着信アリ
2008-07-15(Tue)

監督:三池崇史
製作:2004年 日本
原作:秋元康
出演:*柴咲コウ *堤真一 *吹石一恵
来る。
三日後の自分からの発信。
残されたメッセージは死の予告。
あなたの携帯にも「死」が届く。
「ワン・ミス・コール」の宣伝がテレビで流れ始めました。
その映像がなかなか恐そうじゃないですか~
ひょっとして、いいシーン全部見せちゃってないでしょうね。
本編を見たら、宣伝以上のものがなかったという事が時々あります。
日本版ホラーをハリウッド・リメイクして面白かった作品って、
私にとっては今までにあまりないけど、今回どうなんでしょう。
(「ダーク・ウォーター」はラストが邦版より良かった)
日本の幽霊って、強い怨念を持ってる(イメージ)から、
そばに立っているだけで悪寒が走って恐いんですよね。
でも、外国の霊は、恐ろしい形相で襲って来て、初めて恐い。
そんな感覚の違いが、ちょっとした壁になっているような気がします。
「リング」でも、貞子は陰湿で絡みついてくるような幽霊だけど、
サマラは悪い力を持った悪魔、ゾンビ扱いでしたよね。
怨念があんねんかどうねん?(韻を踏んでみた)
この違いは日本人にとって大きいのでは?
前置きが長くなったけど、
「ワン・ミス・コール」の基となった「着信アリ」
「リング」や「呪怨」の流れを受け継いだ内容でした。
怨念の力が、人の心理内にある恐怖をさらに増幅させていきます。
携帯電話という現代的で身近な道具を使うという発想がいいです。
韓国ホラー「ボイス」で先に使われてしまったけど、
あれは、子供の白目が恐かっただけに思えました。
自分の携帯に、未来の自分から断末魔の声が届く!
その声を聞いた者は必ず死を遂げる。
この着信メロディーは耳から離れません。
廃墟となった病棟が出てくるなど、ホラーの定番満載です。
でも、このストーリーの一番の軸である「強い怨念」に
納得がいきませんでした。
人を何人も殺すほどの強いものかな?と。
ネタバレのため、注意
以下、反転してください
美々子(姉)は菜々子(妹)を虐待していた側の人間で、
その事で、喘息の発作が起きた時に母に見捨てられたんです。
つまり、恨みを持つなら母親一人に対してのはず。
貞子の場合は、社会に対する恨みだったけどね。
美々子の恨みは、この世に強烈な復讐の呪いを
残すほどではないんですよね。
軸に説得力がなかったです。
ラストシーンは曖昧で、よく意味が分かりませんでした。
由美(柴咲コウ)は、自分が携帯で聞いた断末魔の声を発したから、
きっと美々子に殺されて、身体を乗っ取られたんでしょうね。
それで山下(堤真一)を刺した。
病室で刃物を持って、アメ玉を口に入れたのは・・・
菜々子を傷付けていたように、山下にも同じ事をするのか?
ラストだけ、妙に明るい笑顔のシーンで、謎が残りました。