Rocking Chair Blog

旧作を中心とした映画のブログです たまに音楽の話題もあります

Entries

ジョンQ 最後の決断

ゆうべ、テレビでやっていたのを久しぶりに観たので、
以前の感想に少し書き加えました。

ジョン

監督:ニック・カサヴェテス
製作:2002年アメリカ
出演:*デンゼル・ワシントン *ジェイムズ・ウッズ *アン・ヘッシュ

その時、彼は病院を占拠した。
 要求はただ一つ「息子の命を救うこと」


病院に担ぎ込まれた息子には心臓移植が必要だと分かりますが、
ジョン(デンゼル・ワシントン)の保険は、高額医療費には適用せず
冷たく退院勧告を言い渡されます。

そこでジョンは、病院を占拠し、人質をとり、息子の手術を要求します。

これ、いきなり書くと、ただの犯罪者で同情の余地なしなんですよ。
私も最初は『バカな事して・・・』と思ってました。
でも最後の決断をするまでの過程がちゃんと描かれているので、
ジョンに同情して、応援したくなります。

この気持ちを誰からも引き出す・・それが映画の魔法というのか、
デンゼルの人柄からくるものなのか、その両方なんでしょうが、
上手い運びで、面白いですよね。

お金のある者だけが良い医療を受けられるという実態。
生きるか死ぬかの子供を前にして、
保険とお金の話ばかり出てきます。

日本でも、この不公平感は一般的にあると思うんですが、
アメリカの医療事情はかなり悪いらしいじゃないですか。
まずそこをうまく掴んでると思うんですよね。


ジョンとは対照的に、私利私欲に溺れるイヤな奴らが出てくるので、
ますます自分の命をかけても息子を救いたいというジョンの
純粋な思いが際立ってきます。

それに、決して人質を傷付けるつもりじゃないという優しさが、
ジョンの目にすごくよく表れていて、
人質すらもだんだんジョンに共感を覚えるようになります。

と同時に観る者の心境も変化させられ、
ぐんぐん、息子を思うジョンに近付いていくんですよね。

周囲の人間の描き方は、実にアメリカらしいと言うのか、
人質たちは、「人質」という状況を超えて、
カップルがケンカをやってみたり、
犯人のジョンをヒーロー呼ばわりしたり、でクスッと笑えます。
病院を取り巻く野次馬は、ジョンを応援するように歓声を上げるけど
あれは映画ならではでしょうか?
本当にアメリカ人は、事件の最中でも笑ったりするんでしょうか?

突然出現のドナーは特別な血液型で、
ジョンの息子にしか適合しなかったのは、考えてありましたね。
ドナー待ちの他の患者を押しのけてでは納得いかないからね。

ジョンがやった事に対して責任はあるので、裁判の結果に出ましたが、
「犯罪でしょーが」で切り捨てられないものが確かにありました。
  • [No Tag]

*Comment

ラスト 

彼の行為は子供のためとは言え犯罪、
だからちゃんとラストのようになるのが普通でしょう。
だけどもともとの制度とかがおかしいのも確かですよね。命に差別は無いはずなのに…
  • posted by 夢眠 
  • URL 
  • 2007.11/17 23:01分 
  • [Edit]

夢眠さんへ 

そうですね、犯罪だからジョンはヒーローでもないし、
行為を正当化してはいけないんだと思います。
医療制度に対する問題提議になれば、良かったんでしょうね。

日本でも、もっと福祉が充実していればいいのにと思うけど、
「シッコ」でも取り上げられたように(私は未見です)
アメリカはさらにひどい状況のようなので、
国民の不満はどこかで爆発してしまう事があるでしょうね。
  • posted by YAN 
  • URL 
  • 2007.11/19 16:40分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。

