シティ・オブ・ゴッド
2008-10-02(Thu)
この作品が良いと以前に聞き、やっと鑑賞してみました。
なんとも凄まじい鮮烈な映画でした。
これは必見作じゃないでしょうか!

監督:フェルナンド・メイレレス
製作:2002年 ブラジル
出演:*アレクサンドル・ロドリゲス *レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ
ブラジル リオデジャネイロ 神の街
暴力も銃もドラッグもすぐそこにある日常を駆け抜ける
少年たちの 事実にもとづく物語
リオデジャネイロにある「シティ・オブ・ゴッド」と呼ばれる
街での日常を、十数年にわたって見てきた男が、
淡々と語っていきます。
何が「神の街」だか知らないけど、
ブラジルの貧民をとりあえず隔離しておく・・・みたいな場所なんです。
国の保護もなく、治安はムチャクチャ。
子供は小さい時から銃を手にし、麻薬・窃盗は日常茶飯事。
生きるか死ぬかしかない環境の中で、
でもみんな実にイキイキとパワフルに生きています。
ストーリーのネタバレあります
時には子供が子供に銃を向けるシーンもあり、
いくら貧民街の実情を描いているとは言え、
ここまでやらなくてもいいでしょと思っていたら、
ラストになって「事実に基づいた物語」とテロップがあり、
本人達の顔写真や映像まで出てきた・・・
ガ~ンと頭を殴られたような衝撃!!
今まで観ていた子供達の悪行や死体の山が事実だとは。
私は虚構の物語だと思ってました。
ストーリーだって、いろんなドラマがあったし、
登場人物もみんなキャラが立っていたし。
何よりもラテン系のせいか、ノリのいい音楽がふんだんに使われ、
全体がとってもPOPな作りなんです。
効率よく話を展開させているカメラワークもアートな雰囲気なので、
エンターテイメント作品のように思い込んでました。(また思い込み)
地球の裏側に、こんなにも命が軽い社会があるとは・・・
このような事実が想像もつかないくらい、
全ての基準が違い過ぎる・・・愕然・・・
生活水準は「ツォツィ」ほど酷くないと思うんだけどなあ。
プレハブ風文化住宅みたいな家はあるし食べ物も一応ある。
親のいる家庭もあるし、学校だってある。
でも、窃盗や麻薬売買で、街の人間が何とか生きていけるわけで、
警察も武器を売ったり、人の儲けを横からかすめて潤っているから、
誰も悪事を止めようとしない。
子供は年上の者のやる事を見て育つから、状況はエンドレス。
でも、中には,、「このままではいけない」と目覚める者もいました!
最初の三人組のうちのアリカーチ、カベレイラ。
そして、リトル・ゼの相棒ベネ。
私は登場人物の中で、ベネが一番好きでした!
明るく、根はイイ奴で、人望が厚かった。
リトル・ゼが唯一心を許し、言う事が聞けた人間。
なので、ベネがいなくなり、リトル・ゼは制御不能になってしまったのだ。
それから、主人公のブスカペ。
彼も人並みに(!)悪い事をしようとするが、結局出来ない。
悪になりきれない人間もいるって事で、ちょっと安心しました。
ブスカペは、神の街の中にいて、抗争を見ていながら、
よく死なずにおれたものです。
それは、控え目な態度で、感情を露にしなかったせいだと思います。
もし、兄の復讐でギラギラしていたら、命を落としていたでしょう。
最後までリトル・ゼに名前を覚えてもらえなかったくらい、
彼には強烈さがありませんでした。
そんな彼のナレーションは、実に客観的で、
余分な感情を入れないので、物語が生々しくならずに済んだのです。
それと大事だと思ったのは、銃を持たずにカメラを持った事。
殺しとは別に、興味のある物があった事。
これは他の若者達との大きな違いでした。
このあたりに、生き延びる方法は見つけられます。
だけどこの作品を観て、目立たないブスカペよりギャング達のほうが、
カッコイイって言う子供(スラム街の)、いるんじゃない~?
太く短く生きたほうが、鮮烈な印象を与えるから。
まあそれでも、この作品はもちろんギャングを
魅力的に描いているものでもないし、
かと言って賢く生き延びる道を示したものでもないし、
国や警察の批判をしたものでもありません。
とにかく事実を突きつけた、切れ味鋭い作品でした。
なんとも凄まじい鮮烈な映画でした。
これは必見作じゃないでしょうか!

