プレステージ
2008-03-07(Fri)

監督:クリストファー・ノーラン
製作:2006年 アメリカ
出演:*ヒュー・ジャックマン *クリスチャン・ベール *マイケル・ケイン
運命さえトリック
マジックを構成するのは3つのパート。
1.確認 2.展開 3.偉業(プレステージ=prestige)
「プレステージ」を「偉業」と訳すのがどうもしっくりこなかった。
辞書には「『目をごまかす』が原義」と書いてありました。
この言葉、まるでマジックから発生したみたい★
わたし的には、「プレステージ」は人の目をごまかし現れる、
「最後の仕上げ」って感じかな。
マジックは見ているのに分からないものだと言ってました。
最初の方から、このストーリーの核心となる物を、
バンバン見せてたんですね~
シルクハットの山もそうだった。
「食事は一食を彼と分ける」「タネは単純なものだ」などなど・・・
この映画全体がマジックだったんです。
私は見ていたけど、分かってませんでした。
いや、ファロンが誰かは気付いたけど、
この映画のプレステージまでは、想像がつかなかった!
時間軸をバラバラにしたり、他に印象的な事を持ってきたり、
そんなカムフラージュで、伏線をきれいにぼかしてました。
ネタバレをネタバレらしくなく散りばめてました。
見事な「展開」のせいで、「最後の仕上げ」には
驚かされたわ!
二人のマジシャン、アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と
ボーデン(クリスチャン・ベール)のバトルは
その激しさ、壮絶さが面白かった!!
昔、同じ助手として一緒に舞台に立っていたアンジャーとボーデンは、
アンジャーの妻がマジック中に死亡した事をきっかけに、
敵対する関係になりました。
タイプは正反対だけど、マジックに取りつかれたという点では、
似たもの同士と言えます。
マジックで人をびっくりさせたい、
誰よりも面白いトリックをやりたい、
あいつだけには負けたくない、
あいつの持つトリックの謎をどうしても知りたい。
その底知れぬ執念の激しさったらないです。
人生を犠牲にしても、のめり込んでしまうんです。
マジックは手を汚すものと言うように、
ライバルの舞台に行っては足を引っ張ってくる。
やられたらやり返す。
野心をむき出しにしてエスカレートする二人のやりとりが、
恐ろしくもあるけど、面白いところなんだなあ~
そこに関連してくるニコラ・テスラ。(デヴィット・ボウイだとすぐ分かったわ)
実在の人物を登場させて、テスラならいかにも有りそうな無さそうなみたいな
(あるわけない!)妖しげな世界を作り出しました。
トリックへの狂気が、とうとう男を、とんでもない領域へ
踏み込ませてしまったんですね。
だから、あそこまでの驚愕のラストは想像できませんでした。
映画の最初のほうで水槽マジックを見せておいて、
人間瞬間移動マジックのバトルに視線を集中させる。
最初から最後まで、水槽はキーアイテムだった!
この水槽の使い方が上手かったですね。
でも、マジックのたびに毎回作るのも大変だし~
水も相当必要だし~
何よりも保管するには場所取り過ぎるし~
水槽から出しても良かったんじゃない?
ラストの画としては衝撃的で良かったけど。