ボーン・アルティメイタム
2008-05-06(Tue)

監督:ポール・グリーングラス
製作:2007年 アメリカ
出演:*マット・デイモン *ジュリア・スタイルズ *ジョーン・アレン *デヴィッド・ストラザーン
彼<ボーン>が「記憶」を取り戻す時、
最後通告<アルティメイタム>が下される。
やっと準新作(3泊4日238円)になったので、即レンタルしてきました。
ネタバレあります
「ジェイソン・ボーン」シリーズ3作目。
期待通りの面白さだった~!
アクションシーンなどは、今までよりもさらにパワー・アップしていて、
画面に食らいついて動きを追いかけるのに必死になるくらい、
息もつかせぬスピーディーな展開でした!
序盤、中盤、終盤に上手く盛り上がりが配置されているけど、
中でも私は、序盤のウォータルー駅の場面が好きです★
接触したい新聞記者のポケットに携帯電話をそっと忍ばせて、
雑踏の中で、動きながら相手に指示を出していく。
追ってくるCIAの数は相当なものなのに、
ボーンは相手の2歩も3歩も先を読んで裏をかいてゆく。
なんてスマート! なんてスピーディー! なんてシャープなの!
これなのよね~ ボーン・シリーズの醍醐味は。
ボーンの判断・行動の素早さと的確さ! ほんとスカッとする。
3部作を通して、ボーンは自分探しの旅をしてきました。
自分はなぜ殺人を犯してきたのか、自分は何者なのか?
アイデンティティを奪われた男の哀しみが常にありました。
強さと頭脳明晰さに加えて、哀愁が漂っている、
それがボーンの最大の魅力だと思います。
寡黙で淋し気な男に、マット・デイモンはピッタリで、
見事なキャラクターを作り上げたものだなあと感心しきりです。
自分がどこの誰かを知りたくて苦しみもがくところに、
私もすっかり感情移入してしまったわあ。
前2作で、CIAの一工作員としてしか登場しなかった
ニッキー(ジュリア・スタイルズ)が、今作では出番多し。
ものすっごく意味あり気に熱くボーンを見つめてたね~
表情だけで女心をとってもよく表現してました。
記憶を失う前のボーンとの関係が伺い知れます。
でも、ここでどうこうならないのが、ボーンのクールでいい所。
パメラ(ジョーン・アレン)が電話で本名を告げるシーンは、
2作目にもあったけど、そこと繋がってるわけね?
2作目のロシアとN.Y.の間にかなり3作目が重なってるのか。
あ~、2作目を見直しておいたほうが良かったなあ。
自分の判断を貫くパメラは、その凛とした姿が頼もしくて、
中立的立場で物事を見るので、救いの人でしたね。
CIAの建物が、外から丸見えのガラス窓という物騒さと、
何の変装もしてないボーンが、各国を自在に移動したり、
CIAの建物にスッと入り込めるのには、おいおいって感じ。
ボーンは車ごと転落したり激しい衝突をしながらも不死身で、
自分が誰で、どのように殺人マシーンに作り上げられたのか、
とうとうつきとめます。
最後にスナイパーと交わす言葉がグッときた。
「自分を見ろ。人間と言えるのか。」
「アメリカ国民の命を救うため」と洗脳したCIA幹部は非道だ。
今作は、めざす相手や敵となる人間が、早いうちに特定され、
ストーリーとしては単純で分かりやすかったです。
あちこち世界を移動したけど、結局CIA内部の話だった!
辛く恐ろしい真実に辿り着き、それと向き合う事で、
最後には殺人マシーンと決別できたんですね。
3年間ずっと苦しんできたボーン。
笑顔になったのは、マリーと一緒の時だけだったんじゃない?
これでやっと呪縛が解けたんだけど、
続編があるとなると、ボーンのキャラクターから
哀愁が消えるのかな?
関連作品*****
「ボーン・アイデンティティ」
「ボーン・スプレマシー」