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ヒトラーの贋札
2007年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品です。
ここ3年間、外国語映画賞は私の心にガツンときた作品が続いたので、
今作も観てみたんですが、やはりハズレてませんでしたよ。
これまでの3本に比べると、ちょっと印象が弱かったけど。
参考までに・・・
2006年度 「善き人のためのソナタ」(感想はこちら)
2005年度 「ツォツィ」(感想はこちら)
2004年度 「海を飛ぶ夢」(感想はこちら)

ヒトラーの贋札

監督:ステファン・ルツォヴィツキー
製作:2007年 ドイツ・オーストリア 
原作:アドルフ・ブルガー「ヒトラーの贋札 悪魔の仕事場」
出演:*カール・マルコヴィクス *アウグスト・ディール

完璧な贋札。
それは俺たちの命を救うのか。それとも奪うのかーー


第2次世界大戦中のドイツ。
ナチスの紙幣贋造を強要されたユダヤ人達のドラマです
英米の経済を崩壊させる目的で
「ベルンハルト作戦」と言う、国家ぐるみの贋札作りが、
ザクセンハウゼン強制収容所の一画で極秘に行われていました。
これは、実際に計画に携わっていたユダヤ人が書いた原作があり、
つまり実話が基なんですね。その実態には驚く物がありました。

印刷技師、画家、医師など、技術のあるユダヤ人のみが集められ、
他とは格段の差がある待遇を受けました。
白いシーツの柔らかいベッドに、石鹸にお湯のシャワー。
それまで虫ケラのように扱われてきた生活とは大違い。

とは言え、彼らは完璧な贋札を完成させなければ、殺されます。
また、贋札が完成しても用が無くなれば、殺されます。
そして終戦となれば秘密保持のため、殺されます。
どう転んでも、いつかは殺されるという、
常に死が目の前にある状況なんです。


だから、罪悪感を感じつつも、主人公サリーは、
仲間達をかばいながら、必死に生き長らえる道を探しました。

だけど、反ナチの信念を守りたいブルガーは、
贋ドル札作りをわざとサボタージュする・・・
贋札を作れば、ナチスに加担し、同胞や家族を
ますます苦しめ続ける事を意味するからです。
彼らが優遇されている間でも、
家族はアウシュビッツで殺され、
同胞は壁一枚隔てた場所で殺されていたのだから。

そのあたりのジレンマに葛藤するユダヤ人達の姿が、
とても痛々しかった。

どの人達の気持ちや行動にも、少しずつ共感できるものがあり、
何が正しいと断言できない複雑な思いで、苦しくなりましたよ。

正直言うと、ブルガーの正義が青い理想に思える時もありました。
サリーの「今日の銃殺より明日のガス室の方がいい」に、
そりゃそうでしょうと思ったりして。

目の前の仲間を危険にさらしてまでも・・・と感じたけど、
贋札の完成が遅れたためにドイツの敗戦色が濃くなった、
と言われているのを聞くと、
あの信念の強さは貴重だったんだと思えました。
それに彼も生にこだわっていたのは同じだったし。

後で知って驚いたのは、原作はこのブルガーの方だったんですね
原作は知りませんが、もしこの正義感のブルガーが主人公だったら、
また全然違った作品になった事でしょう。
犯罪人だった男のサリーを主人公にする事で、
正義を客観的に捉え、状況によって出てくる 人の善良な面や
邪悪な面をも描き、(サリーやドイツ人ヘルツォークなど)
様々な人の思いを交錯させるという、脚本の巧みさを感じました。

ラストでサリーはカジノで贋札を使い果たします。
サリーにとって、いやな思い出、卑しい紙きれ、ヒトラーの贋札。
それを全て捨て去った彼の後姿に
哀しさや空しさが良く出てました。

結末をオープニングに持ってくる作品はよくあります。
この主人公が何とか生き延びて大金(贋札)を手にするんだなと
最初から分かっていたせいか、
常に死の恐怖に脅かされるユダヤ人のドラマなのに、
安心感が、私の片隅にあった事は確かでした。
それだから観ていられたと言えるけど、
結末を先に持ってこなかった方が、良かったような。

テーマ : ★おすすめ映画★
ジャンル : 映画

Secret
(非公開コメント受付中)

NoTitle
これ、監督さんのコメントを読むと納得できます。
最初から、ガツンとしたホロコースト映画を作る気はなかった(作る勇気がなかった)そうです。
劇場で観た時は、とっても物足らなかったんですが、DVD観て、いろいろ調べてるとなるほど・・・ でした。
NoTitle
自分も観ました。
あんな究極の選択を迫られたとしたら・・・
自分はどうしていたでしょう。
奇麗事だけじゃ生き抜いていけない、でも、その先に明るい未来が明確に存在してるわけでもない・・

