ユージュアル・サスペクツ
2007-12-08(Sat)

監督:ブライアン・シンガー
製作:1995年 アメリカ
出演:*ケビン・スペイシー *ガブリエル・バーン *チャズ・パルミンテリ
*ベニチオ・デル・トロ *スティーヴン・ボールドウィン
見破りますか? だまされますか?
これは、私がケビン・スペイシーを知った最初の作品です。
そして、ドンデン返しの醍醐味をキョーレツに味わった
最初の作品とも言えるかな。
物語の途中までは、特に面白いとは思ってませんでした。
いろんな登場人物が出てきて、
いろんな事件が起きるので、
名前とかがゴチャゴチャになったりして、
頭の中を整理しながらストーリーを追っていくという感じでした。
画面は、密輸船爆破事件の生き残りキント(ケビン・スペイシー)を、
FBI捜査官(チャズ・パルミンテリ)が尋問するシーンと、
その供述を再現するシーンが、交互に出てきます。
テンポの良さに引き込まれていく中、
「カイザー・ソゼ」なる人物の名前が出てくる。
誰もが、その名前を聞いただけで、怯えると言う、
「カイザー・ソゼ」の正体は誰なのだ?
このあたりから、謎解きの方に意識が向いていくのだが・・・
とにかく「カイザー・ソゼ」が頭から離れません。
容疑者が追い詰められて自白し、
怪しいと思われた男がソゼだという結論に達した所で、
解決したように見えます。
しかし、最後に、エッと声をあげる程の大ドンデン返しがあった~!
取調室にあるいろんな断片から、思いがけない事実が浮かび上がって
パズルが完成していく時、鳥肌が立った~!
愕然となり、じゃあ今まで観ていたのは・・?と思っていると、
エンディングに、さらに驚きのシーンが・・・
「やられた~~」感でいっぱいになり、すぐに最初から観直しましたよ。
そうか、全て人の供述なので真実というわけじゃない。
実際の事件もあるのだから全て虚偽というわけじゃない。
両方が混在する再現シーンの組立てのうまさに舌を巻きました。
最初に持った印象とはガラッと変わって、
この映画のすごさがジワジワと押し寄せてきました。
どうして私はソゼの正体を見破れなかったのか?
それは、何と言っても、最初の、ソゼが男にピストルを向ける
回想シーンにあります。
あれを、物陰から眺める何者かの視線のように撮っているのだ。
後からの映像で、あの視点は☆☆だと思い込まされてしまった。
それに、ソゼは左利きとして描かれています。
いろんな騙しの伏線が散らばっていたんだ~!
やられたなあ~ 完全にはめられた。
よく練り込まれた脚本だ。
登場する男達がみんなカッコ良い!
ガブリエル・バーン チャズ・パルミンテリなどなど・・・
男臭さがたまりません。
特にケビン・スペイシーの達者な演技には心を奪われ、
この個性的な俳優の作品を、その後、観続ける事になりました。
「そして、フッと消えた」