笑の大学
2008-06-18(Wed)

監督:星護
脚本:三谷幸喜
製作:2004年 日本
出演:*役所広司 *稲垣吾郎
一人は笑いを愛した 一人は笑いを憎んだ
二人の友情が完璧なコメディを創り上げた
三谷幸喜作品をもう1本。
笑えましたね~!これも。 (^▽^)
ガハハと大笑いするんじゃなくて、
クスッと吹き出すような小ネタがいっぱい散らばってるんですよ。
それでもって最後には、思わぬ展開でホロッと泣かされました。。。
笑わせて泣かせるとは、憎いじゃないの。
たった二人の登場人物で、人間ドラマを見せてくれます。
その掛け合いが良いテンポで、トントンと進んでいくんです。
元々が舞台劇と言うだけあって、
二人の芝居も少々大ゲサだけど、それが喜劇に合っています。
役所広司はもちろん上手いです。
あのテンポ、緩急のつけ方、いろんな表情、素晴らしいです。
吾郎ちゃんは、ちょっと 滑舌(←この言葉、変換できないし
辞書にも載っていない!)が悪いように思うけど、
長いセリフを高いテンションで頑張って言ってましたよ。
二人芝居なので、一人は華のある若者じゃないと、
全体が地味になるので、配役はこれでいいと思いました。
物語は、戦争の雰囲気が高まってくる昭和15年。
娯楽も規制され、劇脚本にすら検閲の入る時代でした。
検閲官の向坂(役所広司)は、それまで笑った事のない人。
そこへ、上演許可をもらいに、座付作家の椿(稲垣吾郎)が、
台本を持ってやって来ます。
向坂は、ケチをつけては不許可の判を押し、
一方、椿はその難題を全て受け入れ、
さらに面白いものを書いてきます。
めげずに何度もやり直して挑戦してくる。
それが、権力に対抗する作家の信念だったんですね~!
軽い喜劇作家のように見えて、深い思いがあったのでした。
面白かったのは、向坂の変化です。
笑った事のない人が、笑いに癒され新しい世界を知っていく。
7日間のうちに、徐々に変わっていく姿は、感動ものです。
役所広司の演技にもよるところが大きいでしょう。
最後に「笑いのない喜劇」と言うのは、
「お国のために・・・」と言わねばならない立場となった、
正に椿に降りかかった状況を言うのでしょうねえ。。。
向坂の「生きて帰って来い」が泣けたわ~ (|||_|||)
ギャグでは「お肉のため」が一番好きだけど。
映画全体から、笑いにかける情熱がよ~く伝わってきました。