深い映画だったし、あの歴史は忘れてはいけないと改めて教えてくれる映画でしたね。
Whitedogさんへ
最初から安心感を与えられるのは、
監督さんの意図によるものなのかもしれませんね。
他のホロコースト作品と比べると、物足りないと感じるのも、
分かる気がします。ナチの表現が抑え目になっていました。

主人公達は、優遇を受けながらも苦しんでいました。
それは何とかその日を生き延びるためであって、
外にいる同胞の悲惨さを見て見ぬフリをしていたのは、
結果的にそうなってしまったけど、彼らの本意じゃないと思うんですよ。
そういう大きな苦悩と葛藤は伝わってきました。
亮さんへ
あの選択の答えは難し過ぎて出せませんよね。
理想を追求すれば自分と仲間の命がなくなるわけだし。
途中で「生きていればいつか勝てる。生きてこそだ」という
言葉もあって、その通りだとも思えるし。
原作者は、同胞を犠牲にしても生き抜きましたが、
後にナチの実態を明かしたから、
生(=同胞の死)をムダにしなかったと言えます。

亮さんのブログにお邪魔しましたが、記事はないですよね?
こんばんは♪
どもどもー☆

またまた未鑑賞の作品のレビュー、
ありがたいです♪
「今日の銃殺より明日のガス室の方がいい」
これまたスゴイ事です。。。
この時代に生まれなくて良かったー。
ドイツ映画は、とても考えさせられる作品が多いので
やっぱその深さはチェックしなきゃダメですねー。

ちなみにFC2ブログ最高~♪
慣れたら管理が楽しくなってきました!
長続きしない性格なもんで、
テンプレートとか“また?”ってなるかも知れませんが…。
(でも、今のが一番気に入っています)
一番最初に誘ってくれたのがYANさんです!
覚えていますか?
引っ越して大正解☆
そんなこんなでこれからもよろしくお願いします。
こんにちは
私は
「今日の銃殺より明日のガス室の方がいい」
ですかね。
ブルガーの正義も判らなくないのですが、
いざ行動で示せと言われると怖じ気づきそうです。
あの無鉄砲さで他の者たちも危険に晒してしまったわけですし・・・難しい選択です。
猫人さんへ
そのセリフは、いずれ殺される身のユダヤ人が
自分達の死をほんの少しでも先延ばししたいという意味で、
言ったものです。
強制収容所の恐怖には、一日でも耐えられませんよね・・・
「4分間のピアニスト」を気に入った猫人さんなら、
この作品も、きっとお好きだと思いますよ★

FC2に猫人さんを誘った事、もちろん覚えてますよ(^^)
私は他のブログを知らずに、ただ ここで不具合はないので、
FC2がいいと言ったんですが、(^▽^;)
大正解と言ってもらえて、良かったです!!
テンプレートの種類が豊富で、すぐにチェンジできるので、
気分や季節にいろいろ合わせてみたらいいと思います~
(私は、今の青バラが大のお気に入りで、けっこう長いです)
ひでさんへ
そうですよね、ほとんどの人が、
死は一日でも一時間でも先延ばしにしたいものだと思います。
ブルガーは、広い視点でユダヤ人全体の事や戦況を
考えていたのかもしれませんが、
サリーはいつの間にか、仲間意識を持つようになっていたから、
仲間の死者は出したくないと、彼なりに奔走していました。
サリー目線の映画という事もあって、
どちらかと言うと、サリー寄りの気持ちになっちゃいますね。
擦り切れてしまった精神
YANさん、こんにちは。

遅レスですいません。やっと帰国してきました。

映画の冒頭とラストでのサリー。
冒頭では、お金さえあれば何でもできてしまうという、
イヤミにすら感じるような雰囲気を漂わせ、
しかし、ラストでは、とても哀れに感じさせる、その対比が見事でした。
擦り切れてしまった精神。地獄の底を覗いてしまったような悟り。そんなラストが印象的でした。

 それじゃ、また。
ヤンさんへ
こんにちは!
冒頭とラストではサリーが同じようにお金を使いまくってましたが、
確かに受け取る印象が違ってましたね。
冒頭では、これ見よがしに札束を出してましたが、
ラストでは全部使い切って虚無感を漂わせていました。
その間に収容所時代の話が挟まれるという、
上手い流れになっていたわけですね~
結末をただ冒頭に持ってきたんじゃないって事ですね。
なるほどと思いました。ありがとうございます☆
NoTitle
やっと帰国したので、今ごろ観る事が出来ました(ウソ)^^;

そうそう、私も自伝が基、というのはしってて鑑賞したので
てっきり主人公サリーが書いたんだろう、と思ってたら
ブルガーが書いた自伝だったなんてねぇ!驚きでした。

でも結果的にそのほうが物語が青臭くなりすぎず
映画的に味や深みが出て面白くなったと思います。
(↑でもこういう実際あった事に対して’面白い’とかいうのは不謹慎ですよね)

どの人の言い分もわかる・・・
どれが正しいとは言えませんね・・・
他の(ヒドイ扱いを受けていた)収容者が怒るのも無理ないし・・・
でもコッチも命かかってるワケだし・・・
わさぴょんさんへ
おかえり~
わさぴょんさんの場合、人間界じゃない国に行ってそう(≧∇≦)ノ彡☆

そうなんですよね、自伝を書いたのはブルガーだったとは。
彼の理想主義がちょっと青臭く感じるところがあったから、
サリーを主人公にして良かったんじゃないかという気がします。
でも、ブルガーさん御本人は映画を観てどう思ったでしょうね~
(まだご存命なんですよね?)

