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ノーカントリー
うちの近くのレンタル店では、
新作でも当日返却なら143円だと知ったので、
今回、それで借りてみました。

でも、こういう時に限って、途中で友達から電話があったりで、
ゆっくり観られませんでした。
中断・中断で観ていくうちに、
あっ気ないラストに「はっ??」の気分になり、
慌てて、トミー・リーの夢の話だけ吹き替えで観直し、
返却に走りました。
やっぱり、これからは100円アップでも
せめて1泊でレンタルしようと思います。

ノーカントリー
監督:ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
製作:2007年 アメリカ
原作:コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」
出演:*トミー・リー・ジョーンズ *ハビエル・バルデム *ジョシュ・ブローリン

世の中は計算違いで回る

銃撃戦の跡という、明らかに犯罪の臭いのする現場から、
置き去りにされた大金を持ち去った男が、
冷徹な殺し屋に追われる・・・

ネタバレありです
核心には迫ってませんが(迫れませんでした・・(^_^;)



その殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)は、
異様な凄味があって恐ろしい男だ!
噂に違わぬハビエル・バルデムの狂気に、オスカー、納得です。

いきなりオープニングのシーンで見せてくれるじゃないの。
床に残った保安官の無数の靴跡で、シガーという男の恐怖が、
一気に伝わってきて
、震え上がりました~

殺しには自分なりのルールがあるようだけど、
ほとんど理屈なし、快楽という感情すらありません。
冷徹で情け容赦ないから、シガーと誰かが向き合うたびに、
常に強いられる緊張感におののきました

大金を持って逃げるモス(ジョシュ・ブローリン)。
思った以上に機転が利いて度胸も行動力もある。
田舎の溶接工があそこまで出来るとは、感心しました。
それが修羅場を潜り抜けたベトナム帰還兵の底力なんだろうか。

今まで、ベトナム帰還兵に関しての映画は、
精神を病んでしまった話ばかりだったけど、
この作品では敬意を示した描かれ方になっています。
メキシコ国境検問で、帰還兵というだけで入国許可されたり、
ウェルズ(二人目の殺し屋)と病院での会話で、
互いが帰還兵って事でちょっとシンパシーを見せたりしますね。

シガーとモス、モーテルでのニアミスもドキドキですが、
ホテルのドア一枚隔てて対峙するシーンは緊張感が最高潮!

音楽一切なしでピーンと張り詰めた静寂。
ドアの隙間の光を遮る足の影。構えるモス。
去る足の影。消える廊下の灯り。
シガーの全身を見せる事なく、迫り来る恐怖を描いたすごい演出でした。

このあたり、とても丁寧に撮られていたのに、
後半になるにつれて、あっ気ない省略が多くなり肩透かしです。
コーエン兄弟の、観客の予想を裏切るやり方なのかな。
世の中 思うように運ばないぞと、予測不能、理解不能・・・
そういう事を映画の作りでも表しているんでしょうか。

一方、シガーとモスを追うベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、
「逃亡者」の時のような切れ者かと思いきや、
最初から「最近の犯罪は全く理解できない、直面したくない」と嘆く。
その通り、アメリカだけじゃなく、日本でも同じく、
社会には秩序がなくなり、理解の及ばない変化が生まれ、
「住みにくい国」となっています。

最初と最後がベル保安官の語りになっているように、
この作品はずっとベル目線のものです。
事件を追いかけても追いつけず、傍観するしかありませんでした。
一度、死を覚悟して現場に戻ったけど取り逃がしてしまいます。
その時のベルのやりきれない表情は何とも言えません。
もう自分には為す術がないとハッキリ限界を感じたんですね。
時代に置いていかれた彼は引退を決意し、
正面から立ち向かう仕事をやめます。

最後に夢の話が出てくるんですが、
父からお金をもらったが失くしたという夢は、
父から保安官としての誇りを譲り受けたけど、
仕事を全うできなかった虚無感でしょうし、

父が先に行って待っていてくれるという夢は、
死後の世界の話でしょう。

この夢の話からすると、シガーが象徴するものは、
「世の中の理解不能な闇」でもあり「人にいつか迫る死」でもあるようです。
でも前者は社会的テーマで、後者は哲学的テーマで別物だし、
実は今でもこのあたり混乱したままスッキリしていません。
(中途半端な感想ですね)

しかし、どちらも不意に襲われたら逃れられないものです。
それはシガー自身にも同様に予測不能な形でやってきます。
もはや誰の力も及ばない・・・一流の皮肉で終わっていました。

#2007年アカデミー賞 作品賞・助演男優賞・監督賞・脚色賞、受賞

テーマ : 個人的な映画の感想
ジャンル : 映画

Secret
(非公開コメント受付中)

