ミリオンダラー・ベイビー
2008-04-11(Fri)

監督:クリント・イーストウッド
製作:2004年 アメリカ
出演:*クリント・イーストウッド *ヒラリー・スワンク *モーガン・フリーマン
愛に、打たれる。2004年の映画賞、総ナメとなった作品です。
まず、おじさん二人、
クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマン、
さすがいぶし銀の、深い味わいのある演技だわ~
二人がそこにいるだけで、画面が引き締まります。
マギー役のヒラリー・スワンクも、鍛え上げた肉体で、
タフな根性してるんだけど、純な表情がとってもかわいい。
渾身の演技という気合が感じられます。
ストーリーとしては、まず、老トレーナー・フランキーと、
年齢がいってからボクシングジムに入門する女性マギーの
心の交流を中心に進んでいきます。
娘に出した手紙がそのまま戻されるフランキー。
親友の片目を失明させた事への罪の意識も背負った孤独な人。
家族の誰からも愛されていないマギー。
この家族が、
ほんとに思いやりのない、いやらしい家族で、
観客をムカムカさせるのに、効果抜群ですわ。
だから、
帰る場所である家族を 失った者同士、二人がボクシングのトレーニングを通じて、
擬似父娘関係を築いていくのは、とても自然でしたね~二人が力を合わせて、試合に勝ち続けていく姿は
見ていて、実に気持ち良かった~!
ヒラリーの闘う姿には、ごまかしのない迫力を感じました~
その躍動感のある舞台から、一転、後半は重く暗い・・・
しっかし、こんな展開だとは、最初観た時、全く知りませんでした。
テレビの予告編でも一切出してなかったし、
おすぎも黙ってたのね。。。
動の次に来る静の後半・・・
マギーは、自分で自分の行く末を決断し実行する事も
もう ままならない。
蜜な時間を過ごしてきた相手だからこそ、
かけがえのない相手だからこそ
マギーはフランキーに頼めたのでしょう。
頼まれたフランキーの苦悩も測り知れないものがあると、
マギーだって、充分、承知のはずです。
そこを敢えて、頼んだ。理解してくれる人だから。フランキーにとっては、マギーが生きていてくれるだけで、
それだけで本当は良かったのかもしれません。
「モ・クシュラ」・・・愛する人よ、お前は私の血。
でも、輝く一瞬を生きたマギーの姿を目の当たりに見てきたから、
マギーの気持ちが分かり過ぎる程、分かってしまったのでしょう。
輝きの後の影は、あまりにも暗く深いのです。「生かす事は殺す事」・・・なら、本人の望みどおり・・・と。
マギーは、自分の命を委ねられる人が傍にいて良かったと思う。
でも、十字架を背負ったフランキーは、(ミスティック・リバーと同じだ)
さらに孤独に裏の世界を生きていかなくちゃいけません。
何が正しくて何が正しくないのか分からなくて、
二人それぞれの、心情をおもんばかる事しかできません。
重苦しいけど、それでも私には
愛を感じられるラストでした。
モーガン・フリーマンの語りや、照明の影にも味があって、
余韻が残る作品です。
2004年アカデミー作品賞・主演女優賞・助演男優賞・監督賞 受賞
テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画
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コメント
深みがあり素晴らしい、まさに名作ですよね~
モ・クシュラの意味・・・私の頬にも涙がつたいました。
私もあのラストは、なんとなく愛を感じたな~。
「切なくて苦しいけど、これで良かった」的な。
ところでイーストウッド特集、続くんでしょうか??
名作が山盛りですもんね~^^
この作品も切ないです。
そう言う道しかなかったのか?もっと違う選択もあったのでは?だけど2人の思いは…
この作品でヒラリー・スワンクを認識して何本か見てますがこの女優さんも演技派ですね。
今作でもしっかり体を作って本当にボクサーみたいでした。
私もわさぴょんさんと同じで、読んでいるだけでいろいろなシーンが思い出されて涙が出そうになりましたよ。
私もこの映画は、見るまでそのようなストーリーと夢にも思っていませんでした。どちらかと言えば、女版のロッキーのような映画だと思っていました。
>さらに孤独に裏の世界を生きていかなくちゃいけません。
フランキーはその後どうしたんだろうと胸がいっぱいになりました。最後の思い出のお店に、彼の姿は見せないで、カメラがそのお店の明かりに近づいていった時に滂沱の涙が流れました。余韻が残る作品でしたね。
イーストウッド特集なんですか?
わさぴょんさんにとっても名作でしたか!
重さも深さもあって、胸にこたえる作品ですもんね★
ラストは「海を飛ぶ夢」でも同じだけど、
周囲もこの先、希望を持たせてやる事が難しいわけだし、
「これで良かった」みたいに、やっぱり思いましたよ。
そんなにたくさんのイーストウッド作品を観てないので、
特集もこれで終わりです(^^ゞ(特集じゃないじゃん!)
