THE有頂天ホテル
2008-06-16(Mon)

監督・脚本:三谷幸喜
製作:2005年 日本
出演:*役所広司 *佐藤浩市 *香取慎吾 *戸田恵子
*生瀬勝久 *角野卓造 *オダギリジョー *YOU
最悪の大晦日に起こった、最高の奇跡。
もう世間では「マジック・アワー」だっちゅうのに、
今頃、これです。。。
「ホテル・アバンティ」で大晦日の夜に起こったドタバタの顛末。
ホテルと言う、大勢の宿泊客や従業員が集まる設定を利用した、
ワンシチュエーションでいろんな物語が繰り広げられる群像劇。
もう、笑えてホンワカとして、楽しい作品でした★
いや~、こんなにも多くの豪華俳優陣をよくも集めて、
一人一人にちゃんとエピソードを配して、見せ場を作ったもんだわ!
リアルタイムで、あちらこちらと話が進んでいき、
時間経過も破綻がなくて上手に絡めているのには、感心しました。
相当、綿密に計算したんでしょうねえ~
役所広司、さすが演技も安定して存在感があります。
ホテル副支配人の役なんだけど、
冒頭のカップル(田中直樹と八木亜希子で「みんなのいえ」の夫婦)
の灰皿を取り替える指示のシーンで、
いかに機転が利いて、仕事のできる人かが分かります。
忙しい大晦日の、次から次へと起こる難題もテキパキと
こなしていきますからね。
そんなスマートな人が、夢を捨てて今の職業に就いている事に、
引け目を感じているんですね。
久しぶりに出会った元妻に見栄を張ってしまうなんて。
元妻の前に出ると、急に別人のようになって、
バカなマネをしてしまうのよね~ そんな必要ないのに。
役所広司のように、表に出している面とその裏に隠れている面を、
どの人も持ってるんですよね。
そんなところもまた愛すべき人たちだなあと思いました。
香取君の場合、挫折しても明るく振舞う面と、夢を捨てきれない面。
角野卓造の場合、社会的に認められた学者の面と、
愛人とクネクネダンスをする面。
西田敏行の場合、大御所と崇められる面と、情けない程アタフタする面。
松たか子の場合、シングルマザーとして毅然と働いている面と、
前の恋愛をひきずっている面。 などなど・・・
どの人も現実で、ある一面を見せながら、
理想の自分を追い求めてたりするんですね。
テーマとして「夢をあきらめないで」「自分らしく生きる」というのがあって、
そんな思いに目覚めてハッピーになる人もいれば、
現実と折り合いをつけていく人もいて、
人の数だけの人生はあり、やっぱり結末もいろいろ。
カウントダウン・パーティーでは、全員が一堂に会して、
とにかく希望を持って行きましょうと笑顔を見せます。
きっと、スタートはこれから!
新年が明けるように、みんなもそれぞれスタートしていくんだろう、
そんな風に思えるラストでした。
もっと他の登場人物や、面白いエピソードの事も書きたいけど、
(幸福になるマスコット、役所広司と佐藤浩市の最後の会話、
オダギリ・ジョーの怪演、伊東四郎の白塗り、その他いろいろ)
なが~くなりそうなので、このあたりで。
緻密に計算された三谷ワールドにハマッて、
すごく楽しい気分になれました~!