ハンニバル・ライジング
2008-06-03(Tue)

監督:ピーター・ウェバー
製作:2007年 アメリカ
原作:トマス・ハリス
出演:*ギャスパー・ウリエル *コン・リー *リス・エヴァンス *ドミニク・ウェスト
すべてが明らかになる
「羊たちの沈黙」などの、ハンニバル・レクターと言えば、
人食い殺人という猟奇的で残忍な行為を犯す一方、
高い知能と独特の美学を持つ、ある意味魅力ある人ですよね。
今作は、いかにしてそのような特異なキャラが形成されたのか、
それを明らかにしていく話です。
レクター博士と言えばアンソニー・ホプキンス。
そのイメージが固定化されてるから、ギャスパー・ウリエルでは、
顔が整っていて、繋がりがピンとこないんですよ~
でもまあ、そこはツベコベ言わず、
これまでのシリーズとは別物として観ることにしました。
残酷シーンの多い事。血がよく飛んでましたわ。
刃物が出るたびに、何かやらかすんじゃないかと、ドキドキ!
ギャスパーくんが妖艶なので、つい見ちゃったけど。
とは言っても、眼差しのパワーのみで、アゴのラインは貧相じゃない?
もうすでにホホ肉を切っちゃったの?的な顔ですよね。
ただ冷酷な殺人鬼になった時の彼の目は、
妖しく美しく、ものすごい艶やかさがあるんです。
なかなかいい味を出してましたね~
ハンニバルの少年時代、戦争が暗い影を落としています。
妹が逃亡兵たちにされた行為は、あまりにも残酷でおぞましい!
それはハンニバルにトラウマを残し、復讐心を芽生えさせます。
彼に大きな影響を与えるのが、亡き叔父の妻で未亡人のレディ・ムラサキ。
彼女が日本文化である刀剣の扱いや、
剣道・茶道・華道などを教えるんですね。
レクター博士の芸術的・知的センスの根にあるものが、
日本文化だったなんて、ちょっとうれしい~(^^)
まあ、鎧兜に手を合わせるとか、変な描写は出てきたけど。。。
レディ・ムラサキのコン・リーが美しくて良かった!
日本女性と言う事で、ただおしとやかなだけじゃなくて、
武道もできるし、バイクも颯爽と乗る。
でもって、やっぱり落ち着きがあって凛としている。
彼女のおかげで残酷描写ばかりのこの作品の品位が
ちょっと上がったと思います。
日本人女優ではムリだったのかなと思うと、残念ですね。
レディ・ムラサキも原爆で家族を失ったと言っていて、
戦争の爪跡(戦争でウヤムヤになった殺し)という背景もチラつかせていました。
逃亡兵グループのボス、グルータスから、衝撃の事実を知らされ、
怒りに自分を見失うハンニバル。
レディ・ムラサキからも「あなたに、愛に値するものがある?」と見放され、
グルータスに食らいつきます。
そこが残虐な殺人鬼ハンニバル・レクターの誕生だったと思います。
単純な復讐劇になってしまったところが、あまり面白くない点だけど、
一応、ハンニバルがレクター博士に繋がっていくような、
いろいろな要素は含まれてましたね。
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