コラテラル
2007-10-24(Wed)

監督:マイケル・マン
製作:2004年アメリカ
出演:*トム・クルーズ *ジェイミー・フォックス *ジェイダ・ピンケット・スミス
その夜は、いつものように始まった・・・
ネタバレあります
トム・クルーズが本格的な悪役に挑んだクライムサスペンスです。
どうもねえ、やっぱりトムに悪役は似合わないんだな~
冷酷非道な雰囲気はさすが役者だからよく出てるけど、
凄みとか壊れてる感じはちょっと物足りないような・・・
でも、この映画、人間模様がすごく面白いです。
ロスに殺しの仕事をしに来たヴェンセント(トム)をたまたま乗せた事で、
殺人計画に巻き込まれた(=コラテラル)マックス(ジェイミー・フォックス)。
この二人はプロフェッショナルです
一人は殺しのプロ。一人は運転のプロ。
反発したり認め合ったりの緊張感の中、
二人の心が瞬間的にでも、
通い合った感じがするところが、好きなんですよね~!
ストーリー的にはマックスの側に立った視点で見た展開になってます。
タクシー運転手のマックスが突然 冷徹なヴェンセントに拉致された形に
なって、一体どうなるのか、生きて帰れるのか?とハラハラさせられます。
マックスはとまどいながらも、
途中でムリヤリ殺し屋のマネをさせられて上手くこなしてるし、
最後にはヒーローみたいに女検事を救ってるし、いい仕事をしてます。
冷淡で無機質なヴィンセントと、一般市民で人間臭いマックスが、
タクシーという密室で言葉を交わすうちに、
お互い心情的に変化していくんですね。
ヴィンセントはマックスに「夢みるだけじゃなく具体的に動き出せ」と言います。
この説教は、マックスの心に響きます。
そして、マックスの、母への見舞いや、コヨーテをよける優しさは、
ヴィンセントの琴線に触れたんじゃないでしょうか。
男二人の気持ちが微妙に近付いた・・・
その男と男のドラマがゾクッとくるんですよ~!
地下鉄のシーンでは、ヴィンセントはターミネーターのような恐さで
追いかけてきたのに、わざと とどめをささなかった・・・
ラストのヴィンセントの姿は、都会の孤独がものすごく出ていました。
アクションだけじゃない、せつない味わいのある、
中身のと~っても濃いヒューマンドラマです。