メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
2008-11-04(Tue)
トミー・リー・ジョーンズ初監督作品でカンヌ映画祭男優賞受賞。
ギジェルモ・アリアガ(「アモーレス・ペロス」「21グラム」)脚本賞受賞
1度目の埋葬は犯人の手で
2度目の埋葬は警察の手で
3度目の埋葬は・・・・

監督:トミー・リー・ジョーンズ
製作:2005年 アメリカ・フランス
脚本:ギジェルモ・アリアガ
出演:*トミー・リー・ジョーンズ *バリー・ペッパー
*トワイト・ヨーカム *フリオ・セサール・セディージョ
俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ
私、知らずに「アルキメデス」と書いてましたわ。
「メルキアデス」の名前が長いので、
この先、映画中でも呼ばれていた「メル」と書きます。
メキシコ国境近くのアメリカ。
銃で撃たれた男の死体がみつかります。
ピート(トミー・リー)が心から信頼していた親友のメルでした。
ピートは必死になって犯人を捜そうとしますが、
地元警察は不法入国のメキシコ人の死を軽く扱い、
闇に葬ろうとするだけです。
ピートはメルの生前に彼と約束を交わしていました。
「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ」
メルを撃った犯人が、赴任してきたばかりの国境警備隊マイクと知り、
ピートはマイクを暴力で脅し、メルの遺体を掘り起こさせ、
故郷に運ぶ旅へ無理矢理連れ出します。
不法入国者が国境を越えてやって来たのと反対に、
アメリカからメキシコへ、二人と一遺体は、国境を越えていきます。
ネタバレあります
それはそれは険しい道のりで、断崖絶壁あり川あり、
馬では登れない斜面は自分の足で歩かなくちゃいけない、とくる。
こんな過酷な思いをしてまで、腐っていく遺体を運ぶピートの姿は、
狂気染みて見えるくらい、圧倒してきます。
それほど、メルに対して深い愛情があるって事でしょうね。
でも、作品の中では、二人がどんな風に
強い絆で結び付いていったのかは出てきません。
最後まで観ると分かるんだけど、
二人とも、とても孤独な人間だったから、
互いの心の奥にある寂しさが共鳴したのかもしれませんね。
言葉に出さずとも、互いの孤独を感じ取って寄り添っていたのでしょう。
信頼し合っていた親友との約束を果たすべく、
ヒメネス村を探し回った結果、
なんと 衝撃的な事実が判明する!。。。。
メルは親友にすら嘘をついていたのか?
いや、ただ夢を語っていただけだったのか。
メルの孤独がより一層伝わってきて、切なくなりました~
だけどピートは、それでも親友を信じ、夢を現実として形にします。
ピート「ここがヒメネスだ」 マイク「やっと見つけたな」
これはメルへの思いやりでもあり、
自分探しへの決着にも見えました。
マイクと言えば、確かにメルを撃つつもりで撃ったわけじゃなく、
はずみで起きてしまった事件なので、
罪の意識が弱く、途中まで言い訳ばかりしていました。
私から見ても、この旅でマイクは散々な目に遭い、
気の毒な感じはしましたよ。
でも、ピートの行為は、不毛な復讐ではなかった。
マイクに、自分がもたらした死と向き合わせ、
犯した罪をしっかりと自覚させる事が目的でした。
長い危険な旅の中で、マイクの意識も少しずつ変化していきます。
前は国境警備で、不法入国者は女だろうが容赦なく殴って、
人間らしい扱いをしていませんでした。
ところが、メキシコに渡ってみたら、人々は自分に優しく
手を差し伸べてくれた。
自分の心に差別と偏見があったけど、
それは間違いだったと、身をもって知りました。
人の命に重い軽いはない事も
罪を償い死者をきちんと葬る事も身をもって知りました。
ピートとマイクは最後には心が通じ合っていたように見えましたね。
