モーターサイクル・ダイアリーズ
2009-03-12(Thu)
デル・トロの「チェ」2部作が封切りになった頃、
BSで放送していたのを録画して、やっと最近観ました。
以前に観た時よりも、胸にくるものがありました。
キューバ革命の英雄として知られているゲバラが、
南米社会を目の当たりにし、
何らかの意識に目覚めるきっかけとなった青春の旅を、
日記という形で記録風に描いています。

監督:ウォルター・サレス
製作:2003年 イギリス・アメリカ
出演:*ガエル・ガルシア・ベルナル *ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた
23歳の医学生、エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、
友人の生化学者アルベルト・グラナード(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)と
一台のバイクにまたがって、南米縦断の旅に出ます。
エルネストは後に革命家となるとはとても思えないくらい、
特別でも何でもなく、
心優しくて真っ直ぐでしかも繊細な青年だったんですね。
その相棒アルベルトは陽気でダンス好きな楽しい男です。
彼のおかげでエルネストは喘息の発作の時に助けられたり、
要領よく泊まる場所にありつけたり、ダンスにもチャレンジしたりで、
本当に二人旅の良さを満喫してましたね~
未知の広い世界へバイクで旅に出るって、
ロマンがあっていいですよね~ 私も憧れます。
最初のうちは、二人ともそんな軽いノリで楽しげでした。
アルベルトが「街ごとで女と寝るぞ」と意欲満々で、
行き当たりバッタリの旅が無計画な観光旅行に見えました。
けど、タイトルのモーターサイクルを手放して、
歩き中心になった辺りから、
風景も二人の顔付きも旅の様相も変化していきます。
(この映画の半分は、実はバイク日記じゃない)
アンデスの雪道やどこまでも広がる埃っぽい砂漠など、
雄大な自然は過酷なんですよね。さすが南米大陸。
そこで出会う人々は、貧困に苦しむ社会の弱者でした。
故郷を奪われた者、共産主義のため虐げられている者、少数民族。
そういう弱者と目線を合わせて話を聞くシーンは、
ドキュメンタリー風になっていて、本当にリアルに迫ってきました!
エルネストは優しくて感受性が強いので、
人の苦しみを自分の事のように感じたんじゃないかな。
この辺りで、世の中の不公平や不条理を
深く心に刻んでいったようですね。
旅の内容もグッと濃くなっていきます。
特に大きな経験となったのは、
ハンセン氏病療養所で過ごした日々でしょう。
理解ある博士たちが、見ず知らずの若者に
手を差し伸べてくれた事はとても幸運でしたね。
ハンセン氏病患者とも、偏見を持たず接するエルネストから、
どの人にも平等だという嘘偽りのない心が伝わってきましたよ。
「いつだって困難を乗り越えてきた」と、一人でアマゾン川を渡るシーンは、
自分の衝動に突き動かされるように行動するその後のゲバラを
象徴するようで、いいですね~
最後のほうで「南米は一つ。同じ混血民族なのに
バラバラになって苦しんでいるのはおかしい」と、
自分の中にわいてきた疑問を言葉に出しています。
この旅に革命家としての原点があったと分かるくだりです。
その後の彼がどうなったのか、とても興味がわいてきました。
「チェ」2部作はぜひ観てみたいと思っています。
この映画のエンドロールに、本物のアルベルトらしき老人が
青春の旅の最後の別れを思い出しながら立っていました・・・
BSで放送していたのを録画して、やっと最近観ました。
以前に観た時よりも、胸にくるものがありました。
キューバ革命の英雄として知られているゲバラが、
南米社会を目の当たりにし、
何らかの意識に目覚めるきっかけとなった青春の旅を、
日記という形で記録風に描いています。

監督:ウォルター・サレス
製作:2003年 イギリス・アメリカ
出演:*ガエル・ガルシア・ベルナル *ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた
23歳の医学生、エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、
友人の生化学者アルベルト・グラナード(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)と
一台のバイクにまたがって、南米縦断の旅に出ます。
エルネストは後に革命家となるとはとても思えないくらい、
特別でも何でもなく、
心優しくて真っ直ぐでしかも繊細な青年だったんですね。
その相棒アルベルトは陽気でダンス好きな楽しい男です。
彼のおかげでエルネストは喘息の発作の時に助けられたり、
要領よく泊まる場所にありつけたり、ダンスにもチャレンジしたりで、
本当に二人旅の良さを満喫してましたね~
未知の広い世界へバイクで旅に出るって、
ロマンがあっていいですよね~ 私も憧れます。
最初のうちは、二人ともそんな軽いノリで楽しげでした。
アルベルトが「街ごとで女と寝るぞ」と意欲満々で、
行き当たりバッタリの旅が無計画な観光旅行に見えました。
けど、タイトルのモーターサイクルを手放して、
歩き中心になった辺りから、
風景も二人の顔付きも旅の様相も変化していきます。
(この映画の半分は、実はバイク日記じゃない)
アンデスの雪道やどこまでも広がる埃っぽい砂漠など、
雄大な自然は過酷なんですよね。さすが南米大陸。
そこで出会う人々は、貧困に苦しむ社会の弱者でした。
故郷を奪われた者、共産主義のため虐げられている者、少数民族。
そういう弱者と目線を合わせて話を聞くシーンは、
ドキュメンタリー風になっていて、本当にリアルに迫ってきました!
エルネストは優しくて感受性が強いので、
人の苦しみを自分の事のように感じたんじゃないかな。
この辺りで、世の中の不公平や不条理を
深く心に刻んでいったようですね。
旅の内容もグッと濃くなっていきます。
特に大きな経験となったのは、
ハンセン氏病療養所で過ごした日々でしょう。
理解ある博士たちが、見ず知らずの若者に
手を差し伸べてくれた事はとても幸運でしたね。
ハンセン氏病患者とも、偏見を持たず接するエルネストから、
どの人にも平等だという嘘偽りのない心が伝わってきましたよ。
「いつだって困難を乗り越えてきた」と、一人でアマゾン川を渡るシーンは、
自分の衝動に突き動かされるように行動するその後のゲバラを
象徴するようで、いいですね~
最後のほうで「南米は一つ。同じ混血民族なのに
バラバラになって苦しんでいるのはおかしい」と、
自分の中にわいてきた疑問を言葉に出しています。
この旅に革命家としての原点があったと分かるくだりです。
その後の彼がどうなったのか、とても興味がわいてきました。
「チェ」2部作はぜひ観てみたいと思っています。
この映画のエンドロールに、本物のアルベルトらしき老人が
青春の旅の最後の別れを思い出しながら立っていました・・・