銀河ヒッチハイク・ガイド
2008-08-06(Wed)

監督:ガーズ・ジェニングス
原作:ダグラス・アダムス
製作:2005年 アメリカ・イギリス
出演:*マーティン・フリーマン *サム・ロックウェル *ジョン・マルコビッチ
DON'T PANIC
この映画は、一見おバカ映画なんですよ。
いや、二見もおバカ映画かな。小ネタばっかり出てきてね。
でも最終的に、深いテーマがあったんだと気付いた時には、
目から鱗の思いでした~
最初のイルカの歌から、面食らったわぁ。
ミュージカルのようなシーンからスタートするとは!
♪So Long So Long ♪と軽やかに、
イルカたちは地球を去って行きます。
地球上で、2番目に賢い生命体がイルカで、
3番目に賢いのが人類だそうです。
じゃ、1番目は何かと言うと、それは最後に分かるんですね~
銀河系を通るバイパス建設のため地球は壊されます。
最後に一人生き残った人類は、
冴えないイギリス人のアーサー(マーティン・フリーマン)。
実は宇宙人だった友人(モス・デフ)に助けられ、
広大な宇宙をヒッチハイクする事になる・・・という、
とんでもない設定には、『はあ?ついていけるのか?』と不安になったわ。
その後、次から次へと出てくる奇妙なキャラクターによる
軽妙な展開に、ブフフっていう微妙な笑いを連発。
特に、サム・ロックウェルの大統領は、ぶっ飛び強烈キャラ。
権力や神までも笑い飛ばすという事をやってのけるんです。
おかしくて、カッコ良かったり、いやな奴だったりします。
ネタバレあります
この映画の中で、すごい問いが出てきます。
「生命・宇宙・その全て」
この問いの答を追求していた映画だったんですよ。
その問いをスーパーコンピューター・ディープソートに尋ねると、
750万年考えて、出した答は「42」だって。
なんじゃ、そりゃ!! もう意味不明!
そんな、ギャグか何か分からないようなシーンの連続なんです。
それで、その究極の問いに対するちゃんとした答を出すために、
コンピューター自体に生命体を取り込んだ、
さらに高性能のコンピューターを作り、1000万年観察する事にした。
なんと、それが地球なんですよ。
地球は、宇宙人が、究極の問いの答を出すために、
作り出した意義あるものだったんです。
スッテンコロリン映画だと思っていたら、
ビル・ナイが登場したあたりから、ガラッと印象が変わりました。
中身はしっかりありました。むしろ感動さえ覚えましたよ。
ビル・ナイのセリフ「深い事は考えずにしっかり生きる」にも
ズーンときましたね~
壊した高性能コンピューター(地球)には、バックアップがあって、
そこへ生命を吹き込んだ時の映像にも、
思わず「うわ~」と声をあげたくなりました。
小さな植物、小さなプランクトンから始まって、人類が誕生した。
ここにいる自分達が奇跡のような存在と思えてきます。
まさか、このコメディから、そんな深い事を思い知らされるとは。
最初観た時からは、想像もつかない感情が込み上げてきました。