ピートにとっては約束の旅、マイクにとっては贖罪の旅、
渋い男の世界のドラマでした。
あの盲目の老人が気がかりです。
ギジェルモ・アリアガ(「アモーレス・ペロス」「21グラム」)脚本賞受賞
1度目の埋葬は犯人の手で
2度目の埋葬は警察の手で
3度目の埋葬は・・・・

監督:トミー・リー・ジョーンズ
製作:2005年 アメリカ・フランス
脚本:ギジェルモ・アリアガ
出演:*トミー・リー・ジョーンズ *バリー・ペッパー
*トワイト・ヨーカム *フリオ・セサール・セディージョ
俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ
私、知らずに「アルキメデス」と書いてましたわ。
「メルキアデス」の名前が長いので、
この先、映画中でも呼ばれていた「メル」と書きます。
メキシコ国境近くのアメリカ。
銃で撃たれた男の死体がみつかります。
ピート(トミー・リー)が心から信頼していた親友のメルでした。
ピートは必死になって犯人を捜そうとしますが、
地元警察は不法入国のメキシコ人の死を軽く扱い、
闇に葬ろうとするだけです。
ピートはメルの生前に彼と約束を交わしていました。
「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ」
メルを撃った犯人が、赴任してきたばかりの国境警備隊マイクと知り、
ピートはマイクを暴力で脅し、メルの遺体を掘り起こさせ、
故郷に運ぶ旅へ無理矢理連れ出します。
不法入国者が国境を越えてやって来たのと反対に、
アメリカからメキシコへ、二人と一遺体は、国境を越えていきます。
ネタバレあります
それはそれは険しい道のりで、断崖絶壁あり川あり、
馬では登れない斜面は自分の足で歩かなくちゃいけない、とくる。
こんな過酷な思いをしてまで、腐っていく遺体を運ぶピートの姿は、
狂気染みて見えるくらい、圧倒してきます。
それほど、メルに対して深い愛情があるって事でしょうね。
でも、作品の中では、二人がどんな風に
強い絆で結び付いていったのかは出てきません。
最後まで観ると分かるんだけど、
二人とも、とても孤独な人間だったから、
互いの心の奥にある寂しさが共鳴したのかもしれませんね。
言葉に出さずとも、互いの孤独を感じ取って寄り添っていたのでしょう。
信頼し合っていた親友との約束を果たすべく、
ヒメネス村を探し回った結果、
なんと 衝撃的な事実が判明する!。。。。
メルは親友にすら嘘をついていたのか?
いや、ただ夢を語っていただけだったのか。
メルの孤独がより一層伝わってきて、切なくなりました~
だけどピートは、それでも親友を信じ、夢を現実として形にします。
ピート「ここがヒメネスだ」 マイク「やっと見つけたな」
これはメルへの思いやりでもあり、
自分探しへの決着にも見えました。
マイクと言えば、確かにメルを撃つつもりで撃ったわけじゃなく、
はずみで起きてしまった事件なので、
罪の意識が弱く、途中まで言い訳ばかりしていました。
私から見ても、この旅でマイクは散々な目に遭い、
気の毒な感じはしましたよ。
でも、ピートの行為は、不毛な復讐ではなかった。
マイクに、自分がもたらした死と向き合わせ、
犯した罪をしっかりと自覚させる事が目的でした。
長い危険な旅の中で、マイクの意識も少しずつ変化していきます。
前は国境警備で、不法入国者は女だろうが容赦なく殴って、
人間らしい扱いをしていませんでした。
ところが、メキシコに渡ってみたら、人々は自分に優しく
手を差し伸べてくれた。
自分の心に差別と偏見があったけど、
それは間違いだったと、身をもって知りました。
人の命に重い軽いはない事も
罪を償い死者をきちんと葬る事も身をもって知りました。
ピートとマイクは最後には心が通じ合っていたように見えましたね。
ピートにとっては約束の旅、マイクにとっては贖罪の旅、
渋い男の世界のドラマでした。
あの盲目の老人が気がかりです。