・・?
前作の感想にも書いたけど、
ダニエル・クレイグのボンドは一人前になる前の
青さの残ったボンドなんですよね。
本作は前よりもさらに荒削りな印象になっていると思います。
愛するヴェスパーを失い復讐に燃えているせいか、
やる事が荒っぽい。
Mに「また殺したのね」と言われるくらい次から次へと殺しちゃう。
深い悲しみと痛みを内側に押し隠そうとして表情は抑え気味。
それでも怒りが燃えているのは感じ取れます。
アクションがハデでした!
陸海空を舞台にした様々なアクションは手に汗握る激しさ。
でも、画面が揺れて、場面展開が速いので、
どっちがボンドでどっちが敵なのか見づらかった。
このカメラワークや世界各地へ飛ぶ展開や、
狭い街を走り回るチェイスは、ボーン・シリーズを思い出させますね。
これって、007だった?って途中で分からなくなってしまった。。。
それだけ、以前の007らしさは無くなってきてます。
以前のボンドはダンディで軽やかさがあったし、
映画には遊び心がありました。
本作のボンドはハードでワイルド、アクション中心のシリアス路線。
秘密兵器も出てこないなんて、ちょっと淋しい (´o`;
ヴェスパーを操っていたミスター・ホワイトを探っていくと、
環境保護慈善団体を隠れ蓑にして暗躍するドミニク・グリーンに辿り着く。
そこで、復讐に燃えるカミーユ(オルガ・キュリレンコ)と出会う・・・
ネタバレあります
同じ心の傷に共鳴したボンドは彼女の復讐に手を貸しますが、
この際に「復讐の気持ちは心を乱す」とアドバイスしています。
それは自分がMから「任務に感情を入れてはいけない」と
言われた事と同じです。
復讐相手を追い詰めるうちに
「死者は復讐など求めない」と、冷静に分かるようになっていたんですね。
だから、ドミニク・グリーンにもヴェスパーの元カレ・ロシア男にも、
自分が直接手を下すような事はしませんでした。
理性を失わせる個人的感情を乗り越えて、
プロフェッショナルへの階段を一段も二段も上がったボンド。
今回、マティスを失った事も大きく影響したかもしれません。
過去と決別して、一人前と認められたのでしょう。(=報酬)
本作の敵は、ボリビアにクーデターを起こさせ、
その土地にある貴重な水資源を支配しようとする組織で、
アメリカのCIAも絡んでいるというもの。
設定から作風から、とにかくリアルな話になっていました。
ダニエル・クレイグはカッコいいけど、
二作連続見てみると、やっぱり007映画っぽくないなあ。
前作では新シリーズを完全に受け入れたつもりだったのに・・・
次回作では、こなれてダンディなボンドになるんでしょうか。
関連記事*****
「007/カジノ・ロワイヤル」
「007 スカイフォール」
人間味溢れる男の物語としてもいいと思います。
でも007は、以前の 夢のある軽やかな作風が好きだなあ。

監督:マーク・フォースター
製作:2008年 イギリス・アメリカ
出演:*ダニエル・クレイグ *オルガ・キュリレンコ *ジュディ・ディンチ
傷ついた心が、共鳴する。
前作「007/カジノ・ロワイヤル」(→こちら)からしっかりと繋がっている
内容なので、やっぱりそれを復習しておけばよかったです。
この人は前にも出ていたCIAだとか、元仲間だとか
適当に判断して、だいたいは理解したつもりだけど・・・?
前作の感想にも書いたけど、
ダニエル・クレイグのボンドは一人前になる前の
青さの残ったボンドなんですよね。
本作は前よりもさらに荒削りな印象になっていると思います。
愛するヴェスパーを失い復讐に燃えているせいか、
やる事が荒っぽい。
Mに「また殺したのね」と言われるくらい次から次へと殺しちゃう。
深い悲しみと痛みを内側に押し隠そうとして表情は抑え気味。
それでも怒りが燃えているのは感じ取れます。
アクションがハデでした!
陸海空を舞台にした様々なアクションは手に汗握る激しさ。
でも、画面が揺れて、場面展開が速いので、
どっちがボンドでどっちが敵なのか見づらかった。
このカメラワークや世界各地へ飛ぶ展開や、
狭い街を走り回るチェイスは、ボーン・シリーズを思い出させますね。
これって、007だった?って途中で分からなくなってしまった。。。
それだけ、以前の007らしさは無くなってきてます。
以前のボンドはダンディで軽やかさがあったし、
映画には遊び心がありました。
本作のボンドはハードでワイルド、アクション中心のシリアス路線。
秘密兵器も出てこないなんて、ちょっと淋しい (´o`;
ヴェスパーを操っていたミスター・ホワイトを探っていくと、
環境保護慈善団体を隠れ蓑にして暗躍するドミニク・グリーンに辿り着く。
そこで、復讐に燃えるカミーユ(オルガ・キュリレンコ)と出会う・・・
ネタバレあります
同じ心の傷に共鳴したボンドは彼女の復讐に手を貸しますが、
この際に「復讐の気持ちは心を乱す」とアドバイスしています。
それは自分がMから「任務に感情を入れてはいけない」と
言われた事と同じです。
復讐相手を追い詰めるうちに
「死者は復讐など求めない」と、冷静に分かるようになっていたんですね。
だから、ドミニク・グリーンにもヴェスパーの元カレ・ロシア男にも、
自分が直接手を下すような事はしませんでした。
理性を失わせる個人的感情を乗り越えて、
プロフェッショナルへの階段を一段も二段も上がったボンド。
今回、マティスを失った事も大きく影響したかもしれません。
過去と決別して、一人前と認められたのでしょう。(=報酬)
本作の敵は、ボリビアにクーデターを起こさせ、
その土地にある貴重な水資源を支配しようとする組織で、
アメリカのCIAも絡んでいるというもの。
設定から作風から、とにかくリアルな話になっていました。
ダニエル・クレイグはカッコいいけど、
二作連続見てみると、やっぱり007映画っぽくないなあ。
前作では新シリーズを完全に受け入れたつもりだったのに・・・
次回作では、こなれてダンディなボンドになるんでしょうか。
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「007/カジノ・ロワイヤル」
「007 スカイフォール」