ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
2008-05-09(Fri)

監督:セルジオ・レオーネ
製作:1984年 アメリカ
出演:*ロバート・デ・ニーロ *ジェイムズ・ウッズ *エリザベス・マクガバン
前にBSで放送していたので、録画しておきました。
前編2時間、後編2時間の超大作で、
なかなかまとまった時間が取れずに、
細切れに観て、やっと全部観終える事ができました(^_^;
波瀾に満ちたギャングの生き様を、クラシカルなN.Y.の街を舞台として、
情感たっぷりに描いた作品です。
友情、愛、裏切り、暴力が織り成すドラマは、見応えがありました!
かなり昔に観たけど、覚えていたのは少年時代のシーンだけでした。
ストーリーは、記憶になかったです (^_^;
今回、初めて観るような気持ちで、この作品を鑑賞しました。
長さが約4時間、それに中身も重厚感があり、
映画らしい映画を観た~という満足感がありましたよ。
この作品は、男たちの少年期・青年期・老年期に渡って
壮大に繰り広げられるんだけど、
これが時系列バラバラで、しかも登場人物も多いから、
一度観ただけでは把握しにくいんですよね。
以前に観てストーリーは記憶になかったと書いたけど、
理解してなかったんだと思った次第です。
今回、再度観直してみて、初めて、
アヘン窟で、ずっと電話のベルが鳴り響いているのは、
ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)の(自分が電話した事による)
やましい気持ちを表現したものだったんだと気付いたし、
最初のほうの、老いたヌードルスが、
ファット・モーの店を訪ねてきたあたりの、数々のシーンの
意味も、観直してみて理解できました。
これは、よく練りこまれたストーリーで、
観れば観るほど味が出てくるし、魅力に はまっていくわ~
時代の切り替えもひじょうに上手くて、
老年期のヌードルスが、昔を懐かしんで壁の穴を覗くと、
そこに少年期の思い出が蘇る・・・といった美しい流れなんです。
私が好きな少年期、ヌードルスとマックスは運命的に出会う。
リーダータイプの二人は反目し合いそうだけど、
ウマが合ったんでしょうね、いつも仲間で行動するようになります。
家族よりも誰よりも、この仲間だけが
かけがえのない大切なものだったんですよね。
厚い友情と信頼で結ばれているのが、よく伝わってきました。
そしてそれは長く続くんだけど・・・
禁酒解禁あたりから、陰の権力者と組んで仕事をするようになります。
自分の仲間だけで団結してやっていければ満足のヌードルスに対し、
マックスはさらに大きな権力を求める上昇志向を見せ、
二人の方向性の違いが出てきます。
これが思わぬドラマを生んで、老年期に繋がっていくんです。
最後、二人が対峙するシーンがこれまたいい!
少年期の二人が回想で出てきて、長い間の因縁を感じます。
罪悪感に苦しんでいたのは、ヌードルスよりマックスのほうだったんだね。
これは、完全に男と男の物語です!
女は添え物ですね。
この監督は、女に対して、あまり敬意を持ってないでしょう。
どの女も、この監督が描くと情婦になってしまうようで。
でも、少女だけは違ってましたね、立派な女性でした。
バレエを踊る少女デボラです。
ジェニファ・コネリーだったとはびっくり。
ものすごく可憐なんだけど、意思の強さがこの頃から備わってました。
会話が子供ながらウィットに富んでいるのには まいったわ。
ダンスシーンで必ず流れる「アマポーラ」が耳から離れない~
エンニオ・モリコーネの曲は品格があって、
自然に感情を盛り上げてくれるのに、一役買ってますね。
ちょっとツッコミを入れるなら、
スキャンダルの渦中にある政府長官の顔が、
世に知れ渡っていないのは、ありえないよね?
ラストは、ゴミ粉砕車と若者の車を眺めるヌードルスの微妙な顔で、
エンドロールもなく突如終わった感じだったけど、
もっと余韻に浸らせてほしかったなあ。。。
でも、男の、渋くてカッコイイ世界に酔いしれる事ができました。
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画