極限状態では、どの人の判断も間違いとは決して言えないです。
憎むべきは戦争ですよね。。。
ユダヤ人をモチーフにした映画が大好きなんです!(^^)!
こちらは、シンドラーのリストなどとは、違って内容は、『ニセ札作り』ですがユダヤ人虐待の中での企みで…しかも実話なようで…女性が殆ど出演してなかったけど連行されたユダヤ人達があまりにもか弱く想えましたねぇ(>_<) ユダヤ人の物語というよりは、偽札造りのシーンが魅力的に観えました!(^^)! ユダヤ人達を利用しようとするナチスの偉い方は、シンドラーのリストのアーモンのようにユダヤ人を嫌ってる感じじゃなかったので逆に優しそうに観えましたねぇ(+_+) でも、この人実際にも無罪になられたそうで…偽札造りだって大罪なんだから裁かれてほしかった気がします~>゜)~~~ 映画の中で薬が遅くて死んだユダヤ人もいましたし… でも、このユダヤ人達は、虐待されてた訳じゃないし食事も与えられていたのでユダヤの悲劇じゃなくて利用されたユダヤ人ですね( 一一) 偽札がテーマですが、確か同じ時期にアウシュビッツへ向かう列車の中での物語の映画のDVDがリリースされて、そっちの方が私は、好みでしたねぇ~ 偽札は、ザクセンハウゼンっていう強制収容所ですが、そういえばアンネ・フランクってアイシュビッツの収容所でしたよねぇ~ そういうところを調べていったら面白かったですねぇ~ 偽札は、男性ばかりでしたが、やはり捕えられたユダヤの少女達の物語が観たいですねぇ~ 知りませんか?
Rouge Lip Strawberry Sexy Perfumeさんへ
こんにちは!
ユダヤ人を扱った作品の中では、確かに仰る通り、
特殊技能を持っていた主人公達は優遇されていたほうでしたね。
でも、何かがあればすぐに殺される・・・死と隣り合わせという
極限状態である事には変わりなかったです。
贋札を作らなければ殺されるし、作ればナチに加担して
家族が殺される・・・そんなジレンマが辛かったですね。

ユダヤの少女の物語で「サラの鍵」が良いらしいです。
捕えられて逃げた後の話らしいんですけどね。
いつも行くレンタル店に置いてなくて、未見なので、
他の店に探しに行こうと思ってます。

今回は、映画「ヒトラーの贋札(2007)」 劇場鑑賞しながら、なんとなく違和感を感じ、紹介記事が書けなかった作品です。 2007年アカデミー賞 ...
眼の前の命を救うべきか。 それとも、もっと大きなものに命を掛け、仲間にも犠牲を強いるのか。 それは究極の選択。 戦争に勝てたのは、 ...
ヒトラーの贋札 [DVD]販売元:東宝発売日:2008/07/11Amazon.
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■「Prime Music」―Amazonのプライム会員でいた事が良かったと思えた。100万曲以上が聴き放題!ピンポイントで自分が聴きたい曲がなかったりするけど、聴き流しにはいい。11/20 
■やっば~い!喪中ハガキ印刷のためにPCを開いたら、久しぶり過ぎてメールが山ほど溜まっていた。ほとんど宣伝メールだけどね。11/05  
■友人とランチに行った。混んでいて仕方なく座敷で正座して食べたけど、足とお尻が痛くなって焦った。前より悪化しているような。今週お坊さんが来るけど正座出来ないと困るな。10/26 
■娘がミスチルのZEPPでのLIVEに当選した!凄い倍率だったのに。翌日のEXILEのチケットもゲット。最近、ついてるな~ 私もLIVEに行きたいな~ 10/23  
■ショッピングでポイントが溜まっていてスカートがかなり安く買えた! 得した気分☆ 10/21 
■半年以上、不明熱による通院を続けているけど、血液検査の結果がだんだん良くなって来て少し希望が見えてきた。それにしても未だに原因不明。10/17 
 
 
 -YAN-

 
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■パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
■パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
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YAN

Author:YAN
生粋の名古屋人

映画は自宅鑑賞がほとんどです
自分の記憶の記録なので
ネタバレ多いです
愛情を込めて感想を
書いているつもり・・・ですが
文章はつたないです

音楽は70年代ROCKが好みです

「ネタバレあります」
→大きなネタバレ
「ネタバレあるかも」
→小さなネタバレ
となっています ご了承ください

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