12人の怒れる男
2009-03-17(Tue)
アメリカ版「十二人の怒れる男」をリメイクした作品って事で、
筋書きは知っていると高を括っていたら、意表を突かれました!
(そのオリジナルは白黒だった事しか記憶にありません、未見です)
ロシアが舞台ならではのドンデン返し的展開があります!

監督:ニキータ・ミハルコフ
製作:2007年 ロシア
出演:*ニキータ・ミハルコフ *セルゲイ・マコヴェツキー
少年の運命は、12人の陪審員に委ねられた
元ロシア軍将校が殺され、養子であるチェチェン人少年を
被告とする裁判が始まった・・・
どの陪審員も最初はいい加減な態度で、
早く有罪の結論を出して帰ろうとしていました。
ところが一人が「被告人は無罪」を主張したため、
その後、長い審議を行う事になります。
人種・職業はバラバラだと、観ているうちにだんだん分かってきます。
と言うのは、審議が進む過程で、
どの人も自分の体験と照らし合わせて考えていくため、
身の上話をするんです。
一人一人が、隠しておきたいような陰の部分や
恥の部分を吐露していきます。
これが、演劇風でちょっと長い。 ε-(´o`;
もう少し、短めでも良かったかも。
民族差別、家庭問題、外国資本参入への不満、
汚い金儲け法など。
ドラマティックな人生の悲哀や苦悩を語っていくうちに、
ロシア社会の現状や問題点が透けて見えてくるんです!
審議のやり方は論理的ではなく、
どちらかと言うと感情に訴えるものです。
事件現場の見取り図を立体的に再現するシーンで、
やっと本気を出してきたなと思ったけど、
それ以外は、自分の体験もこうだったから
この事件の場合もこうだという、推測の域を出ない。
「有罪とする事に合理的な疑いがあれば無罪を」の
きまりを念頭に置くも、合理的なんだかどうか・・・?
けっこう曖昧な審議になっているのは、
それよりももっと大切な事が言いたかったからなんでしょう。
ネタバレしてないつもりだけど、しているかも・・・
全員が無罪の結論を出して終わるのかと思ったら、
さらに一歩進めた考察が出てきて、すごく驚きました!
それはいかにも物騒なロシア社会ならではの提案。
途中、フラッシュバックで、両親の惨殺シーンや
戦場シーンが何度も挟まれるたびに、
暗澹たる気持ちにさせられるのも合わせて考えると、
その提案は、真に少年の身を案じた結論です。
知っている筋書きの部分では、法で人を裁くのに
真摯に向き合う事の大切さを描いていたけど、
本作では、法の力が行き届かない社会において、
人間として被告の少年とどう関わっていくか、
自分たちの出した結論にどこまで責任を取るか、
そんな、もっと深いところを描いています。
「法は強くて揺るぎないが、慈愛の力は法をはるかにしのぐ」
とテロップが出て、最終的に慈愛の持ち主は
少年の人生まで背負うんですね。
ホッとするような最後で希望を持てたけど、
私ならと考えると、無罪か有罪かどちらにするか悩むし、
陪審員として立ち合っただけで、そこまでするのかと、
ズシンと重い衝撃を感じました。
なかなか見応えのある作品です。
筋書きは知っていると高を括っていたら、意表を突かれました!
(そのオリジナルは白黒だった事しか記憶にありません、未見です)
ロシアが舞台ならではのドンデン返し的展開があります!

監督:ニキータ・ミハルコフ
製作:2007年 ロシア
出演:*ニキータ・ミハルコフ *セルゲイ・マコヴェツキー
少年の運命は、12人の陪審員に委ねられた
元ロシア軍将校が殺され、養子であるチェチェン人少年を
被告とする裁判が始まった・・・
どの陪審員も最初はいい加減な態度で、
早く有罪の結論を出して帰ろうとしていました。
ところが一人が「被告人は無罪」を主張したため、
その後、長い審議を行う事になります。
人種・職業はバラバラだと、観ているうちにだんだん分かってきます。
と言うのは、審議が進む過程で、
どの人も自分の体験と照らし合わせて考えていくため、
身の上話をするんです。
一人一人が、隠しておきたいような陰の部分や
恥の部分を吐露していきます。
これが、演劇風でちょっと長い。 ε-(´o`;
もう少し、短めでも良かったかも。
民族差別、家庭問題、外国資本参入への不満、
汚い金儲け法など。
ドラマティックな人生の悲哀や苦悩を語っていくうちに、
ロシア社会の現状や問題点が透けて見えてくるんです!
審議のやり方は論理的ではなく、
どちらかと言うと感情に訴えるものです。
事件現場の見取り図を立体的に再現するシーンで、
やっと本気を出してきたなと思ったけど、
それ以外は、自分の体験もこうだったから
この事件の場合もこうだという、推測の域を出ない。
「有罪とする事に合理的な疑いがあれば無罪を」の
きまりを念頭に置くも、合理的なんだかどうか・・・?
けっこう曖昧な審議になっているのは、
それよりももっと大切な事が言いたかったからなんでしょう。
ネタバレしてないつもりだけど、しているかも・・・
全員が無罪の結論を出して終わるのかと思ったら、
さらに一歩進めた考察が出てきて、すごく驚きました!
それはいかにも物騒なロシア社会ならではの提案。
途中、フラッシュバックで、両親の惨殺シーンや
戦場シーンが何度も挟まれるたびに、
暗澹たる気持ちにさせられるのも合わせて考えると、
その提案は、真に少年の身を案じた結論です。
知っている筋書きの部分では、法で人を裁くのに
真摯に向き合う事の大切さを描いていたけど、
本作では、法の力が行き届かない社会において、
人間として被告の少年とどう関わっていくか、
自分たちの出した結論にどこまで責任を取るか、
そんな、もっと深いところを描いています。
「法は強くて揺るぎないが、慈愛の力は法をはるかにしのぐ」
とテロップが出て、最終的に慈愛の持ち主は
少年の人生まで背負うんですね。
ホッとするような最後で希望を持てたけど、
私ならと考えると、無罪か有罪かどちらにするか悩むし、
陪審員として立ち合っただけで、そこまでするのかと、
ズシンと重い衝撃を感じました。
なかなか見応えのある作品です。