監督:フェルナンド・メイレレス
製作:2002年 ブラジル
出演:*アレクサンドル・ロドリゲス *レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ
ブラジル リオデジャネイロ 神の街
暴力も銃もドラッグもすぐそこにある日常を駆け抜ける
少年たちの 事実にもとづく物語
リオデジャネイロにある「シティ・オブ・ゴッド」と呼ばれる
街での日常を、十数年にわたって見てきた男が、
淡々と語っていきます。
何が「神の街」だか知らないけど、
ブラジルの貧民をとりあえず隔離しておく・・・みたいな場所なんです。
国の保護もなく、治安はムチャクチャ。
子供は小さい時から銃を手にし、麻薬・窃盗は日常茶飯事。
生きるか死ぬかしかない環境の中で、
でもみんな実にイキイキとパワフルに生きています。
ストーリーのネタバレあります
時には子供が子供に銃を向けるシーンもあり、
いくら貧民街の実情を描いているとは言え、
ここまでやらなくてもいいでしょと思っていたら、
ラストになって「事実に基づいた物語」とテロップがあり、
本人達の顔写真や映像まで出てきた・・・
ガ~ンと頭を殴られたような衝撃!!
今まで観ていた子供達の悪行や死体の山が事実だとは。
私は虚構の物語だと思ってました。
ストーリーだって、いろんなドラマがあったし、
登場人物もみんなキャラが立っていたし。
何よりもラテン系のせいか、ノリのいい音楽がふんだんに使われ、
全体がとってもPOPな作りなんです。
効率よく話を展開させているカメラワークもアートな雰囲気なので、
エンターテイメント作品のように思い込んでました。(また思い込み)
地球の裏側に、こんなにも命が軽い社会があるとは・・・
このような事実が想像もつかないくらい、
全ての基準が違い過ぎる・・・愕然・・・
生活水準は「ツォツィ」ほど酷くないと思うんだけどなあ。
プレハブ風文化住宅みたいな家はあるし食べ物も一応ある。
親のいる家庭もあるし、学校だってある。
でも、窃盗や麻薬売買で、街の人間が何とか生きていけるわけで、
警察も武器を売ったり、人の儲けを横からかすめて潤っているから、
誰も悪事を止めようとしない。
子供は年上の者のやる事を見て育つから、状況はエンドレス。
でも、中には,、「このままではいけない」と目覚める者もいました!
最初の三人組のうちのアリカーチ、カベレイラ。
そして、リトル・ゼの相棒ベネ。
私は登場人物の中で、ベネが一番好きでした!
明るく、根はイイ奴で、人望が厚かった。
リトル・ゼが唯一心を許し、言う事が聞けた人間。
なので、ベネがいなくなり、リトル・ゼは制御不能になってしまったのだ。
それから、主人公のブスカペ。
彼も人並みに(!)悪い事をしようとするが、結局出来ない。
悪になりきれない人間もいるって事で、ちょっと安心しました。
ブスカペは、神の街の中にいて、抗争を見ていながら、
よく死なずにおれたものです。
それは、控え目な態度で、感情を露にしなかったせいだと思います。
もし、兄の復讐でギラギラしていたら、命を落としていたでしょう。
最後までリトル・ゼに名前を覚えてもらえなかったくらい、
彼には強烈さがありませんでした。
そんな彼のナレーションは、実に客観的で、
余分な感情を入れないので、物語が生々しくならずに済んだのです。
それと大事だと思ったのは、銃を持たずにカメラを持った事。
殺しとは別に、興味のある物があった事。
これは他の若者達との大きな違いでした。
このあたりに、生き延びる方法は見つけられます。
だけどこの作品を観て、目立たないブスカペよりギャング達のほうが、
カッコイイって言う子供(スラム街の)、いるんじゃない~?
太く短く生きたほうが、鮮烈な印象を与えるから。
まあそれでも、この作品はもちろんギャングを
魅力的に描いているものでもないし、
かと言って賢く生き延びる道を示したものでもないし、
国や警察の批判をしたものでもありません。
とにかく事実を突きつけた、切れ味鋭い作品でした。