カサノバ
2007-10-22(Mon)

監督:ラッセ・ハルストレム
製作:2005年 アメリカ
出演:*ヒース・レジャー *シエナ・ミラー *ジェレミー・アイアンズ
恋愛至上主義
100万もの恋か、ただひとつの愛か・・・
多くの女性を虜にしたプレイボーイのカサノバ(ヒース・レジャー)が
真実の愛に目覚め、恋の炎を燃やす・・・
「リバティーン」のような耽美で退廃的なムードかと思いきや、
意外にも、軽いテンポで進んでいくラブ・コメでした。
最初のシーンの、母と祖母が言う
「恋の火がつくと自分を抑えられない」性格は、
そのままカサノバも受け継いでいます。
そして、母の「いつかヴェネチアに迎えに行く」のセリフは、
最後のクライマックスで効いてきます。
このように、最初からいたる所に布石が散りばめられているんです。
どこも見逃さないようにしないと。
寝てなんかいられません!
恋愛至上主義で数多くの女性を相手にするのは、
母が出て行った喪失感を埋めるためかもしれません。
母を待ちわびるカサノバは、決してヴェネチアを離れませんが、、
それにしては、何の翳りもなく人生を謳歌している陽気な男です。
そんなカサノバ役のヒースは、背が高く、立ち振る舞いがステキ!!
以前よりおでこが広くなったかな?とも思うけど・・(^_^;
ガッシリ系の男が、いたずらっぽい瞳で笑うと、
そのギャップが実に魅力的なんです~!
モテる男は、今まで出会った事のないような女、
しかも自分を否定する女に心を奪われる・・・という
パターンはよくあるよね~ テレビドラマでも。
相手は女性解放と自立を訴える、知性的かつ行動的な
フランチェスカ(シエナ・ミラー)。
彼女のハートを射止めるため、先回りしたり他人に成りすましたり、
全力投球で頑張るカサノバの様子が微笑ましいです。
あちこちに置かれた布石は最後には見事に回収されます。
絶妙な駆け引きが楽しいし、おしゃれだし、
上手い展開が、とても面白かったです。
一番笑えたのは、フランチャスカの母親が
「この子の父親は巨漢でしたのよ」から繋がる結果。
ここまで全員が丸く収まってくれるなんて、もう万々歳!
従者のルポも、フランチェスカの弟のジョバンニも、
なくてはならない味付けをしてくれて、
思いがけないラストを作っていました。
ドタバタ喜劇だけど、映像も美しく、
上品な雰囲気に仕上がっていて、
ストーリー展開とヒースの魅力でとても楽しめる作品です。