イースタン・プロミス
2009-01-20(Tue)
ロンドンを舞台に、ロシア系移民の闇社会の存在と犯罪を描いた、
ダークな作品。
孤独に生きてきた男のストイックさが、カッコいい(ヘアスタイルを除いて)
これぞハードボイルド、男の世界。

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:2007年 イギリス・カナダ・アメリカ
出演:*ヴィゴ・モーテンセン *ナオミ・ワッツ *ヴァンサン・カッセル
ここでしか、生きられない。
このストーリーの舞台がどこなのか、最初分かりにくかったです。
登場人物はほとんどがロシア語やロシアなまりの英語を話していて。
少女の日記のナレーションあたりで、やっとロンドンだと気付きました。
ロシア人達は、貧困から抜け出そうと夢を抱いて、
ロンドンにやって来て、ロシア系移民社会を作り上げています。
普通の生活をしている人の代表がアンナ(ナオミ・ワッツ)の家族。
アンナはある事から裏社会の男たちと関わりを持ちます。
裏社会というのは、表社会のすぐ隣に存在するんですね。
そこに登場するのが、謎の男ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)
ニコライを初め見た時、昔の芸人みたいなミョーなヘアスタイルに、
ものすっごいテンションが下がったわ。。。( ̄∇ ̄*)ゞ
「ロード・オブ・・・・」アラゴルンのオーラはどこに行ったの~?
凹んだまま観ていたけど、ニコライの凄味が感じられて、
だんだん惹かれていきました。
刺青をした、一本筋の通った寡黙な男は、
日本の任侠と共通する雰囲気がありますね。
ネタバレあるかも
暴力描写がいろいろありますが、
特にサウナでのファイトは、生々しくて、
肉体の痛さがこちらまで伝わってくる~~!
あの状態でナイフで切られながら格闘するという、
ものすごい緊迫感には耐えられず、見ておれませんでした。
今作のヴィゴは身体を張った演技をこれでもかと見せてきますね。
本音が読めない研ぎ澄まされた演技にも引き込まれました。
組織ボスの不肖の息子キリルを演じたヴァンサン・カッセルも良かった。
あまりにも父の存在が大き過ぎて、精神的にひどく未熟なんだけど、
それでも虚勢を張っている。
切れ者の部下ニコライを押さえつけようとしながらも依存している。
(この依存はフツーでない感情もあるかも)
そんな屈折した心に同情したくなるくらい、で良かったです。
裏社会がメインの話なので、アンナの存在感は少々薄かったような。
自分が過去に愛する人の子を流産した経験を持つため、
病院で産み落とされた赤ちゃんの家族を必死で捜します。
赤ちゃんに対する思いが強い女性という設定で、
ロシアからやってきた女達の悲しい実態を
観客に知らせる役目となっていましたね。
ニコライと惹かれ合っても、住む世界が違うかのように、
互いに一歩踏み出す事はしません。
それだけ隣り合う社会でも表と裏とでは全く異なるのです。
ニコライの正体は終盤に明かされます。
だけど、ラストシーンの彼は・・・
微妙な表情なので心情が分かりにくいですが、
重なるナレーションと同じで、彼もマシな暮らしを求めて
ロンドンにやって来た人間でしょう。
闇社会にどっぷり浸かってそしてのし上がったら、
もうそこでしか生きられません。
元には戻れないと私は思いました。みなさんはどうでしょう?
ただ、非情なボスじゃなく、優しいボスになる?なんてね(^_^;
同じロシア人同士で傷つけ合っているのが、
なんとも悲しい闇の社会でした。
ダークな作品。
孤独に生きてきた男のストイックさが、カッコいい(ヘアスタイルを除いて)
これぞハードボイルド、男の世界。

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:2007年 イギリス・カナダ・アメリカ
出演:*ヴィゴ・モーテンセン *ナオミ・ワッツ *ヴァンサン・カッセル
ここでしか、生きられない。
このストーリーの舞台がどこなのか、最初分かりにくかったです。
登場人物はほとんどがロシア語やロシアなまりの英語を話していて。
少女の日記のナレーションあたりで、やっとロンドンだと気付きました。
ロシア人達は、貧困から抜け出そうと夢を抱いて、
ロンドンにやって来て、ロシア系移民社会を作り上げています。
普通の生活をしている人の代表がアンナ(ナオミ・ワッツ)の家族。
アンナはある事から裏社会の男たちと関わりを持ちます。
裏社会というのは、表社会のすぐ隣に存在するんですね。
そこに登場するのが、謎の男ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)
ニコライを初め見た時、昔の芸人みたいなミョーなヘアスタイルに、
ものすっごいテンションが下がったわ。。。( ̄∇ ̄*)ゞ
「ロード・オブ・・・・」アラゴルンのオーラはどこに行ったの~?
凹んだまま観ていたけど、ニコライの凄味が感じられて、
だんだん惹かれていきました。
刺青をした、一本筋の通った寡黙な男は、
日本の任侠と共通する雰囲気がありますね。
ネタバレあるかも
暴力描写がいろいろありますが、
特にサウナでのファイトは、生々しくて、
肉体の痛さがこちらまで伝わってくる~~!
あの状態でナイフで切られながら格闘するという、
ものすごい緊迫感には耐えられず、見ておれませんでした。
今作のヴィゴは身体を張った演技をこれでもかと見せてきますね。
本音が読めない研ぎ澄まされた演技にも引き込まれました。
組織ボスの不肖の息子キリルを演じたヴァンサン・カッセルも良かった。
あまりにも父の存在が大き過ぎて、精神的にひどく未熟なんだけど、
それでも虚勢を張っている。
切れ者の部下ニコライを押さえつけようとしながらも依存している。
(この依存はフツーでない感情もあるかも)
そんな屈折した心に同情したくなるくらい、で良かったです。
裏社会がメインの話なので、アンナの存在感は少々薄かったような。
自分が過去に愛する人の子を流産した経験を持つため、
病院で産み落とされた赤ちゃんの家族を必死で捜します。
赤ちゃんに対する思いが強い女性という設定で、
ロシアからやってきた女達の悲しい実態を
観客に知らせる役目となっていましたね。
ニコライと惹かれ合っても、住む世界が違うかのように、
互いに一歩踏み出す事はしません。
それだけ隣り合う社会でも表と裏とでは全く異なるのです。
ニコライの正体は終盤に明かされます。
だけど、ラストシーンの彼は・・・
微妙な表情なので心情が分かりにくいですが、
重なるナレーションと同じで、彼もマシな暮らしを求めて
ロンドンにやって来た人間でしょう。
闇社会にどっぷり浸かってそしてのし上がったら、
もうそこでしか生きられません。
元には戻れないと私は思いました。みなさんはどうでしょう?
ただ、非情なボスじゃなく、優しいボスになる?なんてね(^_^;
同じロシア人同士で傷つけ合っているのが、
なんとも悲しい闇の社会でした。