きみに読む物語
2008-03-19(Wed)

監督:ニック・カサヴェテス
製作:2004年 アメリカ
出演:*ライアン・ゴズリング *レイチェル・マクアダムス
*ジェームズ・ガーナー *ジーナ・ローランズ
誰にでも、帰りたい夏がある
私の周りで、すごく評判の良かった作品なので観てみました。
とても心地の良い涙を流す事ができました~
療養施設で暮らす認知症を患った老女に、
物語を読み聞かせる親切な老人がいた。
その物語は、田舎でのひと夏の恋から始まった・・・
老女はとてもきれいな身なりで、
「それでどうなるの?」と話に興味を持ち理解しています。
この描写にはちょっとひっかかってしまったなあ。
私はこの数年間、認知症の義父を家でみてきたから言うけど
こんなものじゃないって・・・
でも、まあその悲惨さがテーマじゃないので目をつむりましょう。
物語の序盤、ノアがアリーに観覧車にぶら下がって
デートを申し込むあたりで、老女は老人に向かって
「あなた誰? どうしてそこにいるの?」って事を
何十回と繰り返してきたのかな。
その日はたまたま物語を最後まで聞いてくれて、
奇跡的に記憶が戻った日だったんですね。
何度アリーは遠くへ行ったり戻ったりを繰り返したんだろう。
一方、ノアの人生は揺らぐ事なく、アリーが戻って来るのを
待ち続けたと言えます。
アリーは自分の前世は鳥だと言って、
水辺で羽ばたいて見せましたね。
まさしく鳥のように、ノアの住む田舎に
一生留まる人じゃありませんでした。
二人は出会ってすぐ恋に堕ち、激しく燃え上がるけど、
私の目にも住む世界が違う二人に映りました。
やっぱりアリーは飛んで行ってしまう・・・
しかもロンと婚約までしてしまう。
このロンは人間的に申し分なく、アリーの気持ちを
優しく気遣う事の出来る心の広い人なんだよね~
私なら後ろを振り返らないけどね。前を見て進んで行くわ。
でも、アリーは元の湖に戻るようにノアの所に戻って来る。
それは二人の結び付きが運命的に特別なものだって事ですよね。
その後もアリーは飛び立っては戻って来る。
ノアは、愛する人が遠くへ行ってしまう苦しみと、
戻って来た喜びを、何度も味わいながら、
一途に一人だけを全身全霊で愛しました!
偏ってしまったけど、私はずっとノア目線で観ちゃったなあ。
「思い出が少しずつ君からこぼれてゆく」
忘れてしまう人より、それを側で見せられる人の方が辛いと思う。
最初に強引にデートを申し込んだ時のノアはいけ好かないヤツに
見えたけど、だんだんブレなくて強い魅力的な男になっていくのだ。
ライアン・ゴズリングの顔を思い出すと、すご~く切なくなってくる!
でも、悲しむ事はないよね。
二人は瞬発的な激しい愛を、永遠の愛に昇華させた。
愛で軌跡を起こしたんだもの。悔いはないよね。
あそこまで愛を全うした男女は、そうはいない。
白い水鳥が群れる湖をボートで横切るシーンがステキだった~
ロケーションからすると、あの施設はノアの家を手直ししたものかな。
愛の強さ深さに圧倒され、ウルウルきてしまいました。。。
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