*Trackback

トラックバックURL
http://yanrock.blog78.fc2.com/tb.php/236-a8df1de6

Menu

映画50音順索引

各記事とリンクしています。お気軽にコメントしていただけるとうれしいです。

「あ行」
■I am Sam アイ・アム・サム
■アイ・アム・レジェンド
■アイデンティティ
■アイランド
■アマデウス
■ある子供
■イノセンス
■ウォルター少年と、夏の休日
■海を飛ぶ夢
■ヴィレッジ
■英雄HERO
■エイリアンvs.プレデター
■es[エス]
■X-MEN:ファイナル・ディシジョン
■オペラ座の怪人
■オールド・ボーイ
「か行」
■隠された記憶
■カサノバ
■ガタカ
■かもめ食堂
■カッコーの巣の上で
■キサラギ
■きみに読む物語
■ギルバート・グレイプ
■銀河ヒッチハイク・ガイド
■クラッシュ
■グエムルー漢江の怪物ー
■グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
■グッド・シェパード
■グッバイ、レーニン!
■コラテラル
■コンスタンティン
「さ行」
■サイドウェイ
■サイン
■殺人の追憶
■サンシャイン2057
■THE有頂天ホテル
■ザ・ハリケーン
■シカゴ
■シザーハンズ
■ショコラ
■親切なクムジャさん
■シンデレラマン
■シークレット・ウィンドウ
■シービスケット
■ジャンパー
■主人公は僕だった
■ジョンQ最後の決断
■スイミング・プール
■スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
■スクール・オブ・ロック
■ステイ
■スパイダーマン3
■300<スリーハンドレッド>
■スリーピー・ホロウ
■セルラー
■ソウ
■ソウ2
■ソウ3
■それでもボクはやってない
■ゾディアック
「た行」
■タイムマシン
■ダイ・ハード4.0
■007/カジノ・ロワイヤル
■ターミナル
■ターミネーター2
■ダークナイト
■着信アリ
■チャーリーとチョコレート工場
■ツォツィ
■手紙
■デイ・アフター・トゥモロー
■ディパーテッド
■デジャヴ
■DEATH NOTE デスノート 前編
■DEATH NOTE デスノート the Last name
■電車男
■トゥモロー・ワールド
■トランスフォーマー
■トーク・トゥ・ハー
■ドリームガールズ
「な行」
■ナイロビの蜂
■ナショナル・トレジャー
■ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記
■21グラム
■28日後...
■28週後...
■ニューオーリンズ・トライアル
■ネバーランド
「は行」
■ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
■ハルク
■半落ち
■ハンニバル・ライジング
■バタフライ・エフェクト
■バットマン・ビギンズ
■バッド・エデュケーション
■バベル
■パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
■パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
■パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
■パフューム ある人殺しの物語
■英雄HERO
■ビヨンドtheシー〜夢みるように歌えば〜
■ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
■復讐者に憐れみを
■フラガール
■ブラック・スネーク・モーン
■ブラック・ダリア
■ブラッド・ダイヤモンド
■プレステージ
■ブロウ
■ブロークバック・マウンテン
■ヘアスプレー
■ペイチェック 消された記憶
■北京ヴァイオリン
■ホテル・ルワンダ
■ぼくの神さま
■ボーン・アイデンティティ
■ボーン・アルティメイタム
■ボーン・スプレマシー
「ま行」
■マシニスト
■マッチポイント
■マルホランド・ドライブ
■Mr.& Mrs.スミス
■ミスティック・リバー
■M:i:3
■ミリオンダラー・ベイビー
■息子のまなざし
■ムーラン・ルージュ
■メメント
「や行」
■ユージュアル・サスペクツ
■善き人のためのソナタ
「ら行」
■リトル・ダンサー
■猟奇的な彼女
■Ray/レイ
■レッド・ドラゴン
■レディ・イン・ザ・ウォーター
■ロスト・イン・トランスレーション
■ロック・ユー!
■ロード・オブ・ウォー
「わ行」
■笑の大学
■ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

最近の記事

プロフィール

YAN

Author:YAN
生粋の名古屋人

映画はDVD鑑賞がほとんどです
自分の記憶の記録なので
ネタバレ多いです
愛情を込めて感想を
書いているつもり・・・

音楽は70年代ROCKが好みです

2007年9月より映画ブログに変身しました

日記ブログ 別にあります

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム