Rocking Chair Blog

旧作を中心とした映画のブログです たまに音楽の話題もあります

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ツォツィ

ツォツィ

監督:ギャヴィン・フッド
製作:2005年 南アフリカ/イギリス
出演:*プレスリー・チェニヤハエ *テリー・フェト *ケネス・ンコースィ

銃を持つその手で、小さな命を拾った。

REMEMBER AFRICA!

また今年もアフリカを舞台とした、いい作品を観る事ができました。
主人公が 失っていた人間性を取り戻すという
シンプルなドラマですが、何と言っても俳優の目が良かった!

今作は、南アフリカのヨハネスブルグでの物語です。
地下鉄の走るビル街もあれば、みすぼらしいスラム街もあります。
主人公は、ツォツィ(不良)と呼ばれている、
ギャング仲間のリーダー的存在で、
スラム街のあばら屋で暮らしています。

やる事と言ったら、人からお金をまき上げる事。窃盗・傷害です。
貧しくて親はそばにいないし、教育も受けてないから、
暴力しか自分を守るものを知らないんですよね・・・

銃で人を撃ったりして、かなり酷い犯罪を犯してるから、
ヘタにかばう事はできないけど、
社会事情のせいで、荒んだ生活をしているとも言えます。

「ある子供」という映画を思い出しましたよ。
思慮に欠ける生活をしている少年少女を描いていて、
もっと社会が子供達に関心を持っていたら、
もう少しまともに生きられただろうにと思った作品です。

共通項として、両作品に赤ん坊が出てきます。
「ある子供」のブリュノは、赤ん坊に対して、
何の感情も抱かなかったところが、
今時らしいと言うのか、理解しがたい反応でした。

ツォツィは、それに比べると、もっと本能的で、
シンプルな思考回路をしています。
身を守るには暴力。人には弱みを見せない。
赤ん坊という小さくて弱い者が泣いていたら、助けようとする。
人間が本来持つ本能のままという部分に、まだ救いがあったと思います。

ツォツィは子供の頃、家庭の酷い状況から
家を夢中で飛び出し、土管をねぐらにして生きてきました。
驚くべき事に、南アフリカでは、そのような土管暮らしの
子供たちが大勢いるんです!ツォツイ予備軍がね!
胸が苦しくなるような光景ですよ。

一方で、草むらを隔てたところには、
裕福な者の近代的設備の整った邸宅が並んでます。
ひどい格差社会なんですね。。。

人に頼らず、ひたすら社会を睨みつけて生きてきたツォツィ。
でも、赤ん坊という無垢で無防備な者が全身で自分を
必要としてきた時、自然と眼差しが緩みました。
目の表情の変化が実に見事でした〜

近所の女性ミリアムが授乳する姿に、
母親の愛を思い出し追い求めるとは、
ツォツィ自身いくら突っ張っていても、まだ少年なんですね。
大きな母性に触れて、人間としての良心に徐々に目覚めていきます。

ツォツイは、身障者に「犬みたいになってもなぜ生き続ける」と
問いかけ、生きる意味をみつけようとするんですね。
そういう事を考え出して 初めて、
人間としての品位が持てるようになるんじゃないでしょうか。

暴力のほとんどは、突発的で衝動的なものだと言います。
それが取り返しのつかない事態を招く事も多いけど。
ツォツィがやっと最後になって
人間性と品位を取り戻したのを見たら、
もう一度だけ、チャンスを与えてやってほしいと、
思ったりもしました。主人公だからかな。

音楽が、リズムのしっかりしたHIPHOPでカッコよかったです。

#2005年アカデミー賞外国語映画賞受賞
  • [No Tag]

*Comment

NoTitle 

私も「ある子供」を連想しました。
あっちはほんとイマドキな感じで、
犯罪の程度は軽い(殺しなどではない)とはいえ、
ツォツィより救い様がない感じがしたな〜☆

ツォツィも、オジサンの小銭の缶を蹴っ飛ばした時は
「ヒッ、ヒドいー!!」と思いましたが^^;

格差社会・・・なんとかできないのかな。
ああいう生活をしてる子供達が実際いるなんて
考えるとやり切れませんね。


  • posted by わさぴょん 
  • URL 
  • 2008.07/18 18:22分 
  • [Edit]

主人公の目から伝わってくるもの 

YANさん、こんばんは。

少年犯罪についての映画はとてもやりきれない気持ちにさせられますね。
大抵の場合は許せないのだけど…この映画では少年の目から心情や成長が伺える気がして…私も許してあげたくなってしまいました。
R-15ですが、若い人たちに見て欲しいと思った映画です。
  • posted by Eleuthera 
  • URL 
  • 2008.07/18 21:13分 
  • [Edit]

南ア映画、珍しい 

貧民の暮らしの悲惨さ。土管に住んでましたっけ。
愛情とか教育とか、人に必要なものについて思ったり。
あんまり選り好みしないで、こういう映画も見ないといかんなーと、少しは反省いたしました。
  • posted by ボー 
  • URL 
  • 2008.07/18 23:55分 
  • [Edit]

NoTitle 

YANさん、こんばんは!
YANさんのツォツィ(主人公)に対する分析、鋭いと思います。こういう、ひどい犯罪を犯していると主人公でも許せなかったりするんですが、ツォツィに対しては、罪を償って更正して欲しいという気持ちにさせられました。YANさんの言うように目の演技も素晴らしかったですねー。
そして、こういう格差社会とか悲惨な社会を作ってはいけないし、許しとか贖罪の機会を与えるということの大切さみたいなことを考えさせられる良い映画でしたね。
それと、赤ん坊を誘拐されたお父さんの、ツォツィに対する行動というか思いは、尊敬に値するものだと思いました。
  • posted by CD 
  • URL 
  • 2008.07/19 00:50分 
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わさぴょんさんへ 

おお、わさぴょんさんも連想しましたか!
タッチの違いからあちらは重さ暗さがないけど、
ツォツィのような心境の変化もなかったような・・( ̄∇ ̄*)ゞ

いつもなら小銭を盗るところを、そんな気にはなれず、
でもワルぶった態度で蹴ってみせたのかな?
でも、オジサンは拾うのが大変なんだから、ひどいですよね。

人間ドラマに、アフリカの現状を上手く反映させてました。
土管もあばら屋も本物らしいですね。
親も子供を見捨てたままなんて、考えられない。。。
まずそういうところから何とかしていってほしいです。
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/19 11:29分 
  • [Edit]

Eleutheraさんへ 

許せるかどうかは、立場によって全然違ってきますよね。
被害者だったら到底許せないですもんね。

私たちは、主人公側から事情を見てるから、
どうしても感情移入してしまいます。
もし裁判員に選ばれて、少年犯罪者が法廷で
ツォツィのような目をしていたら、どうしましょう・・

そうですね、若い人たちはこの作品からいろいろ学べますよね。
暴力がもたらすもの、人間の良心、無償の愛とか・・・
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/19 11:32分 
  • [Edit]

ボーさんへ 

土管は私にとっては印象的でしたよ。
小さい子供たちだけで、雨風をしのいでそこで暮してるなんて。

そうですよね、愛や教育があれば、
ただ社会を恨んで暴力に頼るだけの生活にはならないはずだけど、
日本は恵まれてるのにおかしな事件が起きたりして・・・

アフリカの事情には先進国にも責任の一端があると知って、
アフリカの事を忘れちゃいけないなあと、たいそうな考えもないけど、
REMEMBER AFRICAと思いつつ、この作品を観ました。
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/19 11:36分 
  • [Edit]

CDさんへ 

鋭いなんてとんでもない・・・(^_^;
↑のCDさんのコメントのほうが、よっぽど鋭いと思いますよ。
この作品を紹介してくれただけあって、テーマをしっかりと受け取っているようで。
アフリカの現状にも人間ドラマにも考えさせられるものがありましたね。

今まで、犯罪に関しては事件の結果しか見てこなかったけど、
視点を変えて見ると、許す事も必要な時があるのかもしれない、
人によっては更生の機会を与えるべきかなって、思いました。
その見極めは難しくてよく分かりませんが。

あの赤ん坊の父親は、被害者でありながら、
ツォツィの良心を信じて寛大な心で人として接してましたよね。
あれは、なかなかできるもんじゃないですよね!