もっと違う選択・・・そこが考えても分からないところなんですよね。
映画の中のセリフ「生かす事は殺す事」
前半の光輝く躍動を見てるから、余計にこのセリフに納得したけど。
死ぬより生きるほうが苦しいんだって思っちゃった。。。
ヒラリーはゴツくて男らしい女優さんですよね。
でも女を前面に出した「マリー・アントワネットの首飾り」割と面白かったです。
全く同じで、私もロッキーの女性版だと思い込んでましたよ。
だから、明と暗、動と静、光と影をしっかりと描き出した作品に、
ズ~ンときて、しばし呆然という感じでした。
>滂沱の涙・・・さすがkiriyさん、すごい表現しますね~
愛する大切な人の最後の頼みに、愛で応えたフランキーだけど、
あとはもう思い出の中で生きるしかないですよね。
その彼を思って、モーガン・フリーマンが静かに語っている・・・
なんて、切ないラストなんでしょう。
あの展開には私も驚きました。
ほとんど同時期に「海を飛ぶ夢」を公開していたので、似たテーマの作品を続けてみるはめになりました。
スワンク、イーストウッド、フリーマン3人の演技は、素晴らしいとしか言いようがありませんです。
YANさん、こんにちは!
これも感動しました。格調高く、余韻という言葉が
何故かしっくりくる名作でした。
前回のコメントで誤解されてるかもしれませんが、
基本的にイーストウッド作品は好きなんですよ。
中でもこれは傑作だと思います。
そして、モーガン・フリーマン!いいですね~。
役者としても大好きだし、ナレーションもピカイチだと
思います。
ヒラリー・スワンクも名演でした。
そうそう、「海を飛ぶ夢」と同時期に公開されてたんですよね。
同じようなテーマだったのは偶然だったのかな?
両方とも、本人の意志を尊重した結末でしたね。
それ以外にどうしたらよかったのか?難しいところです。
ただ、現実では違法行為なので、そんな決断は許されないんですけどね。
その点では、映画の主人公たちは幸せだったと言えると思います。
(「海を・・」は実話に基づいてましたが)
こんにちは!
そうでしょうね、CDさんの好みは割りと私と似ているので、
イーストウッド作品も好きなはずです★
これは、アカデミー賞も納得の傑作ですよね。
フランキーのその後、生きているのかどうかも含めて、
とても余韻の残るものとなりました。
イーストウッドもフリーマンも、いい年の取り方をしていて、
ステキな俳優ですよね!
女優は年をとると、だんだん活躍の場が少なくなるんだけど、
男優は「いぶし銀」という形容があるからいいですよね。
こんばんは、ホーギーです。
この映画は、ここ数年でベスト3に入る位に
好きな作品です。
ストーリー、キャスト、音楽どれをとっても、
超一流の名作だと思います。特に、後半まさか
あのようなストーリーになるとは誰が予想できた
でしょうか。
そして、最後にエディがフランキーに言った
セリフ(私のブログにも記載してます)が、
とても、心に残っています。
この年のアカデミー賞は、個人的には、
ここ数年で一番レベルが高い、名作
が揃った年だったと思います。
それにしても、イーストウッドは、ほんと
いつもいい映画を製作しますよね。
ps今回もTB何度もチャレンジしましたが、
うまくできませんでした。残念!
それから、私のブログにも「お気に入りブログ」を
サイドバーに付けました。ちなみに、カーソルを
当てるとサムネイルが表示されます。
そこで、YANさんのブログをリンクさせて頂きました。
事後承諾で申し訳ありませんがよろしいでしょうか。
YANさん、こんばんわ。
前半の夢に向かって生きる爽快さとは裏腹に、後半は一転して重い映画でしたね。ボクサーに限らないのですが、危険を省みず、大きな夢に挑み、失敗してしまった者たちの、一見すると悲惨な境遇。しかし、実はそこには当人にしか味わえない人生の大きな満足があるのかもしれません。そして、そんな痛みを十分知っているのであろうデンジャーは、それでも帰ってきた。このシーンに、今までのイーストウッド監督の作品とは一味違った印象を持ちました。
それじゃ、また。
ベスト3に入る程、この作品がお好きなんですね~
だから、きちんとセリフも記憶してるんですね。
やっぱり、あの後半の展開については、
どなたも予想してなかったようです。
「シックス・センス」ではわざわざ「この結末を誰にも・・・」と
注意を流してたけど、この作品もネタバレしないように徹底した
かん口令でも敷かれてたんでしょうか?
アカデミー賞は、スンナリ納得ですよね。
主演男優賞は「レイ」のジェイミー・フォックス、これも納得でしたし。
それから、リンクしていただいて光栄です、ありがとうございます!
サムネイル付だなんて、ホーギーさん、すごい事ができるんですね~
これからもよろしくお付き合いをお願い致します★
こんにちは!
あの前半あっての後半でしたね。
前半のような輝いた人生があったので、
後半の二人の行動が理解できたように思います。
悲惨に見えても、きっと彼らに後悔はなかった事でしょう。
そうだ、デンジャーがいましたね。忘れてました(^_^;
例え失敗があったとしても、人生は挑んでみる価値がある。
ラストに希望があって、よかったです。
私のブログへのコメント&TBどうもありがとうございました。
その後のフランキーの視点は、さすが、YANさん
興味深い指摘ですね。一応私の考えをコメント
させてもらいました。よかったらご覧になってください。
それから、リンクの件、喜んでいただいてよかったです。
こちらこそ、先にリンクして頂き、感謝しております。
わざわざコメントしに来て下さって、ありがとうございます!
ホーギーさんのブログにお邪魔した時は応援クリックもやってますが、
時々うっかり忘れます (^_^;
ホーギーさんの考えを読ませてもらいました。
やはり、フランキーの事は、そうあればいいなという願いを込めて、
ああいった結末を想像してしまうんでしょうね。なんかホッとしました。
おじゃましまーす。
この作品、珍しく号泣しました。
単に新米ボクサーとトレーナーのサクセスストーリーだとばかり思って観ていたので、あの展開には不意打ちをくらった感じ。KO負けでした。
フランキーの思いに寄り添いたくて、レモンパイ焼いてシンミリ食べましたよ><
こちらにもコメントありがとうございます!
この作品、お好きでしたか。好みが割りと合いますね~
「珍しく」号泣とは、くるみナッツさんはあまり泣かないほうなんですか?
私なんて、涙もろいから、けっこうすぐに泣けちゃうんですよ(^_^;
>KO負け 上手い!
>レモンパイ 焼いてまで食べるとは、すごいですね~!
フランキーとマギーの思い出のレモンパイですよね。
最後のシーンに出てくるお店も同じ店でしょうか。
3人の演技が素晴らしかったですね。
私の中盤以降のあの展開にビックリしてしまいました。
「生かすことは殺すこと」
つらい言葉ですね。
でも、ダンのモ・クシュラの言葉に救われました。
家族。生と死。
いろいろと考えさせられる作品でした。
こんにちは!
三人の俳優が重厚感を出ていましたね。
私にとってもあまりにも意外な展開で、唖然としました。
辛く悲しい物語になっていましたが、
本物の親子以上に濃密な時間を過した二人の出した結論には
悔いがなかった事でしょうね。
最後には愛の存在が強く感じられて、救いがありました。
イーストウッド、モーガン・フリーマン、ヒラリー・スワンク。
3人とも素晴らしくとても良い作品でした。
テーマがテーマだけに、鑑賞後ひたすらモヤモヤしていましたが、YANさんがおっしゃる「愛を感じられるラスト」。
そうですよね。
僕的にもフランキーが取った行動は「有り」なんです。
この二人だけの形が成り立っているような気がして。
ただ、本当にこれで良かったのかとモヤモヤモヤっと再びなったり(苦笑)
色んなことを考えさせてくれる、本当に良い作品でした。
こんにちは!
3人の演技派の俳優が素晴らしかったですよね!
後半はまさかの展開で、心にズシーンと来ました。
悲しい結末だけど、こうなってゆく2人の関係が
前半にしっかり描かれていたので、とても納得できました。
ゆず豆さんは自殺や尊厳死はどちらかと言うとお嫌いでしょう。(^^;
生きて希望を見出すのが一番良いんでしょうけどね。
いろいろ考えさせる余韻のある名作ですよね。
2004年制作 米
監督:クリント・イーストウッド
≪キャッチコピー≫
『愛に、打たれる。』
≪ストーリー≫
ロサンジェルスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジムを営む老...
Photo by Merie W. Wallace. (c) 2004 Warner Brothers. All rights reserved.
MILLION DOLLAR BABY
2004年 アメリカ作品
監督 クリント・イーストウッド
出演 ヒ...
二人の老練な男優が醸し出す人生観が、味わい深い映画。
重たいラストなのだけれど、不思議と私には重たくはない、
ハッピーエンドにも近...
本作品のキーワード : 『モ・クシュラ』
意味は・・・記事ラストを見てください!
【...
ミリオンダラー・ベイビー
貸出開始日: 2005/10/28?
製作年: 2005年?
製作国: アメリカ?
収録時間: 133分?
出演者: クリン...
Comment:
老年のボクシングマネジャーと女性ボクサーとの心の触れ合いを描くヒューマン・ドラマ。
その年のアカデミー賞主要3部門を含む4部門を受賞したクリント・イーストウッド監督の作品です。
名トレーナー兼マネジャーのフランキー・ダンは、長年育ててきた