いやな映画
…というのは、ほめ言葉でもあります。
それほど殺し屋の存在感はありました。でも、好きな映画ではないです。
「ダークナイト」のコイントスで、このシガーを思い出してましたよ。
ボーさんへ
好き嫌いに関わらず、印象には残りますよね。
特にシガーの風貌や無機質な感じ、そして迫ってくる凄味。
忘れられない悪人となりました。

コイントスは偶然にもトゥーフェイスと同じでしたね。
モスの奥さんに最後に言われた言葉は、
『コインのせいにしてるけど自分がやるんでしょう?』って意味かな?
NoTitle
結末の夢の意味はこのサイトをご参考に。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20080320

ベトナム帰還兵の設定は、追跡劇にリアリティを出すための演出です。一般人があんなに考えて行動できるはずがないので。(笑)
原題はNo Country for Old Manですが、老人だけじゃなく誰にとっても住みにくくなってしまったアメリカへの嘆き、それは誰にも突然訪れる暴力による死に支配されつつあるアメリカや世界への嘆きなんだろうと思います。
YANさんのレビュー、中途半端じゃなくてポイントはばっちりだと思いますよ。
>ホテルのドア一枚隔てて対峙するシーン
こないだ「裏窓」で書いたのはこのシーン。そっくりです。
NoTitle
YANさん、こんにちは!
YANさんは中断しながら観ても、核心に迫れないと言っても、ちゃんとしたレビューが書けますねー。いつもながら感心します。
映画鑑賞後、YANさんのレビューで理解を深めることが多い私には、今回も参考になりました。
そしてwhitedogさんの教えてくれたサイトも参考になりました。ここへ来て良かった。
理解してるかどうか分かりませんが、いいテーマで、演出も演技も素晴らしく、また観たくなるような映画でした。

Whitedogさんへ
とても参考になる情報をありがとうございました。
さすがWhitedogさんは情報通で、いろいろ詳しいですね~!

すでに「No Country・・・」という同タイトルの詩が存在してたんですね。
避けられない老いや死がテーマで、まだ歩き続けなければいけない・・・
としたら、映画では引退を決めたベル保安官だけど、
一度もシガーと対面する事なく死を免れ生かされたんだから、
あの夢を見た後、また仕事に復帰する可能性がありますね。(ないか・・)

はい「裏窓」の記事ありましたね。同じようなシーンがあったとは。
あのシーンは手に汗を握り心臓バクバクで、強烈でした!

Whitedogさんの解説で、なんとなく理解ができたような気がします。
CDさんへ
こんにちは!
とんでもない、ちゃんとしたレビューじゃないですよ~
思いつきを並べただけで、途中で投げ出したんだから・・・(^_^;

Whitedogさんからイェイツの詩を紹介してもらって参考になりましたよね。
CDさんも同じようにこだわっていた「80年のアメリカ」というのは、
意味がないわけじゃないけど、
それほど重きを置かなくてもいいのかもしれませんね。

後半も同じテンションで行って貰いたかったかな。
私もまたじっくりと落ち着いて観直してみたいと思ってます。
NoTitle
新作、安!羨ましい! 一泊でもまだ安い!
あー、安いお店の近くに住みたいな~☆

『ジョーブラックによろしく』でも、「決して逃れられないもの。それは税金と死神」と言ってましたね。
そんな感じで、誰しも死からは逃れられないってコトが言いたかったのかな?
で、死神代表がシガー、みたいな。(スイマセン、いい加減なコト言ってます☆)

シガーはあの後もまだまだ死なないと思います~
骨折くらいなら、自分で「フンッ!!」と直しちゃいそう^^;

観たい映画です!
こんばんは☆

ハビエル・バルデムなので、見たいなぁと思いつつ、まだな映画なんですが・・・
IHURU、コーエン兄弟をあまり面白いと思えないんですよね・・・
評価の高い「ファーゴ」なんかも、あまり肌が合わず・・・

でも、ハビエル・バルデムはやっぱり凄いんですね!
それを知って、やっぱり観たいと思いました!
わさぴょんさんへ
1泊でも238円なので、そうすれば良かったと後悔です・・・
最近そのお店は韓流映画やアメリカドラマシリーズにスペースを割いて、
だんだん普通の映画コーナーが狭くなってきてます。
ハビエルさんの「夜になるまえに」は、ないって言われた~(T_T)エ~ン

ジョー・ブラックにそんなセリフありましたか。すごい記憶力!
偶然だけど、コーエン兄弟の次回作は、ブラピ主演らしいですね。
「Burn after Reading」これも楽しみ!