それから、わさぴょんさんのところでアリの事を気にしてたでしょ?
あれはCGだと監督が解説で言っていたので安心してください(^^)
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/19 11:40分 
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NoTitle 

アフリカが舞台の作品、良い作品が多いですね。小屋の中で赤ちゃんの世話をするシーン、経験した事のある人は、あのシーンだけで感情移入してしまうかもしれません。あまりに赤ちゃんが気持ち悪そうで。(笑)
「シティ・オブ・ゴッド」という、ブラジルのスラム街が舞台の少年犯罪を描いた作品がありますが、あれも強烈です。実話ベースなので余計に強烈です。「ツォツィ」みたいに感動はしませんけど。
  • posted by Whitedog 
  • URL 
  • 2008.07/19 20:37分 
  • [Edit]

NoTitle 

YANさん、こんばんは!
アリはCGでしたかー。安心しました。
子を持つ親としては、あまりにもかわいそうで・・・。

この映画のテーマは「償いと寛容」なんだそうです。
上のコメントを読んでいると、そういうことに対する
感じ方もYANさんとは似てるなーと改めて思いました。
  • posted by CD 
  • URL 
  • 2008.07/19 22:41分 
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NoTitle 

コメントありがとう。
やっとレビュー読みにこれました。
まだ子供なのに過酷な状況で育った彼を変えたのは更に幼い赤ちゃんだった…
大人って何をしてるんだろうね。
  • posted by 夢眠 
  • URL 
  • 2008.07/20 08:40分 
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Whitedogさんへ 

去年3作品観て、アフリカの現状を垣間見ることができ良かったと思いました。
赤ちゃんの世話をしているシーンは最初のほうだけでしたね。
あの後、ちゃんとオムツを交換しているのか、心配でしたよ。
ケガをした友人の世話もどうなのか、そちらも心配になりました(^_^;
とにかく赤ちゃんが、顔の表情も手の動きもすごく可愛いくて、
あれだったら、誰でも放ってはおけませんよね!感情移入してしまいました。

「シティ・オブ・・・」はけっこう話題になっているのを聞きますが未見です。
覚えておきますね。φ(・_・) メモメモ (でも、感動はない・・ん〜)
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/21 12:18分 
  • [Edit]

CDさんへ 

そう、CGですって。一匹だけ冷凍した死骸をホホに乗せたけど。
生きたアリは母親が許さないって、監督が言ってましたよ。
そりゃそうですよね〜、あんなウジャウジャ 親は絶対許しません!

テーマは、はっきりと出されているんですね。
「償いと寛容」のほうなんですか〜 後半に色濃く出てましたね。
加害者の、自分がやった事に対する償い、
被害者の、罪を憎んで人を憎まずという寛容な心。
当事者になったら、どうなるか分かりませんね〜
感性がCDさんと似てて良かったです〜(^^)
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/21 12:21分 
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夢眠さんへ 

平日はお仕事でお忙しそうですね〜

主人公は仲間の前では強がっているけど、
一人になると幼い頃を思い出したりする子供でしたよね。
自分より小さくて無力な赤ちゃんは見捨てておけなかった。
実際、赤ちゃんは無力どころか大きな力を持ってたんだけど!
大人、まず身近な親たち、何とかして・・・って思います。 ε-(´o`;
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/21 12:23分 
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NoTitle 

YANさん、こんにちは。

この映画・・・
実は期待していたほど楽しめませんでした。

YANさんが感想で書かれているようなことを過度に期待して見てしまったからかもしれないし・・・
主人公の男の子の容姿が、自分が教えている学生 -成績別のクラス替えで一気に二段落ちしちゃった!友達も微妙にいなさそう…で、ちょうどその時心配していた子 - に似ていたから、ブルーになりすぎてしまったのかもしれないし・・・

でも、YANさんはじめ、たくさんの方が感動されてるんですね〜。ふうむ。

コメントにあった「シティ・オブ・ゴット」。こっちは大好きです♪
すごくスタイリッシュで、実際にスラムに住む人たちが演じているからかとてもパワフルです。映画としての構成力も抜群!
ちびっ子ギャングの現状などは憂うべきことなんですが・・・「めちゃくちゃおもしろかった!!」です。
機会があったら、ぜひぜひ!

  • posted by IHURU 
  • URL 
  • 2008.07/23 14:39分 
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IHURUさんへ 

こんにちは!
過度の期待があると、却って面白く感じられない事はありますよね。
私の場合は、内容についてほとんど予備知識がなかったので、
割とスンナリと、映画の世界に入っていけました。
ストーリーとしては、とてもシンプルで分かりやすかったですもんね。
メッセージが届きやすい作品だったかもしれません。

生徒さんと似てたのは不運でしたね。
余計な雑念が邪魔して、そりゃブルー入っちゃいますよ。(DAIGO風)

「シティ・オブ・・・」そんなに面白かったですか。
これは、見たいリストに入れておかないといけませんね。
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2008.07/23 15:55分 
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