死は死でも、不条理な死ではないかと受け取りましたが(やっぱり迷いが)
シガーの不死身さには驚いたわ!
あの人は、何がやって来ても平っちゃらですね~
IHURUさんへ
こんにちは!
私もコーエン兄弟は詳しくないけど
肌が合わない人が観ると、ひょっとして面白くないかも・・・
肩透かしを食わされる部分があるし、メッセージが読みにくいし、
全て解決というスッキリ感はありません。

でもハビエルさんは、恐いし不気味だし、ものすごい存在感でしたよ。
それだけでも観る価値があると思います。
ご覧になったら、また感想を聞かせてくださいね。
こんにちは
YANさんの後半からラストの解釈について
なるほどなぁと感心してしまいました。

私は、もうオープニングから
シガーの存在感だけで圧倒され続けてしまい、
何も考えることができませんでした。

シガー、モス、エド。
それぞれの視点でこの作品を観ると
違った印象を受けるかもしれませんね。
ひでさんへ
こんにちは!
なるほどなあと言われても、
中途半端なまま結論が出てなくて、すいません(^_^;

シガーの存在感は、本当にオープニングから強烈でしたね!
私もヒエ~と凍りつきましたよ。
あのワンシーンでシガーの恐ろしさを充分に表現してました。

全くタイプの違った三人なので、
視点もまた異なっているでしょうね。
それも面白いですね。
溶接工にしとくのはもったいない
YANさんこんばんは

これはかなりおもしろかったですね
濃い2人の追いかけっこシーンも迫力あり、ハラハラドキドキでした
しかし、強烈な殺し屋、もう機械みたいなもんですからねぇ
そういうサスペンス的なところが楽しめたので、後味が悪い印象は持たなかったんですが
かなり打ちのめされました
綺麗事を描かない作品

この監督さんの作品ってクスッって笑えて、でも消化不良的なところがあるんですが
今回はここまで強烈だと、いろんなとり方があるけど、
満足ですね
わかりやすかったかも
雨里さんへ
モスはなかなかの切れ者でしたよね。
ベトナム帰還兵という設定が活きてました。

雨里さんにとっては、これ分りやすかったですか。
なんか私には理解しがたかったわあ。
目線がトミー・リーってところがただのサスペンスで終わってない感じで。

でも、私も雨里さんと同じで、これはけっこう気に入ったし、
内容的に満足しました。
今でもシガーの顔はすぐに思い出せます。ほんと怖かった~
この年のアカデミー賞関連作は、綺麗事じゃないのが多かったような。
こんにちは
今作は何と言ってもハビエル・バルデムが演じたシガー!!
このシガーの圧倒的キャラクター力に飲み込まれてしまいました。
このシガーを観れただけでも大満足。
緊張感がハンパなかったです。

しっかしYANさんのレビューはいつも勉強になります(^▽^)
今後も観る作品がかぶるのを楽しみにしてます!!
ゆず豆さんへ
こんにちは!
ゆず豆さんの言う通り、シガーの圧倒的キャラ力は凄かった!
不気味で得体が知れなくてとにかく恐ろしい。
この作品の肝はシガーだったので、演じたバビエル・バルデムは
役割を完璧にこなしたと言えますよね。
私は、こういう実力派の俳優さんが好きなんです~♪
今公開中の「007」での悪役も好評のようで期待大です。
シガー・シリーズ、あったらいいな(^_^)

この作品などは未だにどういうテーマだったのか悩むくらいで、
たいして参考にならないと思いますが、(^^;
今後もいろいろな作品をゆず豆さんと語り合いたいですね~☆

大金を拾い、黙って自分のものにしようとした男が、恐ろしい殺し屋に追われる。 老保安官は、自分には理解できないような犯罪が増えたことを...
Comment: 逃げる男、逃げる男を追う男、追う男をさらに追う男の恐怖と狂気を描いたサスペンス。 コーエン兄弟がオスカーを受賞した話題作です。 いったい何人、劇中で殺せば気が済むのか判らないくらいにバッサバッサと人が殺されます・・・(^_^; この作品はもう
ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD](2008/08/08)トミー・リー・ジョーンズハビエル・バルデム商品詳細を見る 200...
2007年制作 米 監督:ジョエル・コーエン, イーサン・コーエン ≪キャッチコピー≫ 『世の中は計算違いで回る』 ≪ストーリー≫ テキサスの荒野で狩りをしていたモスは、死体の
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 -YAN-

 
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■母なる証明
■ハプニング
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YAN

Author:YAN
生粋の名古屋人

映画は自宅鑑賞がほとんどです
自分の記憶の記録なので
ネタバレ多いです
愛情を込めて感想を
書いているつもり・・・ですが
文章はつたないです

音楽は70年代ROCKが好みです

「ネタバレあります」
→大きなネタバレ
「ネタバレあるかも」
→小さなネタバレ
となっています ご了承ください

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